最近、私が再び始めた新たな試みがあります。それは一部の作業をアウトソーシングすることです。いわゆる「外注化」ですね。クラウドワーカーさんにお願いしています。この外注化については「難しくないですか?」とよく質問されます。私が最初に外注化を始めたのは、2015年の5月だったと思います。そのときは本当に切羽詰まっていて、外注化するほかない状況でした。クラウドワークスにアカウントを作り、どうやって募集するのかと必死になってやり方を調べて取り組み始めました。
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多様な外注化の実践:ブログ記事からKindle出版まで
ブログ記事執筆の外注化
最初の外注化は、ブログの記事をライターさんに書いていただく形でした。私はネタ出しやリサーチは好きなのですが、文章を書くのが非常に遅いのです。そこで、ネタ出しとリサーチで記事の骨組みを作り、あとはそれをもとにライターさんに調べて書いてもらうという形で進めました。1〜2年ほどそのスタイルを続け、同じ方たちにお願いしながらブログを運営していました。それはアドセンスの雑記ブログがまだ盛んだった時期のことです。
その後、雑記ブログの運営は難しいと感じるようになり、特化型のブログを立ち上げることにしました。その際に素晴らしいライターさんに出会い、その方に専門的なトピックの記事を執筆していただくことになりました。そのライターさんは現役でその分野の仕事をされている方だったため、とても質の高いブログができていました。
また、大量のアンケートを実施し、そのデータ処理を外注することも行いました。一度に何十人もの方に依頼して大量のデータを処理してもらうこともありました。これらの作業は、「カンタン在宅ワーカー」や初心者のライターさんに依頼することが多かったです。
Kindle出版における外注活用
そこから少し間が開き、Kindle 出版を行う際にキャッチコピーを募集しました。この募集はコンペ形式で行い、応募してくださった中から採用された方に報酬を支払うという方法をとりました。またキャッチコピーの募集や表紙デザインの依頼も同じくコンペ形式を採用しました。一方で、Kindle の本文のコーディングについては1人の方と契約し、固定報酬を支払うプロジェクト形式で進めました。具体的には、EPUB 形式でのコーディングをお願いしました。
契約書の作成も専門家に依頼しました。年間のコンサルを始める際にコンサルティング契約書を作成しました。これは役務提供に関するもので、事前に合意しておくべき内容を行政書士さんに依頼して整理してもらったものです。
こういった形で、私の外注化は大きく2つのパターンに分かれています。1つ目は、自分でもできるけど苦手なことや作業量が多いことを依頼するパターン。2つ目は、自分にはないスキルを持っている人にお願いするパターンです。クラウドワークスを活用して、この方法で外注化を進めています。
コンテンツの再利用と最適化:動画からテキストへの変換
Udemyコースのテキストコンテンツ化
現在依頼しているのは、動画コンテンツをテキストコンテンツにする作業です。これはコンテンツの再利用として知られている方法です。動画とテキストのどちらを先に作るかは人それぞれですが、私はこれまで Udemy のオンラインコースに重点を置き、それをもとにテキストコンテンツを作ってきました。
コンテンツの再利用は作業自体は簡単ですが、実際には各媒体に合わせた調整が必要で、それが難しい点です。たとえば Kindle 用に書いたものを動画にする場合、一見単純に思えるかもしれませんが、動画や音声、テキストコンテンツそれぞれに適した微調整が必要です。この調整が難しさの1つです。
もう1つの難しさは、Udemy のオンラインコースをテキストに変換し、それをブログ記事やAmazon のKindle で再利用する際に、単なる文字起こしでは不十分であることです。それぞれのプラットフォームにフィットするように内容を調整する必要があります。
Udemy ではまず動画講座として成立し、さらに受講生にフィットする形でコンテンツを作ることを優先しています。しかしそのコンテンツをそのままテキストにしたとき、必ずしも同じように成立するわけではありません。そのため、リライトが必要なのです。また、その内容が Amazon の読者に適しているとは限らないという問題もあります。
プラットフォームごとのコンテンツ最適化
理論的には、英語圏の教材でもよく言われているように「1つのコンテンツを多くの形式に転用しよう」という考えがあります。つまり、一度ブログでロングコンテンツを作成したら、それを他のコンテンツに転換していくのです。ブログ記事を優先してポッドキャストに転換する人もいますし、逆に YouTube を優先する人もいます。まず主要な形式でロングコンテンツを作成し、それを元にさまざまな形式に変換していく手法です。
