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不快感を持たせない音質にする
ステップ1では不快感を持たせない音質を目指します。不快感を持たせない音質にするためには、以下の5つのポイントがあります。1つ目はハードウェアと環境の問題。2つ目は声のボリューム、話すときのノイズ、その他のノイズ、そして独りよがりです。では順番に参りましょう。
ハードウェアと環境の問題を知る
最初にハードウェアと環境の問題です。マイクは必ず、外付けのタイプを用意してください。パソコンの内蔵のマイクではうまく音が集められず、雑音を拾う可能性があります。外付けのマイクを使うと音質が飛躍的に良くなります。ぜひ、外付けマイクを用意することをおすすめします。
それから、残響音というのが割と耳障りになることがあります。これは環境によります。例えば硬い環境で収録すると音が反響して、それをマイクが拾ってしまうことがあります。よくあるのが、会議室のような硬い壁の、カーテンが少ない空間です。
ホワイトボードのような、音が反響しやすい硬いものがたくさんある環境で収録された音は、声が響いてしまい、聞きづらくなることがあります。声がダイレクトに入ってこないのです。これはもう収録する環境を変えるしかありません。
ちなみに、私が録音するときは寝室で録っています。これは顔出しをしないからこそできることなのですが、寝室にはカーペットや厚手の遮光カーテンがあり、壁には衣類や布をかけて音を吸収するようにしています。参考になさってください。
声のボリュームは大きすぎないようにする
次に、声のボリュームです。声が小さすぎるときは特に問題はありませんが、大きすぎると、音が割れてしまうということがあります。その際には自分の声を調整するか、マイクの設定を調整したりして、ご自身にとっての最適なボリュームを探してみてください。
話すときのノイズ、ブレスのノイズは不快
では、少し専門的な話題になります。話すときのノイズには、リップノイズ、ポップノイズ、そしてブレスによるノイズがあります。
リップノイズは文字通り、唇同士が合わさって離れるときに、出る音です。ポップノイズは、特に破裂音ですね。 子音を発音するときに息が強く出すぎたり、特にたちつてとのT音とかS音も強調されたりします。それから、私が苦手なのはP音です。ぱぴぷぺぽのときに少し控えめに言わないと、パンといった破裂音が出てしまいます。これがノイズを生み出し、その音だけが強く響いてしまうということがあります。
これは「ポップノイズ」と呼ばれ、後で説明しますが、これを防ぐための道具、「ポップブロッカー」というものがあります。「ポップブロッカー」で検索してみると、マイクに被せるカバー型のものや、風防がついているタイプなど、さまざまな形のものがみつかります。ご自分に合ったものを探してみてください。
さて、ブレスです。ブレスノイズは、マイクにダイレクトに息が入ってしまうことで起こる厄介なノイズの1つです。これには2つのタイプがあります。
1つは強く息を吐くことでノイズを出す人と、もう1つは話す前に息を吸う音がマイクに入ってしまう人です。私は割と話し始める前に息を吸い込んでしまう方なのですが、そのときの音が編集時に意外と目立つなと感じることがあります。あなたの癖はどちらかはわかりませんが、そういうものが存在するということを知って、気をつけるようにしておいてください。
最後に、特定の子音によってブレス音が入ることがあります。具体的にはK S T H D Pといった子音です。話す際に破裂音として入らないように気をつけてみてください。これについても意識することがとても効果的です。
もちろんポップブロッカーは使いますが、話し方に気を付けることで、同じぐらい効果的にノイズを軽減できます。
その他のノイズ(操作音を中心に)
ではその他のノイズです。これは意外と無意識に入ってしまう音です。特に顔出しをしない場合、スライド動画やスクリーンキャストなどのコンテンツで注意が必要です。
例えばスライド動画の場合、スライドを送っていくときのキータッチが強すぎると、その音がノイズとして入ってしまうことがあります。これは、いろんなオンラインコースを聞いている際にも、気になることです。また、スクリーンキャストで操作をお見せするときには、マウスのクリック音が割と大きく入ることもあります。
さらに、台本や参考資料を紙でめくる音なども、マイクが拾ってしまう可能性があります。ですので、資料をデジタル化してタブレットに入れて参照するなど、紙をめくる音をなくすための工夫が必要な場合もあります。
ひとりよがりに講義を進めないこと
最後にひとりよがりです。これは割と難しいようですが、意識すればたいしたことではないです。特に、台本を用意した場合に起こりがちなことです。ひとりで話していると、自分のペースでどんどん進めてしまい、受講者の参加感が薄れてしまうことがあります。
台本を読み上げるだけではなく、語りかけるという気持ちを持ってみてください。この気持ちを持つか持たないかで全く違います。また、できれば緩急をつける。問いかけをした場合には、受講生さんが考える時間を少し待つなど、聞いている相手が向こうにいるという意識を持つことが大切です。
これらのことをしていくと、独善的に進んでいくコースではなくなります。