私はオンラインコースを作成し、あなたの知識や経験をデジタルコンテンツにして販売することをおすすめしています。それを収入の柱の一つにしませんか、ということをお伝えしているのです。
なぜなら、デジタルコンテンツは一度作ってしまえば、在庫を持つことなく、繰り返し販売し続けることができるからです。オンラインコースは教える、教育的なコンテンツですが、実際にワークショップや一対一のセッション、レッスンを行うとなると、上限人数は決まってしまいます。
リアルな働き方の課題は時間的制約と収入の限界
1日は24時間しかありません。例えば8時間働いたとして、1回のレッスンやセッションが50分で、10分の休憩を挟むとすると、1日に最大8人しか対応できません。あるいは8枠のグループレッスンしか実施できないことが明白です。
そうなると、単価を上げていかないと収入の頭打ち、あるいはビジネスそのものの頭打ちが来てしまいます。人を雇えばビジネスは大きくなるかもしれませんが、出ていくお金も大きくなります。
人を雇えば給料を支払わなければなりません。さらに、雇っている人の福利厚生といったことも、別の業務としてのしかかってきます。
デジタルコンテンツの強みは時間と場所、人数の制約から解放されること
ところが、オンラインコースやデジタルコンテンツにして販売すると、完全に1人でビジネスを行うことができます。
1本しか売れなくても、100本売れても、1,000本売れても、やることは全く変わりません。作業量は変わらないのです。そして、販売から決済、納品までを自動化してしまうことさえできます。
そうすれば、私の知らないところで、例えばオーストラリアで決済してくれて、オーストラリアの時間帯で私の動画講座を見てくれている人がいる。あるいは台湾で私の動画講座を見てくれている人がいる、というような状況が生まれます。自分の生活時間を切り売りする必要もなく、タイムゾーンを合わせる苦労もありません。
人数の上限もありません。だから、とても良いビジネスモデルだと考え、いろいろな人におすすめしています。
コロナ禍を経てリアルとオンラインの共存の重要性に気づく
コロナ禍では、緊急事態宣言やロックダウン、外出自粛、リモートワークなどがあり、人と会わなければいけない仕事だけでは、やはり何かあったときに困るということを、皆さんも経験されたのではないでしょうか。
リモートワークが完全に良いわけではないと思います。私も20年ほど病院で働いていた頃、一番有益なコミュニケーションが取れたのは喫煙室でした。
ですから、やはり人と会うというのは仕事においても大事だと思います。会ったときにしか出てこない話というのもあります。いくらリモートでできる仕事だからといって、仕事上のコミュニケーションだけでは、新しいものが生まれなかったり、機械的になったりするところもあるでしょう。
完全にリモートで良いというふうには思っていません。ただ、私がセルフホスティングを始めて自分の商品を売り始めたのが、たまたまコロナ禍の2020年の秋でした。2021年の夏に販売を開始し、ちょうどワークショップができずに困っていた方や、オンラインコースをやりたいという方がたくさん来てくださったのです。
しかし、今その人たちが何を言っているかというと、「オフラインの案件が忙しいので、オンラインコースを作る時間がない」とか、「オンラインコースを作る意義がわからない」と言い始めているのです。
これは私にとってはショッキングなことでした。人と会えなくなったら、たちまちビジネスが止まってしまうと困っていたのに、なぜ?という気持ちがあります。
人生の予測不能な出来事に備える
もちろん、ワクチンができたり、ある程度お薬ができたりして、第一波のときのようなコロナの病態ではなくなってきました。いきなり急変するようなことは少なくなってきましたが、まだまだ未知の病です。
病気のことは置いておくとしても、私が作業療法士をやっていたときもそうでしたが、リアルでする仕事というのは、自分が健康であり、家族がいる場合は家族も健康、あるいは何の支障もなく家庭が回っているというのが大前提です。そうでなければ事業は回りません。
私が経験したのは、母が突然末期がんと診断されたことです。それまで放っておいた母が、末期がんですぐに手術をしなければならない、しかし本人はものすごく反対している、というにっちもさっちもいかない状態になったことがあります。2015年のことです。
母は本当に頑固な人で、その頑固さを私も受け継いでしまっているのですが、言い出したら聞かない人でした。母は手術をしない、家に帰ると言い張る。しかし一人暮らしで家に帰ってどうするのか。私もなかなか大阪の病院まで行けず、往復だけで4時間ほどかかるので、どうしようかと思っていました。
妹が病院に行ってくれたのですが、妹は病院の事情や仕組みがわからないので、お手上げになってしまいました。なぜなら、母が手術もしない、退院したいと言ったら、病院はもう何もすることがないからです。今このときに手術をしなければならないと言っているのに、しないというなら、それは退院してください、ということになります。
ですが、私たちにとっては退院されては困るわけです。病院から再三、妹のところに、もうこれ以上の治療をしないなら、例えば明日にでも退院してください、というような連絡が入ってきて、妹は困り果ててしまいました。
