自分の商品やサービスを売るときに、値付けが苦手、高額で売ることに抵抗があり決められない方が多いのではないでしょうか。「値付けは得意ですか」と質問して「得意です、すぐできます」と答える人は少ないと思うんですよね。みんな悩むし、苦手です。「どう決めればいいかわからないです」とご相談がありますが、共感しかありません。私も悩むことがあります。
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値付けの基準や相場はない
値付けにはいくつか基準があると思っていますが、これは考え方が本当に人によります。ビジネスモデルやキャリア、どのくらいの結果をお約束できるかなど色々な要素が影響します。最適解、正解はないと思うので何とも言えませんが、自分の商品やサービスを売る上では何がしか値段をつける必要があります。
目安になることはいくつかあり、その一つは相場です。この相場は厄介で、業界ごとに異なるだけではなく、キャリアから考えられる相場や、同じ業界でも国によって違いがあります。それから同じ国の同じ業界でも、界隈によって微妙に相場が違います。
私は情報商材のアフィリエイトなども手がけていましたが、その中でもどのグループやコネクションに属しているかによって、相場感がわずかに異なることがあります。売り方もそれぞれ違うことや、さらにオンラインコミュニティの中でも、その界隈によって月額料金が少しずつ違います。相場はあるようでいて、実際には一概に言えないものなのです。
女性は安く値付けしがち
まず女性がやりがちなのは、安くすることです。本当はこの値段で売りたいと思っている価格があるにもかかわらず、それよりも安くする傾向があります。それが良いか悪いかは別として、なぜ安くしたいのか、その動機が大事だと思うんですよね。
私が嫌だなと思うのは、お客様にはその値引きが分からないかもしれませんが、売り手の中で「安くしておけば何か至らない点があっても許してもらえるだろう」と思うことです。しかしこの考えは止めるべきです。これは駄目です。もうこれは許してもらえるとか、そのような期待は持てないからです。
それならば売らない方がいいです。そんな気持ちなら、売らないで欲しいなと思います。
例えば、月額500円で提供されているコミュニティなどを見ることがありますが、500円ならとても安いじゃないですか。500円ならどうなのかなと考えてみましたが、いくら安くても何かしら期待して入るわけです。その期待したものが得られなかったら、やはり500円でも損は損だと思うんですよね。安いから許されるわけではなく、損したと思ってしまいます。
なぜかというと、お金を出しただけではなくそこには時間もかけているからです。時間は戻ってこないですよね。500円だと思って入ってみたものの、期待以下で時間を損してしまった。そうなると、もう取り返せない気持ちに私はなります。
したがって、安くする動機を考えることが必要です。ビジネスのフェーズによっては、自信がないから値段を安くする時期というのは必ずあると思います。しかし早くそれを脱した方が良いです。むしろ少しつま先立ちするぐらいの値段に設定すると、自分が精一杯頑張ることで成長にも繋がり、お客様に最大限のサービスをすることにもなります。その結果、お互いに納得感を得られやすいと思うんです。
例えば、私が2万9800円で売りたいと考えていたものを、お客様に許して欲しい気持ちから1万9800円に値下げしたとします。しかし、それがお客様にはわからないため、実際には1万円も値引きしたと感じられることはありません。ですので、安くしたからといって許してもらえるわけではありません。「1万円も引いたのにお客様が文句を言ってくる」など、訳のわからないストレスを抱えることになるので、変な動機で安くしたり、少し値引きすることはやめた方がいいと思います。
ビジネスのフェーズによって売れる価格帯は異なる
逆に、私のサービスはこんなに安い値段では売れない!と考える人もいます。それは専門性が高い、できる人が少ないなどの理由はあるかもしれませんが、高くすれば良いわけでもないと私は思っています。なぜなら、売れにくいからです。売れないとその価値が届かず、商品として意味がないからです。
ただ、単に高いから売れないということだけではないと思うんですよね。
例えば、その人が認知されてない、権威性がない、テスティモニアルやお客様の声がない状態で販売したり、セールスレターの情報や決済フローが不明確など、至らない点がいくつかあるかもしれません。私自身もまだまだありますが、至らない点があるのに、高額な値段を設定しているのを見るとナチュラルに「買わないよね…」と思います。
特に起業初期は、まだ何の社会的証明もありません。どうにか頑張ってお客様の声をもらえたとしても、それが高額な価格を払おうと思うところまでどれだけ影響を与えるかですよね。例えば「すごく良かったです」と好意的であっても、そんな短文のお客様の声では何がどう良かったのかがわからないため29万8000円などの高額はなかなか売りづらいし、同様に月額3万円の課金も払いづらいですよね。
もっと具体的に何がどのようにに良くなったのかが明確に書かれていれば、説得力があり「よし、そこまでは期待できるんだな」と思われて、見込み客の検討段階に入りやすくなります。しかし、急に月額3万円や何ヶ月29万8000円と言われて、セールスレターもよくわからない、お客様の声もないとなると、まず成約率は良くないと思います。
まず売れる価格帯にしてマーケットに問う
売れないとお金は入ってこないです。販売者側にお金が入ってこない状況は困ります。自分の商品やサービスは最初から完成形ではなく「これでどうでしょうか」とマーケットに問う感じでリリースします。
徐々にお客様とやり取りをしながら、良くしていくと私は考えています。最初はスタート価格から始めて、次第に中身を良くしていく、特に自分の理想のお客様が求める内容に関してブラッシュアップしていきます。お客様にフィットするような商品やサービスになったら、少しずつ値上げして、徐々に育てていくものだと思うんですよね。育てていくものだからある程度売れないと、実際にお金を払って買ってくれたお客様からのフィードバックはもらえません。
モニターはあくまでもモニターなので、実際に正規価格でお求めいただいたお客様からのフィードバックをもとに、ブラッシュアップしていきたいところです。しかし、それがなかなか売れないと、お金は入らないし、その後もずっと売れないことになります。
私とは違うビジネスモデルなのでわからないのですが、グループやコミュニティの中でお付き合いで買うとなれば話は違ってきます。ただ、基本的に1人で商売をしていくと考えると、何人かに買っていただかないと始まりません。
ペルソナの可処分所得と可処分時間を設定していますか?
