私はかつてアフィリエイトをしていました。(Podcast #060 【趣味?仕事?】「一日30分しか取れないけど月30万円欲しい」)今回は、私がどのようにアフィリエイトから始めて、どのように不労所得を得るに至ったのか、そのストーリーをお話ししたいと思います。
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アフィリエイトの現実:低ハードルと不安定な収入のジレンマ
アフィリエイトは始めるハードルが本当に低いんです。顔も出さなくていい、名前も基本的に出さない。ハンドルネームで活動する世界です。だから気軽に始められる、というメリットがある一方で、大きなデメリットも存在します。それは、収入の不安定さです。
私も最初は Google AdSense や物販系の ASP の案件を扱ったりしていました。しかし、Google AdSense の規制が厳しくなってきたこともあり、2014年頃から情報商材アフィリエイトに切り替えました。その後 AdSense が厳しくなった時点で、完全に情報商材アフィリエイトにシフトしました。
情報商材アフィリエイトで味わった時間との闘い
情報商材アフィリエイトは、とにかく予測がつかないんです。たとえば、販売者が半年間の高額講座を売り出す、という情報が下りてくるのが、販売開始のわずか2週間前、なんてこともざらにありました。そこから突然、セールスの準備を始める必要があり、常に時間に追われる日々でした。「セールスの準備」と言われても、何をどう準備すればいいのかピンと来ない方もいると思いますが、本当に大変なんです。
そして、アフィリエイトであるがゆえの不安定さ。相手あっての、販売者さんあっての、商材あってのビジネスなので、紹介できる案件がなければ収入はゼロ。アフィリエイト案件がない時期は全く売上が立たないんです。この不安定さが、精神的にとてもしんどい時期もありました。
デジタルコンテンツ販売で掴んだ自由と新たな苦悩:16時間労働と月3日の徹夜
「これではいけない、収入を安定させなければ」と思い、2016年から自分の情報商材や実践企画を販売するようにしました。つまり、今私がやっていることと同じ、デジタルコンテンツの販売です。
自分の商品を持つことで、アフィリエイトの不安定さからは解放されました。しかし、今度は全く別の問題に直面することに。それは、想像を絶する長時間労働です。
冗談抜きで、毎日16時間作業していました。しかも、毎月3日間は徹夜です。自分のコンテンツや実践企画、商品の企画を立て、商品を作り、セールスメールやセールスレターを書き、決済、納品準備をし、さらに購入者向けのフォローアップメールを10通ほど書いて予約投稿する……。この作業をひたすら繰り返していました。1回のセールスで書くメールは、セールスメールが約15通、フォローアップメールが平均10通。このセールスを毎月繰り返していたんです。
ありがたいことに、販売すれば売れました。しかし商品が売れれば売れるほどサポートやフォローアップの量も増えます。そのため、前月や前々月に販売した商品のフォローアップをしながら、翌月に販売する商品の準備をしています。通常、短くても3ヶ月ほどのサポートをつけるため、前々月、前月、あるいはさらに前の月の商品サポートを行いつつ、新しい商品の企画を立て、セールスの準備をしています。しかも、これが1年中続くんです。毎月売上を立てる、ということは、こういうことなんです。
収入の自動化を目指して:Udemy への一点集中と不労所得の獲得
最近面談でお話を伺っていると、「毎月30万円くらい欲しい」とおっしゃる方が多かったんですね。中には「40万円が目標」とか、「年間で500万円とか800万円を目指している」と、軽い口調でおっしゃる方もいらっしゃるのです。でも、これを月ごとに考えてみると、どれくらいの売上が必要かが見えてきますよね。もちろん、固定費などもあるので、実際にはもう少し高めの月商が必要になります。それでも、その数を12で割って考えることから始めないといけないということをお話しするのですが、なかなかピンとこない方も多いようです。
そこで、「その金額を毎月得る仕組みがわかりますか?」とか、「それだけの商品を用意できますか?」、または「売るための見込み客リストは持っていますか?」とお聞きすると、「まだゼロなんです」とのお答えが返ってくることが少なくありません。
私自身、当時は約300人というとても小さなリストでしたが、よく買っていただけるメールマガジンを運営していました。毎月異なる企画を立て、それを繰り返し販売していました。売れるものの、商品が売れるたびにサポートを提供し、次の企画を考え、また販売するというサイクルが年中続いていました。