私は主治医の先生に電話をして話を聞いてみました。母は消化器のがんで、私は消化器疾患についてはあまり詳しくありませんが、基礎医学を学んでいたので先生のご説明はよく理解できました。こういう理由でこうなることを防ぐための手術をすれば、比較的穏やかに過ごせる期間が長くなる。しかし、今この手術をしないとタイミングを逃してしまい、亡くなるまでずっと苦しい思いをされることが予想される、というご説明でした。
よくわかりましたので私が母に説明します、ということになりました。病院に行き、私は理詰めで母を説得し、夫が「お母さんそんなこと言わないで長生きしましょうよ」となだめながら、手術を受けることになりました。
この期間、仕事は全くできませんでした。
外注化のおかげで収入の途絶を防ぐ
その前から外注化を始めていたというエピソードは他でも話していますが、自分が仕事をできる状態であっても、家族に何かあったら途端に、私のオンラインの仕事は止まりかけました。私はオンラインで外注さんにお願いできる仕事だったので、自分でしかできないことは自分でやり、あとはお願いするというふうにして回すことができたので、収入が途切れることはありませんでした。
しかし、これが例えば、私がたまにWordPressの簡単なWebサイトの構築などを請け負ったりするのですが、それを何月何日までに納品しなければならないというふうになっていたとしたら、母の説得に行く時間もない、もしくは母の説得に行っていたら納期に間に合わない、ということが起こってきます。
あるいは、例えば一対一の対面、あるいはオンラインでの対面のセッションやレッスンという働き方をしていたら、その日はごめんなさい、病院に行かなければならないからレッスンはできません、お休みです、振替です、ということが長期間続いたと思います。
そうなると、セッションやレッスンを休んだら、お月謝は入ってきません。それは困るのではないでしょうか。だからこそコロナ禍であるかどうかに関わらず、オフラインとオンラインの両方をやる必要に気づいたのではなかったのか、と私は思っています。コロナが収まったからといって、フルにオフラインでやればいいわけではありません。人生はそうは許してくれません。
予測できる未来:子育て、介護、そして…
私のブログでもポッドキャストでも、もう何度も言っていますが、人生のまさかは、まさかのときに降ってくるものです。
あなたが今子育て中だとして、子育てで忙しい、だから何か案件をやりながらオンラインコースを作る時間がない、ということかもしれません。それはそうでしょう。しかし、お子さんの手が離れるとき、どうなっているでしょうか?今度は親の介護が降ってくる可能性があります。
私の友達を見ていると、親が長生きするとそうなるパターンがあるようです。うちの親のように、ある日突然倒れるとか、ギリギリまで我慢して末期がんで余命わずかです、というふうになるのか、というパターンもあれば、少しずつ介護度が進んでいくということもあります。
だんだん進んでいくパターンというのは、まず最初は買い物に車を出してくれ、ということから始まることが多いです。足腰が弱くなってきて、まず週に1回、車を出して買い物に連れて行ってくれ、となります。
買い物は1時間、2時間では終わりません。用意をして、車を出して、実家に行って、親の支度をして、車に乗せて、買い物に行きます。帰ってきて、実家で荷物をほどいて整理するのを手伝って、お茶を一杯でも飲んで帰ってきたら、少なくとも半日は潰れます。
どうかすると丸一日潰れるかもしれません。潰れるという言い方は良くないかもしれませんが、親との時間としてカウントして、もうその一日は親との時間と考えて、仕事はできないと思った方が良いでしょう。
そして同時に、どこか体の具合が悪くなっていきます。人間誰しも、50年、60年、80年も生きていれば、どこかにガタが出てきます。ですから、車で病院に連れて行ってくれ、ということになります。
病院に行くとしたら、同じように、こちらは病院に行くような支度をして、車を出して、迎えに行き、病院を受診するのに必要な準備を整えて、確認してあげて、車に乗せて、病院に行って、予約制だから予約の時間に呼ばれるかというと、そんなことはありません。
日本の医療はアクセスが良いので、いろいろな人が来ます。たくさんの人が来ます。ですから、予約を入れても、予約時間から2時間、3時間遅れることだってあります。病院は疲れるところです。受診が終わって帰ってきても、もしかしたら院外処方のお薬があったら、院外処方のお薬を取りに行ってあげなければならないかもしれません。
そしてまた戻ってきて、薬の仕分けをしてあげなければいけないかもしれません。ごちゃごちゃになるとわからないので、100円ショップなどで売っている朝昼晩と書いたような仕切りのあるピルケースに分けるところまでしてあげて、帰ってくる。
「あら、もうこんな時間?今日の晩ご飯何にしよう?」という日が、もう1日増える、2日増える、というふうにして、週の半分は親御さんの面倒を見るのに出ていかなければいけないというターンがやってくるのです。1日だったのが2日になり、2日が3日になり、3日が4日になり、4日が5日になり、というふうになってきます。
そうしたら、あなたの大好きな対面でのお仕事というのは成り立つでしょうか?難しいですよね。残酷なことを言っていると思うのですが、これがリアル、現実なのです。
オンラインコースビジネスを始めるタイミングは余裕があるうちに
そして、そのときになって、やっぱりデジタルコンテンツを作ろうと思っても、作れるでしょうか?時間があるでしょうか?例えば週3日、親の世話をするのに使う。それ以外の4日間があるとして、でも土日は子供さんとの時間にしたいとなったら、残り2日でオンラインコースを作るとか、販売の仕組みを作るとか、決済を整えるとか、セールスレターを書くとか、ステップメールを書くとか、全部やらなければならないのです。
