このエピソードをPodcastで収録したのは、2024年1月28日の日曜日の夕方でした。
2023年の終わりから、コラボ企画というか、いわゆる JV (ジョイントベンチャー)というものに取り組んでいます。 JV と聞くと、大げさに感じるかもしれませんが、実際は他の人と組んでコースを作ったり、企画をしたりする活動です。2件同時進行しています。今週は特に山場で、1月は忙しかったですね。
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JVにおける契約書の意義
1月にして既に今年の山場でした。早っ。1件は一緒にコースを作成しているのですが、コース作成についてではなく将来的な販売戦略や権利関係について、契約書を巻くことになりました。契約書を巻くと言うと拒否反応を示す人もいるようですが、私は契約書を締結するそのプロセスが大事だと思うんですね。契約書は万一問題が生じた際や訴訟になったときのためではなく、むしろ揉めないために事前に話し合いをするためのツールだと思っています。
お互い違う人間なので、「このような場合はこうするものだ」と思っていたことが完全に一致することはありません。たとえばこれを将来的に販売停止したい場合、どのように対処するか、どの条件で販売停止するかなどについての感覚が異なることがあります。Aさん、Bさん、Cさんといたら3通りあるわけです。そのため事前に「こういう場合はこうしましょうね」と話し合い、具体的にどう対応するかを共有することが大切です。いざ問題が発生した際に、思っていたことと異なる状況になり、その方との関係性も悪くなることは一番避けたいことなんですよね。したがって契約書はその辺をカバーするもので、具体的な責任の取り方や契約解除条件などを1つ1つ確認し、信頼関係を築いていく作業だと考えています。
幸いなことに、契約書を交わす相手の方とは良い関係性を持たせていただいています。私たちの間、つまり当事者どうしでは合意しているのですが、クラウドワークスで行政書士さんを探し、契約書の作成を依頼したところ、非常に細かいところまで詰めてこられました。「そこまで決めておくべき?」と思うところについてのコミュニケーションがとても大変でした。最初は行政書士さんと契約してから契約書が上がってくるまで、1週間程度で済むだろうと楽観的に考えていました。なぜなら、私たちは当事者間でそれまでに主要な項目を話し合い、ドラフトを作成し、Googleドキュメントに文章化していたからです。あとは一般的な事項、たとえば不可抗力や損害賠償、万一争うことになった場合の地方裁判所など、一般的な条項だけそれっぽい文章にして記載してもらえれば十分だと思っていたのです。
結局、細かい確認と意見交換を繰り返し、2週間程かかりました。テキストだけでは伝わりにくい部分もあり、Zoom ミーティングを2回程行いながら、ようやく終えた感じです。しかしそこまで細かく詰めていただいた意味もあったわけで、その行政書士さんが細かかったとか、悪いとかそういうことではないのですが、なかなかエネルギーの要る作業でした。通常は契約書を締結してから作業を開始すべきですが(行政書士さんにもそう叱られました!笑)、実はその契約書を交わす前の昨年から既に作業はスタートしており、お互いにコースの分担部分も決めていたのです。
カリキュラムを組んでセクションごとにレクチャーを決め、スライドも作成し…と、コース作成作業がスタートしていました。その作業が先週(1月21日の週)から佳境に入っていて(ワタクシ的佳境です)、私の今年のプランは12月までほぼ決まっているため、そのコースの私の担当分は基本的に先週(1月21日の週)の内に収録してしまおうと決めていました。そこに契約書の作成、そしてもう1つのコラボ企画も走っているという状況でした。
契約書を作成しないJVとプリセルの話
同時に、もう1つのコラボ企画があります。具体的には、WEBデザイナーの高田美保子さんと組んで個人事業主向けの WordPress のテンプレートを作ってそれを販売する企画です。この企画もまた面白く、異なるタイプのコラボの仕方をしています。美保子さんと私とはジャンルが違うんですよね。美保子さんはデザインのプロ、私はデザインが全くできないため、まずは私のメルマガの読者さんに向けて売ってみようと思っています。商品を作る前に売る「プリセル」や「プレセール」の方式をとることにしました。
商品を作らずに販売する「プリセル」の方法はさまざまですが、売れなかった場合には商品を作らなくても良いという利点があります。私からデザイナーさんに声をかけて「琴子さんと一緒に仕事をしたい」と言ってくださり始まったのですが、デザインをしてもらったにも関わらず売れなかったということを避けるため、プリセルでいくことにしました。英語圏ではよく Threshold と言って閾値を決めておくんですね。
