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「見える化」したら成果が出る!フリーランサーのための時間管理術 #6. 時間管理の超現実的な改善方法

時間管理の超現実的な改善方法

ここからは、現実的な、泥臭い改善方法をお伝えしていきます。これは私が実際に5年かけてたどり着いたやり方です。

以下の手順に沿って進めていきます。

  • 現状把握
  • シンプル化
  • プラン
  • DO
  • 目標値や暮らしの見直し
  • 改善計画

「6.改善計画」まで一通り終わったら、再び「1.現状把握」に戻って1〜6の手順を繰り返し実行します。

1.現状把握する

はじめに3ヶ月ほどDailyLogでログを取ってください。使える時間、やらなきゃいけないタスクの種類と量、あなたが実際にどれだけ抱えているのかということを可視化し、それにかかる時間も見える化してください。これらは全部ログを取れば見えます。

「3ステップで暮らしを再構築する」という部分で「ソーシャル / レイバー」、社会的な役割や家族の役割についてお伝えしました。その中で、PTAという例を挙げました。PTAで集まる時間だけではなくその前後の行き帰りの時間も含めると、1回あたりのPTAの集まりは、実際には思った以上に時間がかかっていることが見えてきます。また、PTAに何かプレゼンテーションを出す必要がある場合、その準備にかけている時間というのも、思ったより必要なんだなということが見えてくるはずです。

ほかにも、親御さんの通院介助されている方の場合、通院にかかる時間自体は2時間ぐらいかもしれません。ですが、実際には出かけるための身支度をして、車を出して迎えに行って、親御さんを乗せて病院に連れて行って、薬をもらって帰ってきて、お茶を飲んで話をして、自分の家に帰ってくる、というところまでが通院介助にかかっている時間なんです。

このように、厳密に見ていってください。ログを取れば一目瞭然になりますので、Daylylogで必ずログを取っていってください。

1週間、1ヶ月では見えてこないものがあります。それはなぜかというと、1ヶ月の単位の中では出現しないタスクというのが必ずあるからです。毎月出現するタスク、毎日、毎週、毎月末にするタスクというのは1ヶ月ログを取っただけでもわかりますが、2ヶ月おき、3ヶ月おきにしか出現しないタスクというのは見えてきません。最低でも3ヶ月はログを取るようにしてください。

2.シンプル化する

次に行うのはシンプル化です。これは絶対にやってください。

まずはじめに、やることの数や種類を減らせるかを考えます。やることを減らすというのは、考えなくて済む状態を作るということです。

「この曜日のこの時間が来たらこれを食べる」、あるいは「起きたらこの服を着る」ということがあらかじめ決まっていたら、頭を使わずに済みますし、考える時間も必要ないので早く行動できますよね。

このように、「考えないでできる状態にするにはどうしたらいいか」ということを念頭に置いて、やることの数や種類を減らすことができないか考えていきましょう。

「そんなの無理です」と言ってしまうとそこで終わってしまいますので、まずは調整しやすい自分のことから考えてみてください。

例えば、「平日のお昼はプロテインバーにしよう」というように、自分のお昼ご飯を何にするかは自分で決めることができます。こうした小さなことの積み重ねで構わないので、できるだけ考えないで済むように決めておけることはないか、という視点で考えてください。

やることの数や種類を減らせるかを考える中で、私にとって一番厄介なのは家事でした。主婦にとって、家事って本当に厄介ですよね。専業主婦だと、どこまでやっても「これで完璧」というものがないんです。働いていれば、「ある程度できていればOKかな?」と若干免除されるような気持ちもあり、パートナーも同じように考えやすくなります。ところが、私はフリーランスで家にいるため職住一体の難しさがあり、家にいるという前提がパートナーにも自分にもあるという厄介な状態になってしまいます。

家事の場合は、まずは「やる曜日を決める」ということがおすすめです。例えば「掃除は毎日〇時からする」ということを決めてしまいます。「今日はいいかな」「やりたくないな」という気持ちが起こっても、その日その時間が来たら必ずやる。機械的にやるようにするのが1つのコ
ツです。洗濯なども同じです。

そして、毎日毎日ついて回るのが食事です。私は食いしん坊なので、食べたいがために作ることが多いです。作ることがすごく好きというわけではなく、食べたいから作ろうというタイプなんです。家には料理本もたくさんあって、引っ越しのたびに200冊ずつ処分してきても、まだ200冊ぐらい残っています。料理アプリもスマホに入っていて、毎日食べたいものでいっぱいなのですが、料理に時間をかけていると私が在宅ワークに使える時間は増えないということに気づきました。

