10あなたは顔出しする?しない?

目次

顔出しするかどうかを考える2つのポイント

顔出しするかしないか判断の二大ポイント

顔出しするかどうかを考えるには、二つのポイントがあると私は考えています。

顔出しの利点と懸念点を天秤にかける

一つは、ネットに顔出しをするメリットがデメリットを上回っている場合です。当たり前のことですが、これを天秤にかけるしかないと私は思っています。ここまでの話を踏まえて、ご自身で判断してください。

一つ注意することは、顔出しのデメリットだと思っていることが本当にそうなのかと、一度疑ってみることです。最初にお伝えした通り、私たちは知り合いとしか顔を合わせない状態で人生の半分以上を生きてきたはずです。その年数分の刷り込み、思い込みがあります。「絶対こうなるに決まっている」「顔なんか出したら危険に決まっている」と思って生きてきました。でも、今の世の中で本当にそうなのか、ということを一度考えてみる必要があるかもしれません。

お客様の立場で考える顔出しの重要性

二つ目です。お客様の立場になって考えてみることです。匿名・アバターで活動している人にあなたは仕事をお願いしたいと思えますか、ということです。

私は病院勤務が長かったので思うのですが、病院などはお客様というか、患者さんが向こうから来ます。「応召義務」というのがあって、来た患者さんは基本的に断ることができません。どんなに横柄な方であっても、「怪我をしました」「病気しました」というふうに来られたら、基本的には診療する必要があります。

では逆の立場で考えてみましょう。例えば、もしあなたが病院に行って、初対面の医師が「ジョニー・匿名」という名札をつけていたらどうでしょうか。心身の不調、あるいはあなたのバックグラウンド、仕事内容などを、安心して全部話せるでしょうか。

匿名コーチと匿名クライアントの不均衡な関係

病院と似た職種に、コーチングやカウンセリングがあると思います。コーチングやカウンセリングで、依存的なお客様に悩まされるという話を時々聞きます。その場合、あなたの情報開示や情報発信を見直す必要があるかもしれません。もしあなたが実名で、本名で活動していれば別ですが、匿名のコーチに匿名で相談をするというのは、コーチもクライアントになるお客様も、どちらも都合のいい状態なのです。中途半端にしか物事は進んでいきません。

「本当のあなたらしく生きましょう」と言っているコーチがたくさんいますよね。でも、そのコーチ自身が匿名でアバターだったら、「いや、まずお前からだろう」というふうにならないでしょうか。特にオンラインの場合は、クライアントになるお客様はお支払いのときに、ご自身の名義のクレジットカードで決済しているはずです。お客様の方は、便宜上やり取りの中ではハンドルネームでお話をしたりするかもしれませんが、お支払いのときに実名が出ています。コーチの側だけ匿名でやるというのは、あまりフェアなやり方ではないですよね。これは都合よく活動しているように見えます。

顔出しのメリットデメリットを客観的に分析するワーク

顔出しする、しない、の二つのポイントをお伝えしました。

ネットに顔出しするメリットは何でしょうか。同業者を見るなどして、客観的に考えてみましょう。あなたがどうするかというのは一旦脇に置いておきます。同業者を見て「顔出しした方が確かにいいな」と思うことを、ワークシートに入力してください。

同時に、顔出しするデメリットは何でしょうか。これも同じ業種の方を見て、客観的に入力してみてください。客観的に見てみると、少し自分がどうしたいかということとは違う視点で見ることができます。

それから、お客様の立場になって考えてみましょう。あなたはあなたの業種において、匿名・アバターで活動している人に仕事をお願いしたいと思いますか。イエスかノーかで答えてください。

