リードマグネットは非売品に限る理由

Girl is reading ebook on digital tablet device

メルマガ登録やLINE登録といったリストビルディングにおいて、どのような無料プレゼント(リードマグネット)を用意すべきかについて、最近見かけた意見をもとに「私の考えはこうだな」と感じたことをお話ししたいと思います。

リードマグネットとは?その役割と重要性

リードマグネットとはオンラインビジネスにおいて、見込み客の連絡先(メールアドレスや LINE ID など)を取得するために提供する無料プレゼントのことです。連絡先を提供いただく行為、つまり登録することを「オプトイン」と言います。これは見込み客が自らの意思で情報提供に同意して、登録するということですね。

大事な連絡先を登録していただくためには、魅力的なリードマグネット(リードを文字通り引きつける磁石のようなもの)を用意することがマーケティングの鉄則です。

理想のリードマグネットとは? 私の場合

リードマグネットに何を用意するのか?

私自身、「登録してでも欲しい!」と思える魅力的なリードマグネットに出会ったら登録します。私は登録用のメールアドレスを別に持っているので、さまざまなメルマガに気軽に登録していますが、一般的にはメールアドレスを使い分けている人は少数派でしょう。つまり、プライベートで使っている大事なメールアドレスを登録してもらえるか?というところが焦点になるのです。

そのためどれだけ魅力的なリードマグネットを用意できるかが、リストビルディングにおいて非常に重要なポイントになります。

スタバのチケットをリードマグネットに? それは本当に効果的?

あるところで、こんな意見を見かけました。

「リードマグネットは価値のあるものを提供するもの。だったらお金みたいなものでもいいんじゃないか?」

確かにお金は価値がありますね。たとえばスタバのドリンクチケットを電子的に送ることができます。

「登録してくれたらスタバの300円のギフトチケットを差し上げます、とすれば簡単だし相手にも感謝が伝わるし、良いのではないか?」

この意見を見た時、私の最初の感想は「何てもったいないことをするんだろう!」でした。

なぜスタバのチケットはもったいないのか? オプトインの真の価値

なぜスタバのチケットをリードマグネットにするのはもったいないのでしょうか?

オプトイン(登録)とは、配信者・販売者にとって大きなチャンスなのです。メルマガ登録は、すなわち見込み客リストの構築(リストビルディング)を意味します。

リードだからこそ、リードマグネットは自分が売りたい商品やサービスの手前になるものとして作ります。商品やサービスがない状態では効果的なリードマグネットの作成は難しく、たとえメールアドレスを取得できたとしても、その後どのような情報を発信すれば良いのか分からなくなってしまいます。そのため商品を作ってから、その手前(リードマグネット)を設計していくという流れが、メールマーケティング、リストマーケティングの基本的な手順となります。

絶対に売りたい商品やサービスがあって、そこに興味・関心のあるお客様を集める方が成約率は高くなります。だからこそ商品やサービスに関連したリードマグネットを、メルマガ登録のインセンティブとして提供する必要があるのです。

関連性の重要性:商品とリンクしたリードマグネットのメリット

商品と関連性の高いリードマグネットを用意することで、販売者側には多くのメリットがあります。スタバのチケットではなく商品に関連したリードマグネットを提供し、「メルマガに登録していただくと、こちらをプレゼントいたします」とすることで、以下のような効果が期待できます。

  • ターゲティングの明確化
  • トリップワイヤーファネルの活用が可能
  • LTOの成約率が向上

一つずつ解説します。

ターゲティングの明確化

商品と関連性の高いリードマグネットを用意することで、まず、その商品に関心のある人を明確に特定でき、商品への関心度は登録率から分かるのです。「魅力的なオファーにも関わらず、登録数が伸びない」あるいは「予想以上に多くの人が登録してくれた」など、反応率から貴重な情報を得ることができます。

トリップワイヤーファネルの活用が可能

トリップワイヤーファネルというセールスファネルを活用することも可能です。通常、メルマガ登録後には「ご登録ありがとうございます」というサンキューページが表示されますが、トリップワイヤーファネルでは、サンキューページの代わりに時間制限付きのセールスページを表示します。たとえば、「Udemy の先生に12週間でなる方法」という ebook をリードマグネットとして用意し、登録完了画面で「オンライン講座の作り方」という動画講座を15分間限定で27,800円を5,900円で提供する、といった手法です。

登録直後に LTO(Limited Time Offer:期間限定オファー)のセールスページが表示され、カウントダウンタイマーが作動することで、購買意欲を高めます。

LTO成約率の向上

トリップワイヤーファネルを活用することで、LTO の成約率向上を期待できます。これは、商品と関連性の高いリードマグネットを用意しているからこそ実現できる効果です。「スタバのチケットをプレゼント」というリードマグネットで登録した人に、いきなり「オンライン講座の作り方の動画講座を最安値でご案内します」と言っても、何の話か分かりませんよね。関連性のあるリードマグネットを用意することで、成約率が上がり見込み客が顧客になることが期待できるのです。

