「【2023年版】オンラインコーススクールシステムの選び方」や「オンラインコースビジネスのツールを選択するための2つのポイント」でオンラインコースビジネスのツールについてお伝えしました。「オンラインビジネスを構築するのに、段階的な選択肢を知りたい」と言われることがあるので、私のおすすめするステップアップの考え方をご紹介します。
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Table of Contents
私が使っている英語圏のオンラインビジネスツールのラインナップ
私の場合は、こんなふうに組み合わせています。英語圏のロールモデルと同じツール群です。
- ブログ / ホームページ:WordPress(以前はDivi、現在はAstraProとElementorPro)
- オンラインスクール:Teachable
- 期間限定セールなどの締め切り管理:DeadlineFunnel
- メール配信:ConvertKit
- セールスファネル:ClickFunnels
- 決済:Stripe、PayPal
- ClickFunnelsとTeachableの連携:Zapier
セッションを販売するなら、予約機能もある方が便利ですね。私のZoomコンサルティングサービスの販売も自動化しています。calendlyという予約システムとTeachable、Zoomを連携することで、販売から予約、お客様にZoomのURLをメールで送信するところまでを自動化しています。
「WordPressのプラグインで作れば、オンラインスクールをもっと安く運営できる」ってホント?
「なんでもかんでも海外のツールを勧めるヤツは悪いヤツだ、WordPressなら安く構築できるよ!」と言う人もいます。
えー。でもその人、あなたのビジネスのことを本気で考えてくれているのかな。私は疑問です。
クドいようですが、あなたはエンジニアで専門知識を持ったプロフェッショナルですか? 数時間で100以上の不正登録があったとき、あなたは対応できますか?(けっこうドキドキしますよ)「DDos攻撃が来ても大丈夫!」、「自分でエラーに対応できる」と自信を持っているなら、WordPressも選択肢の一つになります。
エラー対応する自信がない場合は、WordPressのプラグインで安く解決しようとは考えないことをおすすめします。
WordPressで構築が可能だということと、安全に安定して運営できるということはイコールではありません。
コスト感覚は重要。だからこそあなたの販売システムが止まらずに動くためのトータルコストを考えてほしいと思います。WordPressは動的なシステムです。頻繁に脆弱性が発見されています。すぐにハッキングされるような土台にオンラインスクールやセールスファネルを載せないことです。
WordPressベースの販売システムを勧めている人は、修復にかかるコストと、修復完了までの機会損失、顧客へのお詫び対応までを予算に含めて教えてくれていますか?
たぶん違うでしょ。
とはいえ、ビジネスの立ち上げ期は費用をあまりかけられません。あなたの損益分岐点を考慮しながらバランスをとっていく必要がありますよね。
そこで、私が今、一からオンラインコースを販売するしくみを構築するならどうなるだろう?と考えてみました。できるだけ無駄なコストをかけずに。
オンラインコースを販売するしくみを段階的に構築する
あなたがオンラインコースを販売するしくみを一から作るなら、この5段階で進めるのがおすすめです。
ステップ1:オンラインスクールとブログを持つ
最初の最初、オンラインコースを販売するところから始めるならオンラインスクールシステムであるTeachableを契約します。Teachableで決済を受けられるよう、StripeかPayPalのアカウントも用意しておきましょう。
そして自分のメディアとしてWordPressブログを作っておきます。
ステップ1:Teachable + WordPress(独自ドメイン+レンタルサーバー) |
ステップ2:メルマガ配信スタンドを導入する