プリセルの際何本成約したら、何件成約したら商品を作るかというThreshold(スレッショルド、閾値)を決めます。それ以下しか売れなかった場合は作成せず、全額返金します。私はその考えがあったため、今回のデザイナーの美保子さんに「何本売れたら作りますか」と尋ねたところ「え!1本でも売れたら作りますよ」と言うんです。「そうなんだ?!」と私が少し戸惑った顔をすると彼女は「だって、そのお客さんがかわいそうじゃないですか」と仰られました。私は「たとえば5本売れたら作るとか、そう考えてたんですよね」と伝えると「いや、いいですよ。買ってくれたお客さんが1人でも作ります」とのお返事でした。「そっか、わかった、じゃあそうしましょう!」となり、スタートを切りました。
WordPress のテーマやテンプレートを販売する際には、どのような外観なのか、見た目がわからないと売れにくいです。なので「イメージ画像だけで良いので作ってもらえますか」とお願いしたところ、彼女は「ワイヤーフレームを作ります」と言い、そうしているうちに「ワイヤーフレームを作ってたらデザインができちゃいました」と、どんどん進んでいきました。私はデザインには詳しくないので、彼女に全てお任せなんですね。私の方はメルマガの読者さんに声をかけて、興味を持ってくれた人だけに情報を提供するため、クリックしてくれた人にのみご案内を送るようにメールを分岐させました。
そのご案内のセールスメールを14通作成しました。1月21日に14通、一気に書いているのをインスタで実況しています。興味があればぜひ見てみてください。美保子さんはデザイン担当で私は企画・セールス担当。
セールスレターの決済は Teachable という私のスクールシステムで行うことに決まりました。 Teachable でもセールスレターを作れますが、あまり綺麗なデザインにはなりません。
私はセールスの LP 用の WordPress のサイトを一つ作っていて、それで Elementor というプラグインを使って作ることも出来ますが、私はそんなに綺麗にデザインできないんですね。どちらでレターを作るのがが良いか相談したところ、デザインは美保子さんが担当することになりました。ただ、セールスレターの構成やテキストは私が組みます。このように、役割分担が明確で「私はここをします」「あなたここをして」とコミュニケーションがスムーズに進んだのです。これはこれで面白く、非常にいい体験をさせて貰いました。
私が書いているセールスメールは Google ドキュメントで彼女と共有して、そして彼女もワイヤーフレームやデザインを Adobe XD で共有してくれました。「こんな感じでどう?」「わーかっこいい」といった感じで、もうどんどん進んでいくんですね。お互いに、自分の持ち分がはっきりしているので、WordPress のテンプレート企画に関しては、本当にあっという間に進みました。短期間でスピーディーに進んでいる感じがしています。
セールスで思ったより反応がないときのマインドセット
企画がスピーディーに進む一方で、私のメルマガでは興味を持ってくれた人が思ったより少なかったんです。私の案内の仕方が悪かったというのもあるのですが、もし1本も売れなかったら美保子さんに申し訳ないなと思い、少し不安になってきました。彼女のデザインがどんどん進んでいるということは、彼女の時間を使ってもらっているわけですよね。もし1本も売れなかったら、私が着手金のようなものをお支払いした方が良いのではと思い、終盤になって Slack で彼女にその旨のメッセージを送りました。
そうしたら「1回 Zoom でお話しましょうか」と返信が届きました。彼女は現在ハンガリーのブタペストに住んでいて、日本時間の夜21時ごろなら大体時間が合いやすいので、その時間に2回ほど話をしました。2回目の会話で、私の気持ちを伝えたところ「琴子さん、1本も売れなかったらっていう考え方はやめましょう」と言われたのです。最初はそうか!と目からウロコが落ちるように思いましたが、私はお願いした立場なのでやはり気になります。しかし彼女が言ったのは「たらればを考えるのではなく、1本でも売るためにどうするかを考えた方が良いと思う」と言われ「確かにその通りだ!」と思いました。ただ彼女もとても忙しいため、使った時間に対してリスペクトはあった方が良いと伝えたところ、さらに納得することを言ってくれたんです。
「あのね琴子さん、私は今回の1回で売れるとは思っていません。そして、今回1回だけで売るものだとも思っていません。何回でも繰り返し売ったら良いんだから、そこで成約していけば良いじゃない」と彼女は言ってくれました。確かにそうなんですよね。
WordPressテンプレートを作った理由