そのため理想的なお客様を設定するときには、必ず可処分所得と可処分時間を設定してくださいと私はお話ししてるんですね。
その人が自分にどれだけお金を使えるか、どれだけ自由な時間があるかを知ることは重要です。例えばオンラインコースの作成や韓国語のレッスンなど、理想的なお客様が時間をどれだけ捻出できるかによって、プログラムの組み方やサービスの作り方が違ってきますよね。
また、お金がない人には売れないので、可処分所得によってどの程度まで支払っていただけそうなのかをペルソナを決める段階で必ず設定してくださいとお話をしています。
私はいくらで考えてるかな…。実はあまり厳密に考えてないことに今気づきました。矛盾しますが、おおよその目安は私の中にあります。理想のお客様がギリギリ払える範囲で、成約率を考慮しながら、四半期なら四半期、1年なら1年、ひと月ならひと月で欲しい利益が出るようバランスを取ります。この塩梅のところで、最初の価格を決めていくのが良いと思います。
最初の価格は少し安めで、理想のお客様がギリギリ払えるのではなく、割とカジュアルに払えることと同時に安っぽくなく、期待する効果や成果に対して安すぎないように調整しています。
例えばRIZAP ぐらいお金を払えばパーソナルトレーナーがついてくれ、こちらも必死に取り組むので、成果が出るでしょう。一方で、最近はチョコザップが頻繁にCMをしていますが、先日見たツイートで「チョコザップに行ってきた。背広のままマシンを3回ほどして帰る人や、スマホを見ながら軽く自転車を漕いでる人など、心の弱い人がたくさんいて心強くなった」とあったんです。
本当にそうだと思います。低価格でご提供すると、カジュアルに来ていただけるという面もありますが、カジュアルにしか取り組まない人もいます。何十万と払ってパーソナルトレーナーがついてくれるときと同じような感じではないでしょう。お客様の期待値も、2900円くらいだったらこんなもんでしょうと思う人が多いです。全員がそうとは言わないけれども、そのように思う人が大半でしょう。3000円なら、それぐらいの中身だろうと予想するのが一般的だと思います。
自分だったらいくら払おうと思うだろうか?という視点が助けになる
私も、理想のお客様がガチで取り組もうと思う金額でない限り、プログラムが良くなっていくのは難しいと思います。やはり真剣に取り組んでいただいてこそ、鋭い指摘が来たりするわけですよね。それでプログラムが良くなり、ブラッシュアップできていくので、あまり安すぎても期待値が下がり、売れづらくなることもあります。だからこそ、いい塩梅の値段設定が大切です。
したがって、それは業界や自分の界隈の相場感に基づいています。おそらく自分の理想のお客様は自分に近い人が多いと思うので、自分だったらここにいくらまで出すだろうか、いくらだったら出さないだろうかと私は考えます。年間やサポート期間の間で、この金額だったら最も期待値が高く、かつそこそこ払えると思える金額を私は販売価格として設定します。
これが権威性がついてきたり、社会的証明が増えてきたり、その成果が出たお客様がたくさんいて、それを情報発信できるようになり「この分野といえばあの人だよね」「あの人のとこならうまくいくよね」と認知されていくと、徐々にハイチケットにしていくことはできると思います。ただ、最初から高くすればいいかというと、そうではないと最近感じています。
あなたが商品やサービスを販売するときに自分の中で欲しい金額があると思います。私も最初のコンテンツ販売の際は「大体何人ぐらい買ってくれそうなので、これぐらいの金額になるだろう」など価格設定には本当に悩み、悶えるほどに考え、何度も計算をしました。その話はまた別のときにお話しできればと思いますが、欲しい金額よりも安くしようと思うときには、その動機がどこから来るのかに本当に注意してください。
自分が至らないからとか、サービスが不十分かもしれないなどのネガティブな気持ち、これなら許されるかもと逃げるような考えから安くするのであれば、厳しい言い方をすれば、それはもう売らない方がマシだと思います。
私なら500円でも腹が立ちます。500円返してー!…というか、時間と期待した気持ちを返してと思うので、そういう動機で安くするのであればやめた方がいいです。しかし、最初からハイチケットなのは、売りづらいです。売れないとフィードバックがもらえないし、利益も出ません。また、固定費も回収できないので、理想のお客様が支払える範囲で、お求めいただける金額を見極めていくことが大切です。
お求めいただいて、存分にサービスを提供し、存分なフィードバックを得てブラッシュアップしていく。そして徐々に値上げしていくのが良いと思います。
まとめ:値付けに正解はない
売れるかどうかは販売してみないとわからないので、売れなかった場合はセールスレター、メールシーケンス(ステップメール)、お客様の声などを見直し、購入後のフローのご案内が十分でなかったかを再検討します。私も何度も売れなかった経験があり、それを反映して見直しています。したがって、それらを見直しつつ、価格に手をつけるのは最後かなと思います。
値付けは本当に永遠の課題と言ってもいいのではないでしょうか?値付けが得意な人はおそらくいないと思います。値付けが苦手なことにフォーカスせず、値付けは難しく、正解のないものである前提で考えてみてください。それではまた。