そこで、時間を短縮するためにいろいろなことを試しました。例えば、作り置きが今ほど流行る前から作り置きの本を手に入れて、半調理や調理済みの作り置きをしました。それから、自分で作り置きをしないで半調理品を買うということもしてみました。オイシックスやコープなどで購入できる半調理の冷凍・冷蔵の商品を使えば、仕上げの調理だけすればいいのでかなり時短が可能になります。また、「この在庫があるからこれを何曜日に食べよう」「これは何曜日に食べよう」といった計画性を持たせることもでき、あまり献立で迷うこともありません。

それでも、9時〜5時で勤務する会社員のような考え方では立ち行かない時期があります。私も起業したばかりの頃は、やることがとても多く複雑で、自分も慣れていないこともあっていっぱいいっぱいになってしまった時期がありました。ご飯を作ることはできるけれど、作った後には疲れ切ってしまって自分は食べられない、という日が続きました。

そんなときに、家族が「しばらく宅食を使わないか」と提案してくれました。そう、ワタミの宅食です。「全部外注化しちゃうのか…。そんなに美味しいと思えないしな…」などいろいろ考えましたが、当時それほど高くなかったこともあって、思い切って使ってみることにしました。その結果、「宅食があるから、ご飯だけ炊けばいいじゃない」と思えるようになり、家事の負担を減らすことができて随分楽になりました。

また、宅食のおかげで食材や調味料を買うことからも解放され、買い物に出る頻度や買い物自体の時間も減らすことができました。買い物は朝食のメニューの分だけで済みますし、何より「夕食を作らなくていい」ということで大きな解放感を得られました。こうして忙しい時期を乗り切った経験もありますので、場合によっては家事もアウトソースできる部分があるか考えられるといいかもしれません。

3.プランを立てる

時間管理の超現実的な改善方法の3つ目、プランです。このプランは、2つの視点で立てることをおすすめします。

一つは月間計画、もう一つは週間計画です。

まずは、月間計画です。例えば、月ごとに「第3週の木曜日はこれがあるんだよね」という決まったタスクがある場合、まずは月間計画を俯瞰できるようにします。マンスリーカレンダーをご用意していますので、プリントアウトして記入してください。

次に、週間計画です。これはウィークリープランナーをご用意していますので、そこに落とし込んでいってください。私の体感的には、フリーランスの場合は1週間ごとの計画でその週内に帳尻が合えば、大体うまく進んでいくという感じがしています。

その日その日の予定には、変更が生じることが多くあります。例えば私は、今日はこうしてコンテンツをまとめていますが、この他に3つぐらいのタスクを決めています。ところが、今日中にこなせない場合もあります。その場合、持ち越したタスクはその週の中で完了すればOKとし、1週間を通じてタスクの総量がこなせていれば次の週も順調にいくというように、週ごとに考えるのが現実的だと感じています。そういった理由から、ウィークリープランナーをご用意しました。

こちらがマンスリーのカレンダーです。

曜日を入れていますので、日にちを記入していただいて、その日に必ずこなさなければいけないタスクを入れていってください。例えば、この日はPTAの集まりがある、この日は通院の介助がある、この日は買い出し、などを記入してください。カレンダーは12ヶ月分ご用意していますので、該当の月もしくは前月など、ご都合のいいタイミングで書いてください。私は月曜始まりが使いやすいのですが、日曜始まりがいいという方もいらっしゃると思いますので、日曜始まりのカレンダーもご用意しています。どちらかお好きな方を使ってください。

続いて、こちらがウィークリープランナーです。

ウィークリープランナーも月曜始まりと日曜始まりをご用意していますが、ここでは月曜始まりの方で例をお伝えします。「この週のゴール(This Week’s Goal is)」を書いておくと効果的です。

そして、「Date」という部分に日付を書いてください。プランニングをするときには、どれだけ大きいマスで考えられるかが重要です。「午前中にやること(AM)」「午後にやること(PM)」「夜にやること(NIGHT)」「時間を問わないけれどその日のうちにやること(OTHERS)」のように分類して書いておくといいです。私の場合、時間が決まっているものは「10時から◯◯」のように箇条書きにしていきますが、時間の決まっていないものやスペース内に書ききれないものは項目だけ書いていきます。

マンスリーで決まっていることが先ほどのマンスリーカレンダーで出ている場合は、ウィークリープランナーにも落とし込んでいってください。例えば「この週の月曜日の◯時からは月例の会議」など、そういった予定をここに入れておきます。「YEARLY」にはあらかじめ年間で決まっている予定(誰かの誕生日、誕生日プレゼントを手配する期限、お祝い事や悲しみ事など)を入れておくとわかりやすいです。また、必須ではありませんが、「NEXTWEEK」には「来週これをやっておこう」というメモなどを入れてください。これを毎週やっていきます。

