6.SNSで実名のアカウントを使うメリットとデメリットとリスク

目次

実名でSNSアカウントを作成するメリット

SNS実名アカウント活用のメリット・デメリット・リスク

SNSで実名のアカウントを使うメリットとデメリット、リスクについて考えていきましょう。

実名利用の三つの大きなメリット

まずメリットからご紹介します。メリットは主に三つ。オンライン上での信頼性が高まること、ビジネスの場で有利になる可能性があること、そしてオンライン上でのセキュリティが強化されることです。

一つ目の「オンライン上での信頼性が高まる」について。実名を使うことで、他のユーザーが自分のことをより信頼できると感じる可能性があります。実のところ、私が「中野琴子です」というふうに、こうして記事を作ったり情報発信をしていますが、この名前が本名かどうかということは、実は確かめようがあまりないのです。しかし、実名らしきものを出すことで、「この人はちゃんとビジネスをやっている人だ」というふうに信頼される確率が高まります。もちろん、疑う人はどこまでも疑いますが。

二つ目の「ビジネスの場で有利になる可能性がある」というのは、SNSで自分自身をアピールするときに、実名を使うことでよりプロフェッショナルな印象を与えられるということです。例えば、私がハンドルネームを使っていたとします。そのハンドルネームにもいろいろあって、仮に「ガッキー」という、人気のあるご本人ではない「ガッキー」という名前で情報発信をしているのと、「中野琴子」という、それが本名かどうかわからないけれども「中野琴子」で情報発信をしているのでは、どちらに依頼するかを名前だけで考えたとき、私なら「ガッキー」よりは「中野琴子」かな、という気がします。

三つ目の「オンライン上でのセキュリティが強化される」。これは少しわかりにくいかもしれませんが、実名を使うことで、他のユーザーが自分のアカウントを偽ることが難しくなります。つまり、なりすましを最初から防ぎやすくなるということです。完全に防げるわけではありませんが、「中野琴子」として信頼性を高めていくと、後で偽アカウントが出てきても、言っていることや文脈などがやはり異なってくるため、なりすましがなりすましだとわかりやすくなるのです。

これらが、実名アカウントを利用する三つの主なメリットです。

実名でSNSアカウントを作成するデメリットやリスク

SNS実名アカウント利用のデメリットとリスク

SNSで実名のアカウントを使うメリットとデメリット、リスク。今度はデメリットとリスクについてお話をします。

プライバシー侵害と情報共有の制約

一番怖いのがプライバシーの侵害だと思います。実名を使うことで個人情報が公開され、ストーカーや詐欺師などの脅威にさらされるリスクがあります。これは常につきまといます。

そして、職場や家族、友人などに知られたくないプライベートな情報をSNS上で共有できない、という点です。例えば、少し秘密にしている趣味などがあった場合に、同じ趣味の人とつながりたいことってありますよね。だけど実名でやっていると、それが身バレしてしまうので秘密の趣味ではなくなってしまう。そういったプライベートな情報を共有できないというデメリットがあります。これはリスクではなく、デメリットです。

特定の見解を公開することがもたらす個人的攻撃のリスク

また、政治的、宗教的、人種的な見解を公開すると、個人的な攻撃を受ける可能性があります。それも実名でやっていると、そのダメージが大きいということです。

これに関しては、私は個人的な意見を持っています。そもそもオンラインで、ビジネスに関係ないのであれば、政治的な見解、宗教的な見解、人種的な見解を公開する必要がない、もっと強い言い方をすると「すべきではない」と思っています。

これは、英会話のオンラインレッスンを受けているときにフィリピン人の先生とも話をしていたのですが、「自己紹介をするときとか、初対面の人と関係性を築くときにどんな情報を話すか、どんな話題を話すか、あるいは触れてはいけないと考えている話題は何か」と聞かれたときに、私は「政治的な話題、そして宗教的な話題には触れないことに決めています」というふうに話しました。その先生はとても厳しい表情で「確かにそうだよね」と言っていました。非常にデリケートな問題だと思っています。なので、これを公開したいかどうか、公開する必要があるお商売なのかどうかということにもよりますけれども、公開すると個人的な攻撃を受ける可能性があるし、実名でやっていると、そのダメージは大きくなると考えられます。

実名でSNSアカウントを作成するデメリットやリスクは避けられる

実名SNSのデメリットとリスクは回避可能

裏を返せば、実名でSNSアカウントを作成するデメリットやリスクは、避けられるものがほとんどです。

プライバシーの侵害に関しては、実名に紐づく不要な情報を安易に公開しないということが非常に重要です。多くの方が、建物が映り込むような写真をアップしてしまったり、住所を公開したくないにもかかわらず場所が特定できるような写真を公開してしまったり、行動範囲がわかるような情報を公開してしまったりすることがあります。

人を特定するとき、実名やたった一つの情報だけで特定することは非常に難しいのです。しかし、私はいくつかの匿名アカウントの発信している断片的な情報を総合して、「この人、ここに勤めている〇〇さんだな」と特定できてしまったことが何度かあります。このように、断片的な情報を特定の時間に特定の場所がわかるような形で、そこかしこで公開してしまうと、個人が特定され、プライバシーの侵害につながるわけです。つまり、「不要な情報を安易に公開しない」というルールを自分に課すことで、リスクを防ぐことが可能です。

そして、職場や家族、友人などに知られたくないプライベートな情報は、SNSの実名アカウントでは共有しない。それを徹底すればいいだけです。また、火種になりやすいような話題、特に政治的な見解、宗教的な見解、人種に関する見解を公開しないようにすれば、大抵のトラブルは避けられます。

あなたのSNS実名アカウントの運用状況と理由

さあ、ここまでのまとめのワークです。あなたは実名でSNSアカウントを作成・運用していますか。していない場合は、その理由をワークシートに書いてみてください。