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【要注意】値付けの落とし穴

今回は「オンラインビジネスでひとり起業家が生計を立てる」という視点でサービスを組み立て、値付けの考え方に触れていますが、本来、値付けはそれほど単純なものではありません。顧客層やあなたの販売戦略やマーケティング戦略によって、同じサービスでもまったく違う値付けになることすらあります。

ここでは、ひとり起業家がオンラインビジネスで生計を立てようと考え始めたときにほとんどの人が陥る2つの落とし穴についてのみ触れておきます。

時給ベースで考えてしまう

特にデジタルコンテンツの販売の初期に犯しがちな間違いとして、時給ベースで考えてしまうことがあります。そのデジタルコンテンツを作るのに費やした時間と労力をそのまま価格に転嫁してしまうわけです。

デジタルコンテンツを作り始めたときはまだ慣れていないため、作成するのに最も時間のかかる時期です。たった2時間のコンテンツを作るのに3ヶ月かかることも珍しくありません。一日3時間作業したとしましょう。「3ヶ月かかったのだから、私の労働時間は3時間 × 90日で270時間。時給1,000円としても270,000円を回収しないと割に合わない」と思いがちです。本音は機材やソフトウェアを買ったばかり。その先行投資を回収したい気持ちも働くので、27万円どころか、もっと欲しいですよね。

ですが、一対多の商品を販売するというのは、できるだけ多くの人が利用できる価格にする必要があることを意味します。あなたの目標は「量」、つまり「売上高」でそれを補うことです。

当然、顧客層が変化したり、あなたの販売者としての信頼性が高まってくれば単価を上げることは可能です。ただ、そのときでも時給ベースで値付けすることはありません。

デビューしたてなのに高額

2つ目の落とし穴は、語学や芸術など特殊技能の個別レッスンを提供するときの値付けです。ここでも販売初期ほど値付けを間違えがちです。私が出会った中で多かったパターンは、オンライン講師としてデビューしたてにもかかわらず、同業他社と比べて高額であるものでした。

講師の言い分はこうです。「私がこのスキルを身につけるのにかかった費用と時間と努力を考えたら安価ではとても提供できない」。

その人のレッスンの価値は確かに高いかもしれません。苦労した日々を思い浮かべたら高額にしないと割に合わないと考える気持ちもわかります。

では、なぜ高額にしすぎてはいけないかというと、売れないからです。オンライン講師としてデビューしたての時期は認知度も低く、社会的証明と言われる「お客様の声」や「お客様の実績」がありません。見込み客にとっては何の保証もない状態です。

その講師に高額を払ってくれる、相当勇気のあるチャレンジャーな顧客の登場を待つしかなくなります。待つだけの資金的・時間的な余裕があるのならそれでも構いませんが、少し手の届きやすい価格にして、まずお客様にレッスンを提供してみる方が近道です。

マーケットは水物と言われます。マーケットに問うてみないとサービスと価格のバランスがいつまで経ってもわかりません。売れてから調整するのです。売りながら、そしてお客様の声をいただいて社会的証明を増やしながら、価格を調整していくほうが高単価にする近道であると私は考えています。

おわりに

ここまで、オンラインビジネスで生計を立てたい方に向けて、目指すライフスタイルを明確にした上で、どんな商品やサービスをどんなふうに提供すればいいか、オファーの作り方をお伝えしてきました。

ここで強調しておきたいのは、正解は人によって違うということです。

前提として、「オンラインビジネスで生計を立てたい方」を想定しているため、副業や趣味としてオンラインで不安定でも多少の収入が得られればいいという人はここまで考えて組み立てる必要はないでしょう。

オンラインビジネスで生計を立てたい人、かつ同じ業種であっても、その人のライフステージの違いやエネルギーレベルの違いによってオファーの作り方は異なります。

また、同じ人でもそのときの状況によってbetterな選択は変わるし、オンラインのトレンドもどんどん変わるため、正解は流動的なのだと思っておくのがよいと私は考えています。

何よりも、考えすぎて「正解を見つけてからでないと動けない!」というのが最も避けるべきことです。done is perfect、そしてビジネスにおいてすべてはテストです。まだビジネスを始めていないなら、いったん決めて動き始めましょう。動いてみて、軌道修正するときにまた戻ってきてくれたらうれしく思います。

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