AI時代の外注化術4. AIの登場で外注化は終わり?

Woman and AI robot working together

目次

AIの登場で外注化は終わりか?という点について私の考えを率直に言うと、外注化そのものが「AIに取って代わる」とか「もう終わり」というわけでは全然ないと思います。

ですが、AIが加速的に発展していく今、外注化の需要や価値は確実に変化しているのは否定できません。だからこそ上手に「外注とAIの使い分け」をすることがビジネスオーナーにとって重要なのではないかと実感しています。

外注化は自分の脳の「タスク負荷」を減らす

まず外注化が一番AIに勝っている点は、自分の脳の「タスク負荷」を減らすことができるという点です。

AIがいくら早くタスクをこなしてくれても、自分自身でやらなくちゃいけないことはゼロにはならないですよね。AIがアウトプットしたものをチェックしたり、修正したり、WordPressに投稿したり…と、結局は自分の頭に残り続けます。

一方、外注化は「これ、よろしくお願いします!」とある程度投げたら、先方が進めてくれます。成果物が上がってくるまで、頭の中からそのタスクを消し去れるのはかなり大きなメリットです。脳のスペースを空けて、もっとクリエイティブなことや本当に自分しかできないことに専念できるメリットは非常に大きく、AIを使ったからといって得られるものではありません。

AIでは「人間味」がどうしても出しにくい

AIのアウトプットは使い方次第でかなり人間らしい文体やクリエイティビティを表現できるようになりましたが、やっぱり人が手を動かすのとは違う部分が多くあります。プロンプトなどの練習をすればAIを使ってもロボット感のある成果物にならなくなるかもしれませんが、その練習をする学習コストも馬鹿になりません。

特にデザインやコピーライティングなど「感性」や「個人のセンス」がかなり影響する作業は、すぐにAI一辺倒にはなりません。優秀な外注さんなら自分が思いつかないアイデアを持ってきてくれたり、やり取りする中で新しい発想が生まれたりする魅力もあります。

AIは学習コストがかかる

私、実はプロンプトというものが大嫌いです。 プロンプトやその使い方を覚えることが非常に難しい。 マークダウン形式で書くのもわかりにくい。それなら、と、誰かが配っているプロンプトをもらって使うのも試してみました。 けれど、 私が書いたような文章にはなかなかなりません。結局手直しするなら時間がかかるし、最初からいいアウトプットが欲しいならAIの使い方をしっかりと学ぶ必要があります。

ところがAIの進歩はまばたきするより速い! 学習している間に、新たに学習すべきことが出てくる感じがしませんか。そんなことをしている暇があったら、AIを使わない方が時短できるのでは?と感じるのは私だけではないはずです。サクッと説明すれば理解してくれる、人間の外注さんにお願いする方が断然ラクです。

「できるけどやりたくないこと」も外注化の候補タスク

本当は自分でもやろうと思えばできる。でもそれを自分でやると気が重いとか時間が取られるとか、「好きじゃない」作業ってありませんか。

そこを全部AIに任せてみたことがあります。ですが、最終チェックや追加作業で意外と手間になったりします。だから「どうしても自分がやりたくない部分は思い切って人に任せてしまう」のが精神的にも楽になることが多いです。

私が外注化して精神的に楽になったのは、WordPress入稿です。WordPressを知っている人は誰でもできる、ごく単純な作業ですよね。私は原稿を書くのは苦になりませんが、ブロックエディタになってから、WordPressに入稿するのがひどく苦痛になりました。原稿は出来上がっているのに入稿できない、溜まっていく一方だ、という状況になるんです。それで、クラウドワーカーさんに「WordPressの入稿だけ」をお願いしています。「やれば簡単なのに、いつまでもやらないでいる」という気の重さや罪悪感から解放されて、とても楽になりました。

AIを取り入れるメリット

では、AIが優れているのはどんな点でしょうか。私は少なくとも四つのメリットがあると感じています。

  1. 瞬発力がすごい
    外注先に依頼するときは、募集・契約・やり取り…とどうしても数日〜数週間のスパンがかかりがち。でもAIなら数秒〜数分で結果が返ってきます。「とにかくスピード重視!」という場面ではAIがめちゃくちゃ強いです。
  2. コスト面でかなり有利
    ChatGPTやClaudeの月額20ドル前後など、無料枠で使えるものも含めると、外注費とは比べものにならないくらい安く済みます。とりあえずAIにやらせてみて、結果がそこそこ良ければ採用する…というのが気軽にできます。
  3. 気を遣わなくていい
    外注化は相手が人である以上、連絡を取る頻度や時間帯、修正してもらう回数など気を遣うことが発生します。ですが、AIの場合はそういった気を遣わなくて済みますよね。夜中に思いついたアイデアを、何時間も前に終わった会話に再度投げてもAIは機嫌を損ねることなく応答してくれます。「何回修正すれば気が済むんですか?」と聞かれることもありません。
  4. 定型的な作業が短時間で進む
    特に定型的な作業やパターンの決まった文章作成、リサーチ系はAIが得意です。動画の文字起こしなどをAIに一通りやらせて、その上で外注化する部分をさらに厳選するという使い方もあります。

現在、人気のAI活用系の教材を見ると、「AIの使い方」をピンポイントで教えているものが多くあります。でも実際には、ビジネス全体を回すには「人に任せるスキル」も依然必要です。AIがあっても、コミュニケーションスキルの重要性は変わりません。

「外注化」と「AI活用」のどちらか?について、最強の形は「AIのスピード+人間の力」をうまく掛け合わせることであると私は考えます。

まとめ AIか?外注化か?

  • AIのメリットとデメリット
    • メリット:低単価、何度でも何時でも使える、コミュニケーションコストがない
    • デメリット:ロボットみが残る、プロンプトが難しいなど学習コストが高い、だんだんズレていくことがある
  • あくまで外注化がメイン。専門性やコミュニケーションが必要な部分は人に依頼したほうがスムーズ
  • AI(ChatGPT/Gemini)は補助的に
    • 簡単なリライトやアイデア出しに無料版を利用(費用対効果が高い)
    • 募集文や納品物の誤字チェック程度にとどめてもOK
    • 「AIを使わず人に任せるほうが早い」場合は無理に使わない
  • 月数千円の予算で回す際にAIをうまく使えば費用を抑えられるが、完全にAI任せにするのは難しい点に注意

「AI時代の外注化」として、両方をうまく扱っていけるようになりましょう。