今回は質問をいただきましたので、私の意見をお伝えしたいと思います。
今回のご質問は「最初からビジネスコーチをつけた方がいいですか」というご質問です。良い質問だなと思いました。こういうことはあまり聞かれることがないのですが、確かに気になりますよね。
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起業ゼロイチの段階は一人で試行錯誤するのがおすすめ
私のクライアントさんの中では、今がゼロイチの方はほとんどいないですが、私自身はゼロイチの経験があります。みんながゼロイチからスタートしますよね。
最初からビジネスコーチをつけた方がいいかどうかについて、私の意見は “No” です。いくつか理由があります。ゼロイチの段階では、試行錯誤することが大切だと思います。
なぜかというと、今フリーランスの世界では、書籍もたくさん出てますよね。在宅ワークや、ひとりビジネス、一人起業など、さまざまなテーマで出版されています。たとえば、私の本棚には「ひとり起業女子セルフブランディング」や「 Web ライティング」「 Web 系フリーランス」「インスタ運用法」といった本が並んでいます。インスタ運用は私もまだ苦手ですが、フリーランス向けの書籍が非常に増えたことは確かです。昔、情報商材は infotop (インフォトップ)や infocart (インフォカート)など限られたプラットフォームで販売されていましたが、自社決済も増え、 note や Brain (ブレイン)、 Tips (ティップス)など手に入りやすい教材が増えました。在宅ワークの種類や自分がどのようなビジネスを始めるべきか、その情報は書籍や情報商材、ブログ記事、 YouTube にもあります。試行錯誤をしながら、自分に合った方法を見つけた方が良いと思うんですね。
試行錯誤する期間と金額のリミットを決めておく
さまざまな業種や同じ業種でも異なる働き方があるため、何をすべきか迷ったときは、体験してみると良いと思います。人によって、そのときの状況によって、どの働き方が適しているか、また、初期費用が必要な業種でも挑戦できるかどうかなど、さまざまな違いがあります。どのバリエーションが自分に合っているかを、実際に体験してみることをお勧めします。
ただ、経験者からの注意点としては、以下の二つを決めておくことが大切です。一つ目は期限を設定することです。なぜなら、無期限に計画を立てているとジプシーしてしまうことがあるためです。私は何年もジプシーしていたので、期限を設けることをお勧めします。二つ目は上限金額を決めておくことです。もし蓄えがあったとしても、借りてまで行動しないことです。
たとえば、3年は試行錯誤をすると決めたとします。その期間中に、「蓄えから使えるお金はこれだけ」と上限金額を決めておくことをお勧めします。自己投資は大切ですが、場合によってはやりすぎてしまうこともあります。借金するのは NG です。まずはアルバイトやパートに出て収入を得てから、そのお金で自己投資をする方が良いです。順番を間違えないよう、期限と上限金額を決めて計画的に行動しましょう。
最初からコーチをつけない方がよい三つの理由
では、最初からコーチをつけない方がいいと思う三つの理由をお伝えします
理由その1:やってみないと何が合うかわからない
理由1、色々なことに挑戦してみないと、自分に何が合うのかわからないためです。私は何となく、ウェブサイトの制作にとても憧れがありました。私がインターネットに触れた当初は WordPress やブログサービスがまだ存在せず、ブログという概念も日本ではまだありませんでした。 HTML のサイトを作れる人はいましたが、彼らは魔法使いかと思いました。そのため「サイトを作れるといいな」と思ったのが私の始まりだったのです。そこからお金が稼げる可能性もわかり、ブログ立ち上げてみたり、思い入れのある特定のトピックで書いてみたりしましたが、思ったほどうまく行かないこともありました。ジャンルによっては収益化が難しいこともわかりました。このように自分に合う方法をみつけるために、試行錯誤する期間は必要です。だから、コーチをつけない方がいいと思います。
理由その2:最初から成功すると成功した理由がわからない
理由2、最初から成功してしまうと、成功した理由がわかりにくくなるためです。ビジネスコーチがつくと、あなたのバックグラウンドや経験、スキル、パッションについてヒアリングし、ある程度の道筋を提案してくれるでしょう。私も同様にご提案しますが、最終的に決めるのはご本人です。現在のオンライン状況を考慮し、「こういうビジネスをすると、あなたは無理なくやっていけるし、お金になると思います、どうしますか」とその方に適したビジネスの道筋を示します。もし、その道を選んで成功したとしましょう。その方が努力をして、辞めずに継続してうまくいったとします。しかし、自分で試行錯誤をしないで、コーチが示した道に進んで成功した場合、成功の理由がわかりにくくなります。1回目で成功した方がSNSで「専業主婦が最短3ヶ月で月収100万円達成」と華々しく言われていているのを見ます。これは素晴らしいことですが、どうやって成功したのか、わからなくなることがあるのです。最短で成功することが目標であれば、それでも良いですが、継続して安定的に自分の力で収益を得ることが私は大事だと思うんですよね。最短で成功することは、必ずしも Happy なことではないと私は思っています。何で成功したのか、持続可能なのかを考えると、最短ルートはとても脆い部分があるんですよね。
理由その3:ビジネスコーチがいなくなった途端に詰む