私がオンラインコースビジネスをTeachableとWordPressで始めたとして、次に1アイテムだけプラスするなら、メールが欲しいなと思います。
他の記事で触れたように、TeachableはKajabiよりもメールマーケティングの機能が弱いです。なので、ステップ2ではメール配信システムをプラスします。国内ではメルマガ配信スタンドと言う方が伝わりやすいですね。
私はTeachableと相性のいいConvertKitを使っています。ConvertKitはこの後出てくるClickFunnelsというマーケティングツールともとても相性がいいので、その意味でもおすすめです。
ステップ2:Teachable + WordPress + ConvertKit |
このとき、あなたのメルマガに登録している人が1,000人未満であれば、そしてメールシーケンス(ステップメール)をまだ使わないのであれば、ConvertKitの無料版で十分です。ガンガンとメールシーケンスを書きたい人は最初からConvertKitの有料版を契約してください。ConvertKitは、タグ付けして読者さんを分類したり、どんなメールを誰に送るかの条件分岐が簡単にできます。
ステップ3:期間限定キャンペーンをやりたい
スクールとブログを作りました。メールを送る用意もできました。
これで売上が立つかというと、そうではないんですね。
実店舗に例えると、お店を構えて(スクール)、看板をかけました(ブログ)。お客様の連絡先(リスト)を持っていればダイレクトメールを送ることもできます、という状態でしかありません。
ここまででもすごいことです。
でもお店を構えたら売上を上げたいですよね。
あなたの手元にはメールを送る用意があります。だとしたら、キャンペーンを企画して、そのお知らせをメールで送るのがいいでしょう。最初はセールスを自動化をせずに、ライブセールスだけやるのです。
このとき、期間限定にすると成約率が上がります。「スプリングキャンペーンとして2023年4月1日から3日間だけ特別価格で販売します」というふうに。
なぜ期間限定にするかというと、いつでも買えるものはずっと買わないから、そのときしか買えないようにするのです。
私も「いつかこのコースを学びたいな」と思っているコースがいくつもあります。あなたもありませんか? でも「いつか学ぶ」は「ずっと学ばない」なんです。
そこで締切を設定します。売り手側としては成約率を高める効果がありますが、見込み客にとっても永遠に来ない「いつか」を「今、学ぼう!」に変える、背中を押す効果があります。だから締切を設けることに罪悪感を抱く必要はありません。
締め切りを設定するにはDeadlineFunnelを使います。
Deadline Funnelは強力な締め切りツールです。一番安いプランでは、タイマーを3種類設定するのに月49ドル、日本円で6,000円ほどかかるイメージです。
でもこれくらいのコストは売上でカバーできますよね。
ステップ3:Teachable + WordPress + ConvertKit + DeadlineFunnel |
ステップ4:セールスファネルを作りたい
ステップ3までの費用はペイできるようになってきた。新しいコースを販売したら一定の割合で売れるようになってきた。もっと売上を上げたいけど、そろそろセールスを自動化したいな、という段階になったらセールスファネルを構築するタイミングです。
「セールスファネルって何ですか?」という疑問にはこの記事をおすすめします。
>>>「セールスファネルとは何か?ページの連なりのことです」
ファネル、ページの連なりにはいろいろな形があります。
最もシンプルなファネルと言われているのがトリップワイヤーファネル。
私が初めてトリップワイヤーファネルを体験したのは2016年だったと思います。Kayla Butler の無料メール講座に登録したら、その瞬間にカウントダウンタイマーの入った新しいページが表示されました。「このテンプレートを5分間限定で7ドルで買わない?」。
びっくりして笑ってしまいました。当時日本でそんな売り方を見たことがなかったから。面白くて7ドルで買ってみました。たった1,000円くらいでこんな面白い体験ができるなら安いものです!