今、週7日間ある中で、週末2日を除いて週5日あるとしたら、そのときから準備しておくのがおすすめです。オンラインコースビジネスは今日明日といった短期間でできるものではありません。
私のUdemyのコースや、うちの有料商品でもご説明しているのですが、他のサービスベースのビジネス、プロダクトベースのビジネスと一番大きく違うのは、オンラインコースビジネスは一番初動のお金がかからない、という点です。
ただし、だから始めるのは簡単。しかし、先にたくさんの時間を投資する必要があるのです。サービスベースのビジネス、例えば何かのレッスンやセッションを提供する場合は、そのメニューを作って決済リンクを作って、受講料を受け取ってZoomを繋げば実施できます。
あとは、プロダクトベースビジネスで、何か商品が手元にある状態であれば、それを販売するのはそれほど難しいことではありません。売れるかどうかは別として、始めること自体はスピーディーにできます。
ただ、デジタルコンテンツの場合はとにかく準備に時間がかかります。私はこないだも録画ボタンを押し忘れて2時間延々喋って、録画されていなかったということがあり、もう1回2時間撮り直したという、8時間ぐらいのコースがあります。8時間かけてコースを作ります。
それで終わりではありません。その前には企画をして、リサーチをして、スライドを330枚ぐらい作って、それから収録をして、8時間なら8時間の動画を編集して、販売するプラットフォームにアップロードして、セールスレターを書いて、値段を決めて、決済の用意を整えて、そして皆さんに初めてご案内できる、ということになります。
それも自分のリスト、顧客台帳、お客様の連絡先を持っているか、LINEのご登録があるか、メールアドレスのご登録があることが前提です。そうでないと、商品ができました、いかがですか、というお知らせもできません。
SNSを頑張るのも大事です。そこで認知を取っていくというのは大事なのですが、フォロワーさんのままでは、売ることが難しいです。ですから、フォロワーさんから登録者さんになってもらう、少なくともLINEとか、LINEではなかなか商用利用が厳しくなってきていますので、メールアドレスをいただくという段階に進んで、メールアドレスをいただいておく。
30人でも50人でも100人でも、これは多ければ多い方がいいのですが、顧客台帳を持っている段階が必要です。このリスト構築にも時間がかかります。お金をかけるか時間をかけるかです。このリスト構築と商品の作成・販売の準備・販売の仕組み作り、両方があって初めて、「商品ができました!いかがですか?」というご案内を送ることができます。そしてそこで売れれば、売上が初めて発生します。ですから、オンラインコースビジネスは時間のかかるときに始めておくべきビジネスなのです。
オンラインコースビジネスは困ってからやるようなビジネスではない
ですから、困ってからやるようなビジネスではありません。時間がないという困りごとにも向かないし、今すぐお金が必要です、という困りごとにも全然向かないビジネスモデルです。ですから、お金もある程度余裕がある、少なくとも生活できるお金はあるという段階、そして少しずつだけれども時間を投資する余裕がまだあります、というときに始めないと、機能しないビジネスモデルであるということを、本当によくわかっていただきたいと思います。
なので、本当に困ってから、お金に困ってから始めるビジネスは、すぐにお金になるビジネスです。私はアルバイトに行くとかパートに行くことをまずおすすめしますし、家を出られないのなら、クラウドワークスなどですぐにお金をくれるような案件をやる、くらいしか思いつきません。
時間がなくなってから何ができるかというと、短時間で高単価を請求できるあなたの何かスキルを売る、というようなことでしょうか。30分のセッションで10万円とかを請求できるスキルがあなたにあるんだったら、そういう働き方もできるかもしれません。
オンラインコースビジネスは長持ちする
ですが、オンラインコースビジネスは本当に長持ちします。
2018年にリリースした私のUdemyのコースは、2024年が終わろうとしている今になっても、6年近く、ほとんど手を加えずにずっと受講していただいているコースが何コースかあります。もうその後、2020年以降に作ったコースなので、もっと短くなってきますが、一番長いものは2018年の11月に作ったコースです。
それが6年経ってもまだ、いろいろな人に、初めてできました、よくわかりました、やっと理解できました、というふうに受講していただいています。それは私が2018年に時間を投資したから、今でもその恩恵にあずかっているということです。完全に手放しの収入です。
ですから、あなたが健康で、あるいはご家族も健康で、何も問題がなくて、時間を取られるような問題がない間に、しっかりと副収入の柱としてオンラインコースを作っておく、デジタルコンテンツを作っておく、そして少しずつでもリストを構築していく、ということをしておかれることをおすすめしたいと思います。
コロナが終わったからもう問題ない、ということではありません。人生にはいろいろあります。
ということで、改めてオンラインコースビジネスは、時間を投資するだけ、そしてその時間があるうちに始めてください、という話をしました。
何かあったらまたご質問ください。それではまたお目にかかりましょう。