たとえば、ポッドキャストの音声をブログに転用したり、ブログの記事を YouTube 動画に転用したり、さらにその一部を切り取って SNS で投稿するといった方法がよく勧められています。多くの人がこうした形式変換を勧めており、実際に実行している方も多いです。私自身もベンチマークとして参考にしている人がいます。
しかし、この方法が必ずしもすべてのケースでうまく機能するわけではないのが現実です。各プラットフォームにはそれぞれのお作法や攻略法があります。私自身は Instagram であまりうまくいっていないため詳しくはありませんが、Udemy 向けに作成したコンテンツをそのまま Instagram に流用するのは難しいです。プラットフォームごとに異なる目的があるため、それに合ったコンテンツ作りが必要です。
とはいえ、インスタグラムや YouTube、Udemy、メルマガなど、特定の媒体にしか触れない人もいるため、コンテンツをさまざまなプラットフォームで再利用して広げることは、やらないよりはやった方が良いと考えています。私自身、SNS に時間をかける余裕があまりなく、リソースも限られています。そのため、基本的にダイレクトメッセージ(DM)を受け取るためだけにアカウントを作成しています。
効果的な外注化プロセス:文字起こしからリライトまで
文字起こしAIサービスの活用と課題
現在は Udemy のコースを文字起こしし、それをクラウドワーカーさんにリライトしてもらい、ブログ記事として公開しています。最終的には Kindle にも展開する予定です。
これらの作業は一見すると簡単に思えますが、実際には発言内容がそのまま文字として起こされるため、手間がかかります。私は「notta」という文字起こしサービスを利用していますが、私が使っている範囲ではこのサービスの日本語の文字起こし精度はあまり高くないと感じています。話者の区別がつかないことや、文と文のつながりが不明瞭になり、意味が曖昧になることがあります。私がアドリブで話しているため、話があちこちに飛んだり、同じことを繰り返してしまったりするので、notta も「この人の話は整理しにくいな」と感じているかもしれません。
nottaによる文字起こしまでは私自身がしています。私がアカウントを持ち料金を支払っているため、サービスを利用して文字起こしを行い、結果を Google ドキュメントに出力します。それをクラウドワーカーさんと共有し、Google ドキュメントの提案モードを使用してリライトしてもらっています。
クラウドワーカーとの協働プロセス
元の動画は YouTube に限定公開でアップロードし、「この章はこの URL の動画をご覧ください」という形で管理シートにまとめて渡します。この準備には少々手間がかかります。たとえば、Udemy にアップロードした講座動画が40本ある場合、それらを YouTube にアップロードして再生リストにまとめ、限定公開に設定します。そして、その URL を管理シートに順次書き込み、進捗管理表を作成して外注化をスタートさせます。手間と言えば手間ですが、必要な手順です。
アイキャッチ画像の設定やブログ投稿まで依頼する場合には、スラッグを決め、メディアライブラリに画像を保存し「この画像を使ってください」と書いています。こうした準備は少し面倒ではありますが、最初の1回目を乗り越えれば、後は同じ手順で進められるため、慣れてしまえば少しの手間で済みます。
初めてのワーカーさんの場合、1レクチャー終わった段階で一度成果物を見せてもらい、すり合わせをするんですね。たとえば、数字の表記については、漢数字にするのかアラビア数字にするのか、全角か半角か、アルファベットの扱い方など、細かいルールを決める必要があります。また「とき」や「こと」といった言葉を漢字にするのか、ひらがなにするのかといった、いわゆる「ひらく表記」の範囲についても決める必要があります。
一般的に男性は「とき」や「こと」を漢字で書く傾向がありますが、女性はひらがなで書くことが多く、その方が読みやすいと言われることもあります。こういった表記のルールのすり合わせをし、安定してきたら、一気に進めてもらい、終わったら声をかけてもらうようにしています。
このような方法を取ると、文字起こしの精度が低い状態から、読みやすく、専門知識がない方でも理解できる文章に改善されていることにまず驚きます。私のようにフリーランスとして一人で活動している方も多いと思いますが、やるべきことがたくさんありますよね。ブログの執筆、メルマガの作成、SNS の運用など、さまざまなコンテンツの管理やサービス提供に忙しいことと思います。
スポットコンサルティングなどの予約の処理に関しては、私の場合は自動化しているため、決済や予約に関して特に手間はかかりません。しかしお問い合わせがあれば対応する必要がありますし、他にも予期しないことが起きたりしますよね。ひとりビジネスはとにかくとても忙しいのです。