理由3、最初から成功してしまうと、そのビジネスコーチがいなくなったときに何もできなくなるリスクがあるためです。前の話に戻ると、月収100万円を最短で達成することは不可能ではないんですね。難しいことではあるけれども、成功者の中には元々スキルはもっていて、その販売方法や認知をとる方法がわからなかったというケースがあります。必要な部分を学ぶことで、そのピースがはまって成功した方々が、広告塔になっていることが多いのです。私自身はそうしたタイプではなく、試行錯誤や遠回りをしてきました。それが不幸だったかというとそうではなくて、さまざまな試行錯誤をして自分に合った方法をみつけることができました。ここでいう失敗体験とは、取り組んだことに対して収益を上げられなかったことを失敗と定義します。そう定義した場合に、失敗体験は非常に大事です。なぜなら、失敗は貴重なデータであり、この方法では稼げなかったというデータが豊富にある方が、成功に繋がるからです。
たとえば100回トライアルして30回成功することができれば、野球で言う3割打者と同じように、優れていると見なされますよね。その残りの70回のパターンは、うまくいかないことがわかっているため、それを繰り返さなければ良いのです。成功した30回の経験は活かし、新たなデータ収集に役立てることができます。そのため、母数が多い方が良いですよね。100回あれば、失敗パターンの70回を知っていることになります。成功データを30、失敗データを70持っていることになります。しかし最初から成功してしまうと、母数1成功1失敗データ0となり、コーチがいなくなったら何をすべきかわからなくなりませんか。
オンラインビジネスは変化の速い業態
もちろん成功したビジネスを続ける選択肢もあります。ただ、なかなかそうはいきません。一つは特にオンラインビジネスの世界では、潮目の代わりどきが早いんですね。そのため、今イケてるものが3年後イケてるかというと、そうとは限りません。過去3年間を振り返ると、 Zoom の普及や ChatGPT の登場など、ガラッと様相が変わったと思います。それ以前から、オンラインはトレンドの移り変わりも早いしビジネスの切り替わりも早いと言われています。同じものを長期間続けることの方が、非常に難しいのです。ある程度オンラインのトレンドを見ながら、潮目に合わせてビジネスをシフトさせたり、方法を変えたりする必要があります。ゼロイチのまったく最初のビジネスで成功すると失敗の対処やトライアルの方法も慣れていないため変化に対応できない可能性があります。なぜならコーチに教えてもらってるため、そこで詰んでしまうのです。オンラインビジネスは潮目が早いため、そこについて行けなくなってしまうということが一つです。
もう一つは、実際にビジネスが成功しお客様が増え始めると、想定していた理想のお客様像とは異なる方が訪れることがあります。これにより、自分の組み立てたサービスや商品と、お客様と間にずれが生じ修正が必要となることが私にもありました。また、3年ぐらい経つと、ビジネスの方向性を変えたくなる、「ピボット」といいますが、それを考えることがあります。そのため、コーチをつけて初回で成功してしまうと、ピボットすることは怖いと感じることがあります。一人で全てを行う必要が出てくるため、ゼロイチを初めて自分で体験することになります。たった一人で挑むことになるので、怖くなって踏み出せなくなってしまうことがあります。
ビジネスコーチをつけるタイミングは課題が明確になったとき
そして、もうあまりパッションを感じなくなったり、尻すぼみが予想されるビジネスモデルを続けていくことは、非常に勿体ないことです。私が考えるビジネスコーチをつけるタイミングは、自分のニッチが決まった後、参入ジャンルが決まって、ある程度自力で進めてみた段階です。「自分一人ではもう立ちゆかん」「解決できない課題がここにある」と問題が明確になってから、それを解決してくれそうなコーチを探すべきです。
ゼロイチの方をサポートする専門のコーチがいるのなら、最初からそういうコーチをつける方法もあります。しかし、私の周りのコーチはそのようなアプローチ方法ではないようです。このジャンルならこのコーチというように、専門ジャンルが決まっています。私の場合は、オンラインコースビジネスの構築に関してお手伝いをすることです。たとえばリアルで教えている先生が決まった時間を取られるレッスンだけではなく、オンラインコースも作りたいと考えている場合や、ブッキングシステムや生徒さんの予約、決済などを自動化したいというニーズに応じて、仕組みを作るお手伝いをします。そのようにして、たとえば SNS 集客の専門家やブログの専門家、 Web デザインの専門家など、さまざまなジャンルの専門家がいます。あなたがそのとき何に困っているのか、どのような問題を解決したいのかを明確にすることが大切です。私自身もビジネスコーチについています。問題が明確になってからコーチの門を叩くことが、コスト的にも無駄がなく効率的だと思います。
コーチをつけるにはある程度のまとまったお金が必要です。しかし、丸投げの状態でコーチにつくのではなく、低価格のオンラインコースや情報商材を活用する方法もあります。パッションを持って取り組める、自分のジャンルをみつけることが大切です。しかし、自分一人で進めていく中で、どうしてもこの分野(例えば IT )が苦手と感じ、システムを組むのに苦労することもあるでしょう。その際は、このコーチのところに行けば良いと明確になりますよね。そうなってから、ビジネスコーチをつけることをおすすめします。