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生のボクシング観戦:テレビでは見られない下位階級の世界
初めてのボクシング観戦体験
今回は、ボクシングについて少しお話ししたいと思います。特に、普段テレビで放送される大きな試合ではなく、もっと下の階級のボクシングについてです。あなたはボクシングを生で観戦したことがありますか?
私自身、結婚前に義理の父が手に入れたボクシングの試合のチケットがきっかけで、夫(その頃はまだ婚約者でした)と義父と一緒にボクシングを観に行ったことがあります。大阪の難波にある、当時は大阪府立体育会館という名前だった会場でのことです。建物は古く、会場全体に少し変わった雰囲気が漂っていました。
独特な観客層とアングラな雰囲気
その場のムードは、何となくアンダーグラウンドな感じがして、それは体育会館の古さにも関係しているかもしれませんが、観客の雰囲気が独特だったんですよね。普通の会社員というよりは、どこか違う職種の人たちが多く集まっている印象でした。
お相撲の世界にはタニマチと呼ばれる支援者がいますよね。ボクシングにも選手を支えている人たちがいて、きっと観戦に訪れていたのでしょう。ただ、お相撲とはちょっと客層が違うんですね。全体的に少しアングラな雰囲気を感じたのです。
4回戦・6回戦ボクサーの試合:技術未熟が生み出す予測不能な展開
ボクシングの試合構成と階級システム
夕方、仕事が終わってから観戦に行ったのですが、試合は18時頃から始まりました。ボクシングの試合はビギナーの選手からスタートするんです。そのとき初めて知ったのですが、ボクサーのライセンスによって試合のラウンド数が決まっていて、4回戦、6回戦、8回戦、10回戦、12回戦といった具合に増えていくそうです。4ラウンドや6ラウンドの試合はテレビであまり取り上げられませんよね。見てるとですね、4回戦や6回戦はテレビで見るボクシングと全く違うんです。
後に、誰かが「あいつはまだ4回戦ボーイだからな」と言っているのを聞いて、「なるほど、そういうことか」と納得しました。4回戦までしか試合に出られないライセンスがあるようなんですね。
下位階級の試合の特徴
同じように、階級の低い相撲も観たことがあります。これもまた大阪府立体育会館で行われる3月の大阪場所で観戦したのですが、テレビで観るような相撲とはまた違って、本当に下位の力士による相撲は全く違うんですね。試合の体をなしてないみたいな感じで、端的に言うと下手くそなんです。
それと同じで、4回戦6回戦の階級のボクサーたちの試合も、下手くそとでも言うのでしょうか、型がないんです。たとえば、テレビで見慣れているような、「こう組んだらこう」とか、「ジャブを打った次はこう」といったパターンがどこにもありません。とにかく闇雲に打ってるような感じで、もうぐちゃぐちゃなんですね。
面白いと感じたのは、4回戦や6回戦など下位階級の試合には、どこか頼りなさを感じさせるレフリーが登場することです。試合がない日には、スナックやバーでお酒を作っているのでは?と思わせるような、蝶ネクタイを締めた人物が審判を務めていて、ちょっと心配になってしまいます。
低階級ボクシングの驚くべき特徴:限界を超える復活力と激しい打ち合い
命がけの激しい打ち合い
低い階級の試合を見ていると、とても不安になる瞬間があります。というのも、選手たちはお互いに駆け引きをほとんどせず、ただひたすら相手に打ち込むだけだからです。とにかく打って、死にそうになっても打っていくんですね。たった4ラウンドしかないにも関わらず、どちらかの選手が命に関わるのではと心配になるくらい激しく打ち合います。
「ああ、もう止めてあげて、倒れてしまう」という思いが沸き上がるほど打撃を受けている選手を見ると、なぜこの段階で止めに入らないのかと不思議に思うぐらいです。
夫も私もリハビリテーションの仕事をしていて、特に脳関係の神経にダメージを受けた人と関わってきたので、「絶対これは脳がやられるよね」と話していました。「もうここで止めないと」と思っていても、レフリーはなかなか試合を止めないんですよね。「もうやめて」と思いながら見続けていると、死にそうだったボクサーが復活して有利になってくることがあるんです。
驚くべき復活力
そして驚いたことに、それは1人だけでなく、4回戦や6回戦の低い階級の選手たちみんなに共通しているんです。「これはもう限界だよね、倒れて負けるよね」と思ってた選手が、盛り返してきて復活し、逆転勝利することがあるんですね。その光景を目の当たりにすると、「こんなにダメでも、ここから盛り返すことができるんだ」と生で実感できます。
ボクシング観戦から学ぶ人生の教訓:諦めないことの大切さ
ボクシングの功罪
ボクシングが身体に与える影響を考えると、良いスポーツだとは今でも思えません。特に、晩年の有名なボクサーの様子を見ると、その影響がよくわかります。
一方で階級が高くなり、技術が上達した選手の試合はとてもスマートなんです。泥臭さが消えていて、その結果、逆に面白さが減ってしまうと感じることもあります。スマートな試合はパターン化していて、流れも読めてしまうので、あんまり面白くないなと思います。
下位階級の試合から学ぶこと
ぜひ、階級の低い、まだ経験の浅いボクサー同士の試合を一度でいいので観戦してみてほしいと思います。あなたが心が折れそうになったときには、「もう駄目かも」と思ったボクサーが立ち直る姿を思い出してみてください。きっと勇気をもらえることでしょう。それでは、またお会いしましょう。