外注化がもたらす心理的効果:時間と心の余裕を生み出す
タスク管理の負担軽減
ひとりビジネスはたくさんのタスクに直面しますが、一般的には特に売上に直結する重要な作業を優先して進めるものです。その結果、ブログや Kindle、SNS といった集客コンテンツの優先順位がどんどん下がってしまうことがあります。私も同じです。優先順位が下がってしまうため「やらなければ」というプレッシャーが常に頭の中に残ります。まるで憂鬱な宿題がずっと残っているような感じです。やれば簡単に済むことだと分かっているだけに、余計に憂鬱です。難しいタスクであれば「短時間ではできない」と割り切れるのですが、簡単なことであるが故に「どうしてやらないんだろう」と悩んでしまうことがあります。
そこで、多少のお金を支払ってでも外注することで、成果物が完成するだけでなく、精神的な負担も軽減されます。特にブログの記事は長期間にわたって役立つため、その恩恵は大きいです。しかし、何よりもありがたいのは、外注することでブログや Kindle のことを考えなくて済むことです。罪悪感や「やらなきゃ」というプレッシャーを感じなくて済むのが、外注化の最大の利点だと思います。
だからこそ、自分でもできることを外注化するのはおすすめです。自分でできないことを外注化するのは当然ですが、簡単なことを頼んでいいのか、その単価でお願いしていいのか、といった疑問を抱えることもあると思います。
新たな創造性を生む余裕
私がそういった疑問を抱えていたとき、ある女性起業家から「たとえば月に1万円だけでも働きたい人がいるんだよ」とアドバイスを受けました。「出産直後や育休中の方は月に5〜10時間だけというふうに限られた時間しか働けないけれど、それでも仕事をしたいという方がいるので、そういう人にマッチする。だから失礼な発注だと思わなくていいんだよ」というのです。実際にクラウドワーカーのプロフィールを見ると、副業でやりたい、体調の問題で月に10時間だけ働ける、介護中で週に1時間だけなら働けるという方が多くいらっしゃいました。
そうした方に、急ぎではない仕事をお願いすることで、自分の手から離すことができます。このアプローチを取ることで、私は大変楽になりました。
以前は、外注化の手法を単発的に試しましたが、今回は定期的に続けていくことに決めました。過去に作成した Udemy コースには、テキストコンテンツにできるものがいくつかあります。それらを継続的にワーカーさんに依頼してリライトしてもらい、私は声がかかったときにチェックするだけです。こうして進めていくことで、Kindle 用の原稿も次々と出来上がり、WordPress への入稿までお願いできるようになり、とても気が楽になります。
気が楽になると、自分の中に余裕が生まれます。そしてタスクが1つずつ完了するたびに、その空いた時間を使って、新しいサービスの開発や、改善が必要な商品やサービスについて考えることができます。このようにスペースができることで、より良いものを作るための時間や心の余裕が生まれ、情報収集にも時間を費やせるようになります。
起業初期はお金がなかったり、何でも自分でやろうと考えがちです。ですがそれは本当に初期の初期だけで十分かもしれません。情報発信の方向性がある程度固まったら、ワーカーさんに任せるのも良い選択です。外注化は何度も経験していますが、正直なところ募集文を書くときはとても気が重くなります。それでもその先に待っている利便性は計り知れません。
「募集をしても誰も応募してくれなかったらどうしよう」と不安になることがあります。もちろん、こちらからリクエストを送る機能もありますが、それを使うのは少し面倒に感じることもありますね。この単価で何か言われてしまうのではないかと考えすぎてしまい、募集を始めるまでにとても気が重くなるのです。外注化を何度経験しても、未だに始めるときが一番気が重いと感じます。
しかし、いざ募集をかけてみて応募がなくても、リクエストを送れば実際にワーカーさんとつながれるため「誰ともつながれなかった」という経験はありません。こうした安心感もいつかコースにまとめてお伝えできればと思っています。
まとめ:適切な依頼と相互尊重の重要性
もし「クラウドワークスを使ってみたいけれど、募集の仕方がわからない」という方がいらっしゃれば、メッセージをいただければと思います。それが私が外注化に関するコースを作る際のモチベーションになります!
話が少しあちこちに飛んでしまいましたが、一部のオンラインビジネス界隈ではいかに安く外注化するかが話題になります。しかし、そういったことではなく、正当にお任せするという姿勢を持つと、双方にとって気持ちの良い取引になると思います。こうした方法に興味がある方は、ぜひメッセージをください。それではまたお会いしましょう。