すると、さらに新しいページが表示されました。「このテンプレートセットを買ったあなたには、特別な案内があります。テンプレートを活用して売上をもっと拡大するノウハウをミニコースにしました。通常価格は97ドルですが、この15分間だけ57ドルで購入できます」って。そりゃ買うよね。
もちろん各ページには「NOリンク」といって買わない選択をするための「いいえ、私には必要ありません」という文言が掲載されていて、そのリンクをクリックするとセールスページから離脱することができます。また、カウントダウンタイマーがゼロになると時間切れで登録完了ページや注文完了ページに自動的に遷移します。
ざっくり言うと、こんなイメージです。
登録ページ、7ドルのテンプレートを販売するページ、57ドルのミニコースを販売するページ、注文完了ページ、または何も買わなかった人に見せる登録完了ページ。これらの、意図をもったページの連なりをセールスファネルと呼びます。
マクドナルドでハンバーガーを買ったお客様に「ポテトもいかがですか?」をセールスページでやるイメージです。ポテトを買ったお客様にはナゲットも勧めてみるとか。このポテトやナゲットを、セールスではアップセルと言います。
セールスファネルを実装するいろんなツールがありますが、私はClickFunnelsを使っています。
短いファネル(ページの連なり)だとこんな感じ。「ポテトもいかがですか?」のアップセルが2回来るタイプですね! このアップセルはそのとき一度しか表示されない特別なオファーなので、ワンタイムオファー(One Time Offer)、略して「OTO」と言われています。
ウェビナーを使った、ちょっと長めのファネルだとこんな感じ。左の黒い部分がそれぞれ1ページです。
ファネルにはいくつものタイプがあるし、アップセルをもっとたくさん重ねて、もっと長いファネルにすることもできます。
このしくみを実装しやすいのがClickFunnelsというツールです。
ステップ4:Teachable + WordPress + ConvertKit + DeadlineFunnel + ClickFunnels |
ステップ5:エバーグリーンのセールスファネルを作りたい
24時間365日、自動で販売するしくみを英語圏では「エバーグリーン」と言います。
「スプリングキャンペーンとして2023年4月1日から3日間だけ特別価格で販売します」というようなライブセールスとは違って、一度エバーグリーンのしくみを作ったら、あなたはそのファネルにアクセスを流して売上通知を受け取るだけ。
基本的にはステップ4と同じツールの組み合わせでできます。
ほとんどのツールどうしは「オンラインコースビジネスのツールを選択するための2つのポイント」でお話ししたように、API連携という機能で連携できますが、API連携できないツールどうしをつなぐ場合は、Zapier(ザピア)という連携専門のツールを使って自動化させます。
ステップ5:Teachable + WordPress + ConvertKit + DeadlineFunnel + ClickFunnels + Zapier |
私が英語圏で見ていて、私自身も構築しているオンラインコースビジネスのしくみはここまでです。
まとめ
「オンラインビジネスを構築するのに、段階的な選択肢を知りたい」という疑問にお答えするために、英語圏のオンラインビジネスツールを使ってしくみを構築するにはどんな手順で構築するかを5段階に分けてお伝えしました。
オンラインコースだけでなくコーチングセッションやグループでのワークショップを販売するしくみも、ほとんど同じ考え方で構築することができます。
「オンラインビジネスを構築するのに、段階的な選択肢を知りたい」という冒頭のご質問への答えは、使うツールは変えずにプランを変えること。
ツールを乗り換えるのはとても大変だからです。
TeachableからKajabiに乗り換えようとすると、Teachableに載せているコースの動画をすべてKajabiに載せ替えなくてはなりません。
メール配信スタンドも顧客リストはCSVファイルで簡単に持ち出せますが、組み立てたメールシーケンスや条件分岐のしくみを持ち出すことはできません。以前ご相談を受けた中で、ある国内の配信スタンドから抜けたい、でも組み立てたステップメールが複雑すぎて、それを別の配信システムで再度組み立てる根性はない、と断念された事例もあります。
あなたのロールモデルと同じビジネスモデルを構築するために同じツールを使うと決める。あなたのロールモデルがKajabiを使っていたらKajabiを、決済をThrivecart で受けていればThrivecartを、メールはConvertKitでなくActive CampaignならあなたもActive Campaignを、というふうに。「選択肢」はあなたのビジネスのフェーズに応じて、そのツールのどのプランを選ぶかなのだと考えるとシンプルになります。
アップグレードやダウングレード、一時休会などが簡単にできるのも英語圏のツールの良いところです。これは他の記事でもお話ししましたね。
あなたのビジネスモデルに合わせて段階的にプランをアップグレードしたり、使うツールを増やしていきましょう。
それぞれのステップにおいて、具体的にどれくらいのコストがかかるかを知りたいですか? どうぞ下のボタンをクリックして資料をダウンロードしてご覧ください。コーチングやワークショップの場合についても触れています。