この記事では私がビジネスと家庭を両立するためにたどり着いたマインドセットをご紹介します。

ポイントは3つ。

  1. 人生は終わるという前提で考える
  2. 人生をともにする人と時間の使い方について合意を得ておく
  3. どうでもいい人にならない

ではそれぞれについてお話ししますね。

「人生は終わるという前提で考える」、いや中野さん、そんなの当たり前でしょう、わかってますよ!と言われるでしょう?

私は具体的には3つの考え方を持っています。

 

  1. 「家族も自分も長生きする前提」と「明日人生が終わる前提」をもつ
  2. 長生きするなら家族としてどこに向かうかを定期的に確認する
  3. 明日人生が終わるとしたらどう後悔するかを想像する、後悔しないためにどう過ごすかを話し合う

一つずつお話ししていきましょう。

「家族も自分も長生きする前提」と「明日人生が終わる前提」をもつ

人生は終わる。それは人が生まれたときに「誰しもが絶対にそうなる」ことがわかっている、たった一つのことです。

でもそれがいつなのかはわかりません。たいていの場合、前触れもありません。

3大疾病のうち、脳梗塞や心筋梗塞はある日突然起こるもの。がんは前兆があったりなかったりするけど、診断がついたらすぐに治療が始まるものです。

つまり、どれも倒れたらすぐ、病気が見つかったらすぐ、生活が一変するんです。

家族が一人入院したら、家族全員の生活がどれだけ変わるか、経験したことはありますか?

例えばがんだとこんな感じです。

体調の異変を感じて病院に行ってみた、検査してみましょうと軽めの検査を受ける。「精密検査をしてみましょう」、その結果どうやらがんらしいとわかったら、進行段階やどの治療が最適かを調べるために1~2週間のうちにどんどん検査の予約が入ります。できるだけ早く治療に入るために、検査の予約も迅速に入れていきます。

2週間前の自分は普通の人と同じように仕事に行っていたのに、たった2週間で生死が頭をよぎる生活になるのです。

医師がどの段階で告知するにしても、家庭に暗雲が立ち込めます。ただごとではなさそうだ、と。

元気なうちにあれをしておけばよかった、あそこに行っておけばよかった、もっとたくさん話しておけばよかったと後悔します。

それに加えて病気になった人が大黒柱でも生活費や医療費の心配はないですか? そばについていたいのに、パートに出なければならないとしたらどんなにつらいでしょうか。

 

だからこそ、私は二つの前提を持ってものごとを考えるようにしています。それが、「家族も自分も長生きする前提」と「誰か一人の人生が明日終わる前提」です。

 

長生きするなら家族としてどこに向かうかを定期的に確認する

「家族も自分も長生きする前提」と「誰か一人の人生が明日終わる前提」の二つを持っているとお話ししました。

まず、「家族も自分も長生きする前提」を考えてみましょう。

長生きするのは素敵なことですが、リスクも負います。

義父は2021年に亡くなりました。昭和の代表選手のような彼は、定年後も高い利率の貯蓄と年金のおかげで豊かに過ごしていました。経済面で子どもの世話にならないどころか、孫たちに頻繁にものを買い与える余裕がありました。ふだんはスポーツクラブに行って年下の仲間と汗を流し、月に一度は日帰りや一泊の旅行に行くというアクティブな暮らしぶりでした。

私たちの世代はそんな安泰な年金暮らしは期待できませんよね。安心して暮らせるだけの経済的な余裕を自分たちで作る必要があります。

経済面だけでなく、人生の中でやっておきたいこと、行っておきたいところはどこでしょう? 家族それぞれがやりたいこと、行きたいところを持っているはずです。全部を叶えられないとしても、お互いに知っておくほうがいいですよね。

気持ちが変わることもあるから、定期的に家族で再確認して、じゃあこの順番に実現していこうねと、家族としてどこに向かうのかを合意しておくといいと思っています。その大きな目標や夢の実現のために、今私たちはこれをしておくといいよね、これは我慢しようねと合意しやすいからです。

明日人生が終わるとしたらどう後悔するかを想像する、後悔しないためにどう過ごすかを話し合う

もう一つの前提は、「誰か一人の人生が明日終わる前提」です。

冒頭に書いたように、人生の終わりや病気はある日突然起こります。だからこそ、「家族も自分も長生きする前提」だけで考えていたら片手落ちになるのです。

長生きする前提で我慢ばかりしてきたのに、予告なく倒れたり、健康に生きられる時間が残り少ないと言われたらやるせないではないですか。満足できないとしても「それでもまぁ可能な範囲でやれることはやったし、行きたいところには行ったよね」と思えたら、残りの人生はほんの少し楽になります。

言い換えれば、長期的な目標と短期的な目標を持つということです。

我が家は、

  • 長生きするならある程度経済的に豊かでいたい
  • でも仕事100%だと明日人生が終わったときに「もっと家族の時間を持てばよかった」と後悔するだろうから、日常に家族の時間を組み込もう

ということになっています。

 