ここまでプランナーを見ていただきましたが、プランナーの運用にはコツがあります。そのコツとは、「時間帯を動かせない予定から入れる」ということです。つまり、あなたの気持ちや意思で融通することができない、第三者がいる予定を、まずはパズルのピースのように入れてしまいます。それがどれだけ多かろうと少なかろうと、ノージャッジの気持ちで入れてください。そして、空いた時間帯=空いたパズルのピースにあなたの労働を落とし込んでいく、というのが超現実的な方法です。

要するに、無理をしないということです。

4.Do(プランにもとづいて実際にやってみる)

時間管理の超現実的な改善方法4つ目、「Do」の段階です。この「Do」の段階にきても、Daily Logでログを取ってください。ここはまだ試行錯誤の段階ですから、プランナーで立てた通りに進まないのが当たり前の自然な姿です。

プランを立てただけでうまくいくのであれば、あなたはこのコンテンツを見ていないはずです。私も5年もかかっています。ですから、Doの段階で必ずログを取っていってください。ここで見える化するかしないかで、時間管理がうまくなるまで、つまり自分の思い通りにいくようになるまでの年数が劇的に変わります。「ちょっと面倒くさいな」と思って見える化しない人は、その見える化しない期間だけ時間管理の下手な期間が続くと思っていただいて間違いありません。

5.目標値や暮らしの見直し

時間管理の超現実的な改善方法、5段階目です。目標値や暮らしの見直し。PDCAサイクルのチェックの段階ですね。ここでのおすすめは、4週間ごとに見直すということです。プランの段階では、ウィークリープランを立てて多少前後があっても、週の中でクリアできれば大体フリーランサーの仕事というのはうまくいきますとお伝えしました。それを4週まとめて見直します。

週ごとに見直すと、ちょっと気持ちがしんどくなって視野が狭くなりがちです。というのは、月に1回しか出てこない用事というものを考慮しにくくなるからなんですね。ですから、大体4週ごとに俯瞰して見るようにします。自分のログを俯瞰して見る、つまりプランナーと実際のログとの差異を見ていくということです。

そして、積み残しがあれば再検討してください。積み残しほど気持ちが重くなるものはありませんよね。自分のまずさを見える化されているようで、うんざりしてしまいます。

そこで一つ提案があります。

私は毎日、明日やることを前日の夜のうちに優先順位の高い順に書き出しています。そして、朝起きたらその順番どおりに機械的にこなしていきます。ところが、いつまでもTODOリストに残り続けるものが必ず出てきます。その残り続けているものに対して、本当にやる必要があるのかどうか、おおむね4週間ごとに見直します。中には、やった方がいいけれど実はそれほどやる必要がない、というタスクが含まれていることがあります。たまたま気になってリストに入れたけれど、急がないし重要でもない、というタスクが含まれている場合は、単に精神的に良くないのでリストから外すという判断もしてください。

それから、ここが一番苦しむところなのですが、どんなに頑張っても時間が増えることはありません。あまりにも積み残しが多かったり、思うようにいかなかったりした場合は、目標値自体を下方修正することも必要です。また、何の目標値かということも重要です。私のように家事を一旦極限まで減らしてみるということかもしれませんし、レジャーの部分を我慢するということかもしれません。もしくはフリーランサーとしての業務を下方修正して、無理なく働ける時間の中で達成できる目標値にぐっと下げるということかもしれません。

人の暮らしの構成要素は3つありますので、どの部分を調整するかはご自身の価値観やご家族との関係性などを踏まえた上で考えてみてください。

6.改善計画とスキマ時間の活用

時間管理の超現実的な改善方法、6段階目は改善計画とスキマ時間の活用についてです。

まず改善計画ですが、マンスリーカレンダーとウィークリープランナーを使用し、プランニングをしては実行し、チェックするということを繰り返し繰り返し行います。もっと短期間で出来る手軽な方法があればいいのですが、私は見つけたことがありません。

次にスキマ時間の活用について。時間管理に悩む方は、スキマ時間を何とか使えば上手くいくのではないかと最初に思いつくのではないでしょうか。私もスキマ時間が大好きで、大いに活用しております。

スキマ時間を最大限に活用するにはひとつ大きなポイントがあります。それは、デバイスを問わないシームレスなツールを使うということです。具体的にお話していきます。

スキマ時間とは、電車を待っている時間、Zoom等ミーティングが始まるまでの待ち時間、あるいは家事の合間時間、例えばお風呂が溜まるまでの待ち時間や煮物が沸騰するまでの待ち時間など、そういうどんな場所にいるのかわからない数分、数十分の時間のことです。

こういったスキマ時間に、手元にあるのはスマホです。ですので、スマホからインプットしたデータをタブレットやパソコンで共有できるシームレスなツールを使うというのは、スキマ時間を効率よく利用するためには一番大切なことです。