ここまでで結論はどうなるでしょうか。あなたは顔写真を出しますか。イエスでしょうか、ノーでしょうか。

顔写真を公開するときの注意点

顔写真公開時の注意点

顔写真を公開するときの注意点です。

顔写真を公開する際は、個人情報の保護とセキュリティ強化への意識を持ち、公開する場所、タイミング、情報の範囲を慎重に考慮してください。

例えば、家族写真を出せたら素敵ですよね。しかし、お子さんの顔が映っても大丈夫なのか、パートナーの方のお顔が映っても問題がないのか、了解は得ているのか、リスクはないのか、立場上困ることはないのか、といった点を考える必要があります。

また、家の前で撮ったような写真も時々見かけます。もし写真の場所がご自宅だった場合、自宅の外観が明らかになってしまいます。これは不必要な情報公開と言えるでしょう。

公開しない情報を事前に決めるワーク

では、ワークです。ネットに公開しない情報をあらかじめ決めておきましょう。例えば、

  • 居住地
  • 家族構成
  • ご家族のお顔
  • 自宅の外観
  • ご近所の、誰もが知っているような特定のスポット(そこで写真を撮らない、あるいは撮った写真は公開しないなど)

これらをワークシートに記載しておくと、情報公開の際に注意すべき点の確認に役立ちます。

【コラム】インポスター症候群

インポスター症候群とは

インポスター症候群を理解する

さあ、少し疲れてきた頃かもしれませんので、ここで一息入れましょう。インポスター症候群についてお話しします。

私が実名や顔を出す、つまり生身をさらけ出すことへの怖さの正体は、インポスター症候群だったのではないかと思います。インポスター症候群というのは、仕事である程度成功し、評価を得て、求められてもいるにもかかわらず、自分自身を過小評価してしまう心理状態を指します。別名、「詐欺師症候群」とか「ペテン師症候群」とも言います。

多様性とは逆行した時代背景の影響

これは、多様性とは真逆の時代感覚からくるものだと考えられます。少しわかりづらいかもしれませんが、いろいろな価値観の人がいて、いろいろな考え方の人がいるという時代感覚の中で、私たちは育ってきませんでした。「男はこう生きるもの」「女はこう生きるもの」「会社に一生を勤め続けるもの」といった、パターンの少ない時代感覚で育ってきたのです。

では、平成生まれの世代はインポスター症候群にならないのでしょうか。ある程度「多様性が大事だよね」と言われ、いろいろな人がいろいろな存在の仕方、いろいろな表現の仕方をする時代に生まれ育った世代はならないかというと、やはりなるのです。それはなぜかというと、「あんな程度であの金額をチャージするなんて、何か勘違いしていない?」「思い上がっているんじゃない?」と言われそうで怖い、という心境は誰しもが持つものだからです。基準がないからです。

また、業種によっては「あんなビジネスやっているの、怪しくない?」と言われることへの恐れもあるかもしれません。そのビジネスが全く怪しくなく、ある一定の人に需要があって喜ばれていてもなお、関係ない人たちからいろいろなことを言われるのではないか、という恐れもあると思います。

あなたの中のインポスター症候群と向き合うワーク

あなたはインポスター症候群の要素を持っていないでしょうか。思い当たる項目があればワークシートに書き出してみてください。

私は最初の有料コンテンツを販売するときに、値付けにものすごく苦労しました。苦労したというか、葛藤したというか。これだけのコンテンツ作りのプロセスを経て、これだけの時間をかけて労力をかけて作ったのだから、これぐらいの金額は欲しい。だけど、最初に出すコンテンツとして「高い」と言われるのではないか、とすごく恐れました。

実際に、別の記事でお話しした通り、私の最初の有料コンテンツは「その情報ください」と言われて作っているのです。「買うから、お金出すから、作って」と何人もの人に言われて作っているにもかかわらず、「有料で渡していいのだろうか」ということに悩みましたし、一方で、安い価格にするということにも葛藤があったのです。これだけ労力をかけて、これだけ時間をかけているのに、例えば980円とかでは売れない、というところで葛藤しました。

ここではやはり、「あんな程度であの金額をチャージするなんて、と言われないだろうか」「一作目なのに、とか言われないだろうか」という恐れがあったのだろうなと、今では思います。