私が家事を気にせず仕事をするのは、「長生きする前提」に基づいたもの。お昼ごはんの後に一緒に韓国ドラマを見る時間を欠かさないのは、「誰か一人の人生が明日終わる前提」に基づいたものです。短くても家族で楽しむ時間を必ず持つのです。必ず。

家族など、パートナーや一緒に生活する人、人生をともにする人と時間の使い方について合意を得ておく

ここで断っておきたいのは、我が家には子どもがいないことです。大人だけの家族なので自由度は高いはずです。

今はいろんな暮らし方があります。この記事でいう「家族」は戸籍上の家族だけでなく、パートナーや何かの形で同じ方向を向いて一緒に生活する人を指していると考えてください。

 

さて、「人生は終わるという前提で考える」、このときにいくつか折り合いのつけにくい場面が出てきます。

お子さんのいる方は特にお子さん関連のお付き合いをどうするかに悩みませんか。PTAとかママ友とか。これについてもどう対処するかを家族で合意しておくことが大事です。

親の付き合いが子どもの世界にも影響するからどうしても子ども優先の方向に引っ張られる。私の母がそうでした。自分の人付き合いが悪いと、子どもに肩身の狭い思いをさせるのでは、と思って気の進まない付き合いもなかなか断れなかった人でした。私は幼い頃からそんなことは望んでいなかったのに。

あなたが自分の仕事の意味やどこまでやりたいか、それによる子どもへの影響は何が予想されるか、どこまで子どもが許容できるかについて、お子さんと一緒に話してみませんか。

 

それと同時にあなた自身の中に「自分がどう見られるか」との闘いもあります。「いいお母さん」「いい奥さん」に見られたい願望を捨てる必要があるかもしれない。

例えば家事。

私は、自分のケアが行き届いて身綺麗で、家事も完璧、人付き合いも断らず、ビジネスも順調に継続して拡大する…なーんてタキマキみたいな人を目指したい人生でした。

でも私には無理だった。

子どもがいないから余裕があるはずなのに、睡眠時間を削っても家事すら回せなくなって、ワタミの宅食を使っていた時期があります。調理だけでクタクタになってしまう私を見兼ねた夫が「しばらく宅食使おうよ」と提案してくれて一年間ほど使いました。

どうでもいい人にならない

次に、どうでもいい人にならないという決意もしましょう。

アメリカ在住のコーチ、エミさんは、お子さんの持ち寄りパーティーのとき真っ先に食器やカトラリーを持っていく係をゲットするらしいです。それを買って持っていくだけで役割が果たせるから。彼女いわく、私には持ち寄りパーティーに対するパッションはないし時間もない、持ち寄りパーティーで他のお母さんから評価されたいという願望もない。凝ったお料理は他のお母さんでやりたい人がやればいい、と。

「それはアメリカの話で、日本とは文化が違う…」確かにそうかもしれません。でも持ち寄りパーティーに凝ったお料理を持っていくかどうかは、自分のリソースを何に優先して使うか?の話です。

あなたのリソース、あなたの時間は一日24時間しかありません。有限です。だからこそ、あまり重要でない付き合いにどこまで時間を割くかを決めておく方がいい。

 

いつまでも付き合う・いつも付き合う人は、「人付き合いのいい人」と評判のいい人になれると思っていませんか。

残酷なようですが、そうではないんです。いつまでも、いつも付き合う人は「どうでもいい人」「人数合わせ用の人」になってしまいます。

「あと一人いたほうがいいよね、あ、Aさんに声をかけよう?あの人いつも断らないからきっとヒマなんだよ」って。

嫌われるようにしましょう!と言っているわけではないんです。

やりたいことのある、幸せな忙しい人だと認識してもらうのです。それを許容・尊重してくれる人と親しくできれば、人生はかなり素敵なものになります。

目をそらさないこと

なんだか悲観的な話だなと思われるかもしれません。私も夫も医療従事者なので「ある日突然」の物語ばかりを見てきました。だから悲観的というよりは「そう想定するのが現実的」だと考えています。

特に私たちはリハビリテーション職なので、

  • これから病気が進行していく方
  • 命は助かったけれど障害が残る方

にばかり関わってきました。

 

病気が見つかって進行していくのをなんとか遅らせたい。または、意識が戻ったら身体が動かない、重度の障害を負っていた、この身体でこの後どうやって生きていくんだ?むしろ命が助からなければよかった、なんで助けたんだ?

どちらの場合も、患者さんが絶望にいるところから私たちの関わりは始まります。

 

そのせいで私たちは他の人よりも、少し悲観的に考えるクセがついているのかもしれません。

とはいえ、これが現実でもあります。直面して初めて知る現実の一つです。日がな一日悲観的に考えなくて大丈夫。でも、自分の人生にそういうことが起こり得るんだと目をそらさないで構えておくと、何を優先するかを現実的に考えられます。

あなたはどう考えますか?

私がどんなマインドセットでビジネスと家庭を両立しているかをご紹介しました。

ポイントは3つ。

  1. 人生は終わるという前提で考える
  2. 人生をともにする人と時間の使い方について合意を得ておく
  3. どうでもいい人にならない

あなたはどう感じたでしょうか。

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