シームレスなツールとは、チャットワークやSlack等のコミュニケーションツールや、Googleドキュメントやスプレッドシートといった、どのデバイスからでも自分のアカウントでアクセスすれば同じものにたどり着けて更新できるもののことです。

また、Googleドライブなどのオンラインストレージは必須です。スマホで撮った写真をオンラインストレージに上げておけば、パソコンへ取り込んで加工し、ブログのアイキャッチ画像として使用することも簡単にできます。

そして当たり前のことなのですが、メールチェックの時間も軽視できません。例えばGmail等のwebメールを使ってスキマ時間にアプリでチェックすれば、パソコンの前に座っていられる貴重な時間を増やすことができます。

ブログ記事の構成やオンラインコースの構成・企画で非常に便利なのが、ジャンルごとに階層を分けて情報を管理・整頓できるツールであるアウトライナーです。私はDynalist(ダイナリスト)というアプリをよく使っています。リンク先を置いておきますのでよかったらご覧ください。

>>>Dynalistはこちらから

ポッドキャストなどの音声配信用の収録ツールとして便利なのが、Spotify for Podcasters(旧Anchor)というサービスです。スマートフォンアプリも出ていますので、スマホで音声を収録してパソコンから同じ音声をダウンロードすることができます。こちらもシームレスなツールとして使えます。

もちろんZoomもそうです。スキマ時間を使って少し通話すれば確認できる事項などは、スマホでZoom通話をすれば簡単に済ませることができます。同じ用途で使えるFacebookのMessengerがありますが、こちらはFacebookのアカウントが必要となりますので、Zoomがより便利かと思います。

こういったデバイスを問わないシームレスなツールをいかに使いこなせるかというのが、スキマ時間を最大限に活用することに繋がっていきます。

次に、時間管理の超現実の改善方法の私の失敗談をお話します。

大混乱しながら今のシンプルな生活スタイルに至るまで、およそ5年かかっています。そのために必要だったことは、根気よくPDCAを回す、これに尽きます。

いろいろな時間管理術の書籍やブログ記事、オンラインコースがあります。それらはすべて有用なハウツーであることは確かです。ですが、あなたの価値観、家族の価値観、環境要因、仕事内容などによって、あなたにぴったりな時間管理と他の人にぴったりな時間管理は異なるはずです。

100人いれば100通りの正解があるのです。つまり、正解は一つではないのです。残念ながらあなたの答えはどこかに転がっているものではありません。自分の正解は、自分が試行錯誤しながら探していくしかないのです。

まず、現実的なプランにたどり着くためにやらなくていいことを決めましょう。手一杯である状況から、やらなくていいことは何かという視点で大胆にダイエットをしてみてください。例えばインテリアの模様替えの場合、散らかった部屋をどう綺麗に見せるかというと、まず要らないものを処分するところから始めます。それと同じだと考えてください。

やらなくていいことを決めた後に必要なのは、スキルアップを図ることです。最初に述べた通り、時間管理だけでは理想通りの成果は出ません。時間管理、タスク管理、目標の管理、スキルレベルの4つが絡み合った結果、どれだけタスクが思うように進むか、目標に到達できるかが決まります。

このコンテンツでは一番融通が利かない時間というものから取り組みましょうということで時間にフォーカスしていますが、限られた時間をいかに有効に使えるかというのは、タスクを早く行えるスキルがあるかに関連しています。

スキルアップを図ることは難しいように感じるかもしれませんが、やらなくていいことを決めてダイエットしていくと、やる必要のあることは思った以上に少なくなります。やるべきことを絞り込むと仕事上のタスクも減っていきます。絞り込んだタスクを毎日繰り返しこなしていると、段々慣れていき、自然に手早くできるようになっていきます。

慣れないうちは行ったり来たりしつつ1つのタスクをこなしているでしょうが、慣れてくれば自然にスキルアップし、1つのタスクにかかる時間が減っていきます。スキルアップを図るというのは、時間管理を上手くやっていくコツの1つです。

また、特に女性の方にお伝えしたいのが、「NO」と言えるようになろうということです。「いいよ、やってあげるよ」と言う方が「NO」と言うより簡単です。その方が自分も気持ちがいい、変な軋轢を生まないと考えがちですが、何度もお話しているように、1日は24時間しかありません。ですから物事によっては「それは私がやることではない」「私はできない」と言うことが必要ではないでしょうか。

最後に、特に家事を担っている方にはお伝えしたい事があります。一時的にでも家事を諦めるということを選択肢に入れてください。フリーランサーは従業員ではありません。自分で自分の稼ぎを管理していく必要がありますので、家事をやるのか、仕事にその時間を回すのかという判断が重要なときもあります。優先させるべきものを決めなければならない場合もあるということを覚えておいてください。

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