なぜ WordPress のテンプレートを作ったかと言うと、これまで Udemy の WordPress コースの受講生さんから多くの質問やリクエストを受けていたからです。 WordPress コースの受講生さんはかなりいらっしゃいますが「どの WordPress テーマを使ったら良いですか」「もっと見た目を良くしたいです」「そのようなコースが出ませんか」と言った相談を何度も何度もいただいてるんですね。しかし残念ながら、おすすめできるテーマが無かったため、自分で作ることにしました。
そこで、まずは私のメルマガの読者さんにだけご案内をし、販売をしてみる予定です。モニターではありませんが、近い距離にいる人たちなので、さまざまなフィードバックを得られると思うんですね。その代わりに初回限定のディスカウント価格でご案内する予定で「ぜひ感想を聞かせてください」とお願いをするつもりです。
その後ブラッシュアップをして Udemy の受講生さんにご案内したり、さまざまな場所で販売していこうと考えていましたが、なんだか弱気になってしまったのです。でも美保子さんに2回ほどお尻を叩いてもらい、彼女がそう言うのであれば「それで GO にしましょう」となり、セールスレターも完成しました。そしていよいよ1月29日月曜日の21時から販売を開始しました。3日間とはいえ、初日は21時スタートなので、2日ほどの販売ですが、一気に進めました。
先週(1月21日の週)セールスメールのほとんどを書き上げ、昨日(1月27日)セールスレターを完成させました。決済周りのテストも終わり、購入してくださった方に送るメールの連携も整いました。今後は美保子さんと共有するために、売り上げの状況を把握できる仕組みを作っています。具体的には Zapier というツールを使って Zap を組み、 Teachable というオンラインスクールシステムで上がった売り上げをスプレッドシートに転記し、美保子さんと共有します。売上の動向を把握できるように準備を整えたことが、今日までの作業でした。
「フリーランスになると楽しい仕事ができる」?全部が楽しいわけじゃないけどトータルでは楽しい!
ということで、契約書の話を進めながら行政書士さんとやり取りをし、合間を縫ってオンラインコースの収録を行い、セールスメールの作成もしました。セールスメールは1度組んで、書き足したいことができたらもう1度エディットし直し、次にセールスレターの枠組みを作成して美保子さんに送りました。さらに、オンラインコースの収録をしてまた行政書士さんと契約書の話をしてといったことをパンパンパンと切り替えながら、詰めて詰めて先週(1月21日の週)は仕事をしました。その1週間は深夜1時~2時まで起きていたりもしました。でも1度セールスの仕組みを作ってしまえば何度も繰り返し活用できるので、大変なのは最初だけなんです。こうして1度セールスの仕組みを作るときだけは大変です。本当に先週(1月21日の週)は我ながらよく働いたなと思いました。そうして詰めていますが、楽しんで取り組めていることはやはりありがたいです。
みなさんよく言うじゃないですか。オンラインビジネスやフリーランスになると、楽しい仕事ができるし、好きな人とだけ仕事ができると言われますが、実際はそうでもないこともあります。楽しいばかりではなく、苦しいところもやはりあるのです。今回コースの収録が久しぶりで、しどろもどろだしカミカミだし、マイクの調整がなかなかうまくいかないなど、思うようにいかないこともたくさんありました。スライドを目にするとズシッと心が重くなって「もう明日にしようかな」と思うこともあります。今でもそう思います。これだけコースを出して来ても、今でも本当に気が重い作業ですね。
収録後に編集作業が何時間分たまっても、合間にこなしていけばいいので重い気持ちにならないのですが、収録自体は気が重いです。だから100%楽しいわけではありません。しんどい部分もあります。期日もあるため、しんどい部分もあります。しかしトータルで見れば楽しいのです。トータル楽しいし、今日の自分が頑張っておけば、2年後の自分が楽になることを体験してきているので、これがまた活きてくるという確信があります。
プラス、特に契約書を作らないで進めている方は短期間でできたということもあり、学園祭のようなノリなんですよね。Slackで「私の担当分できたよ」とメッセージが飛んでくると見に行って「わぁ!かっこいい」とか「私はセールスレターの大枠ができたよ」と報告し合う感じでした。まるで学園祭をしているような感覚で、忙しかったけれどもすごく楽しい1週間でした。
ということで、コラボ企画やジョイントベンチャーに関しては、この期間で学んだことはとても大きかったので、またその方法やさまざまなことをお伝えしていきたいと思います。ぜひあなたも他の人と組んで仕事をしてみてください。