新商品開発にも有効!リードマグネットによる市場調査

さらに、これから作る新規商品のアイデア段階で、先にリードマグネットを作って検証することもできます。

たとえば「成約率の高いステップメールの作り方」の教材を販売したいと考えている場合、「ステップメール作成のポイント」という簡単な ebook やチェックリストをリードマグネットとして用意します。

商品はまだありませんが、このリードマグネットを掲載したランディングページを用意し、登録率が高ければ、ステップメール教材への市場の関心が高いと判断できます。

逆にランディングページへのアクセス数が多いにも関わらず、登録数が伸びない場合はランディングページの構成に問題があるか、ステップメール教材自体へのニーズが低い可能性が考えられます。

このようにリードマグネットを活用することで、売れない商品を作ってしまうリスクを回避できます。

タグ付けで顧客管理を効率化!パーソナライズドマーケティングを実現

登録してくれた人にはメール配信サービスの機能を使って、タグ付けをすることができます。

たとえば「ステップメール作成のポイントチェックリスト」を希望してランディングページから登録した方には、自動で「ステップメールに関心がある」というタグをつけることができます。

タグ付けによって、特定の関心を持つユーザーグループに絞って商品情報を配信するなど、パーソナライズされたマーケティングがしやすくなります。

非売品リードマグネットの魅力:希少性と顧客の質向上

リードマグネットにおいてもう一つ重要なポイントとなるのが、その希少性です。どこにでもある、あるいはお金さえ出せば購入できるものよりも、「非売品」の方がはるかに魅力的です。

「非売品」という言葉は特別な価値を感じさせ、「どうやったら手に入るの?」と思いますよね。このチャンスを逃すのはもったいないという心理が働くため、非売品をリードマグネットにする方が引きが強く登録率も高いと言えます。

また商品や販売者自身に関心のある人がオプトインしてくれます。「商品は気になるけど、この販売者はちょっと…」という人もいれば、「商品はよく分からないけど、中野には興味がある」という人もいるでしょう。

このようにリードマグネットによってフィルタリングされ、(言葉は妥当ではないかも知れませんが)誰でも彼でも登録するという状況ではなくなります。

メルマガの質を維持! 健全なアカウント運営のために

関心のある人だけがオプトインするため、メルマガ自体が荒れることがありません。メルマガが荒れないということは、「配信スタンド」、つまりあなたのアカウントが荒れないということです。

メルマガが荒れるというのは、たとえばメールを送っても開封されない、すぐに購読解除される、迷惑メールだと通報される、といったことです。正式にオプトインしたにもかかわらず通報されると、「違法なメールを配信している」とサービス提供側に判断され、アカウントが停止されるリスクがあります。

そのため、メルマガを健全な状態に保つことは非常に重要です。

スタバのチケット提供のメリット・デメリット

反対に、スタバのチケットをメルマガ登録のインセンティブにした場合のメリットを考えてみました。

ぎりぎりまで譲歩して考えた結果、メリットとしては以下の点が考えられます。

  • 登録率が高まるかもしれない
  • SNS でオファーした場合、アクティブなフォロワーが誰なのか判別できるかもしれない
  • SNS のインプレッションが上がるかもしれない
  • 気前の良い人だと思ってもらえるかもしれない

しかしどれも「かもしれない」というレベルで、確率的には10%にも満たないと思います。また金銭的価値のあるものを配布する場合は、各プラットフォームの規約に抵触しないよう注意が必要です。

一方、スタバのチケットをインセンティブにするデメリットは確実にあります。まず金銭目的の人々が一時的に登録し、その後すぐに解除する可能性があります。これではリードマグネットとしての効果を発揮できません。過去に X(旧 Twitter )で「お金配りおじさん」として知られた人物が話題を集めましたが、彼のアカウントに「生活に困っているので助けてください」と懇願する人が多く集まったように、金銭目的の登録者を引き寄せるリスクがあります。

ビジネスとして考えた時に、お金目当ての人がお金を払って商品やサービスを購入してくれるとは考えづらいですよね。最大のデメリットは、登録者が自分の商品やサービスに本当に関心があるのか判別できないことです。せっかく登録してもらっても、その後に送るメールに対して興味を持ってくれるかどうかも分かりません。

まとめ:リードマグネット戦略の再考

リストビルディングとリードマグネットの作成は確かに労力を要します。しかしそれに見合うだけのメリットがあるのも事実です。

質の高い商品やサービスを提供しているにも関わらず、リードマグネットの魅力不足で登録率が伸び悩んでいる場合は、リードマグネットの見直しやランディングページの構成変更など、改善策を試す必要があります。

スタバのチケットのような誰でも手に入れられるものを利用するよりも、商品やサービスに関連性の高いリードマグネットを用意する方が、ビジネスとして有効だと私は考えています。

どこにでもあるものや換金性の高いものをリードマグネットとして提供するのは、非常に勿体無いと言えます。貴重な機会を逃し、本当に顧客となるべきユーザーにアプローチするチャンスを逃している可能性があります。

あなたは、どう感じましたか?

それではまた。

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