多くの方が「40代に入ると体力がガクッと落ちた」と感じるようですが、私は40代でも、それほど実感していませんでした。50代半ばまでは特に感じずに過ごしていましたが、さすがに50代半ばを過ぎると、この生活は厳しいなと思い始めました。特に、毎日16時間働き、月に3日間は連続で徹夜をするというのは健康には良くないですよね。
当時、私が使用していたのは日本のメール配信システムで、決済や納品の仕組みも全て日本のシステムを使っていました。そのため、セールスのたびに複数のシステムを手動で連携させる必要がありました。今のように、日本語で使えるオールインワンのツールがなかったので仕方ありませんでしたが、もっと自動化できたらいいなと思っていました。
そんな過酷な状況を変えたのが、2020年に今のビジネスコーチである石崎力也さんと出会ったことです。石崎さんのアドバイスで、デジタルコンテンツ販売の自動化を目指すことになりました。
自動化に向けてまず取り組んだのは、Udemy でのコース販売です。まず私は、自分を世の中にもっと知ってもらうために、Udemy というオンライン学習プラットフォームにフルベットすることに決めました。それまでの私は、自分の企画を販売しながら、いくつかのブログコミュニティのサポートもサイドビジネスとして兼任していました。その活動から月に数万円から数十万円の報酬を得ながら、自分の企画も並行して販売するという働き方をしていたのです。
しかし、Udemy に集中するようアドバイスを受けたため、これまでの固定の仕事はすべて手放すことにしました。「辞めたいです」とお伝えし、後任の方に引き継ぐ形で安定していた収入源を一旦なくす決断をしました。そして、やることをすべて整理して Udemy のコース作成に専念する状態を作ったのです。
こうした思い切った決断が「フルベット」、つまり「一点集中」ということです。結果として、2020年の1月から6月末まで、毎月2〜3コースを出し続けました。それまでの4、5年間、デジタルコンテンツを作成し販売してきた私でも、Udemyのコース作成に集中すると、他のことをする余裕はありませんでした。すべての仕事を断って一つに絞ったからこそ、毎月2〜3コースをリリースすることができたのだと思います。
セルフホスティング開始!自動化システム構築までの1年間の奮闘
そのようにして6月まで Udemy で活動していたのですが、石崎さんからは「中野さん、そろそろセルフホスティングを考えてみたらどうでしょう?」と、4月か5月頃から勧められていました。でも、アフィリエイターとしての時間が長かったせいか、自分を全面に出すやり方がなかなか想像できませんでした。石崎さんとの毎週の Zoom ミーティングでもカメラをオンにできず、常に音声だけでの参加だったのです。このため、自分のスクールや商品を持つというセルフホスティングを構築するイメージは、なかなか現実味を帯びませんでした。
しかし、6月頃になると、「セルフホスティング、やってみたいな」という気持ちが芽生えてきたのです。きっかけは、私が2017年頃からベンチマークしていた英語圏の女性起業家たちの存在でした。彼女たちのビジネスモデル、セールスの仕組みを見て、「これだ!私もやりたい!」と思ったのです。
2020年6月、石崎さんに「セルフホスティングを始めます!」と宣言。Udemyへのコースリリースは一旦休止し、自分のスクールと商品の作成、そして販売自動化の仕組みづくりに集中することにしました。
まずは最低限のブランディングとして、ペルソナの設定から始めました。そして、実際に仕組みを作る作業を始めたのが2020年の7月。この7月はかなり詰めて作業し、体調を崩して入院してしまったこともありましたが、それでも全体の仕組み作りには約1年かかりました。
商品を作ること自体は比較的短期間でできました。Udemyでコースを作成した経験や、以前から毎月教材や企画を販売してきたことで、商品の作成には慣れていたからです。ただ、販売を自動化する仕組みを作ることは簡単ではありませんでした。セールスのステップメールを書くことにも慣れているはずなのですが、なかなか思うように進まなかったのです。
当時は ClickFunnels を使っており、メール配信システムとAPI連携をして販売や決済を紐付ける必要がありました。お客様がオプトインした際には、その後のメールシーケンスが自動で流れるように設定し、メールと ClickFunnels のタイマーを同期させるといった作業が求められたのです。こうしたシステムを理解し実装するには時間がかかり、最終的に作り上げるまで約1年を費やすこととなりました。
売上ゼロからのスタート:自動化システム完成後の苦悩と誕生月キャンペーンの成功
1年間の奮闘の末、自動化システムは完成。見込み客リストは600人ほどに増えていました。しかし、システムを稼働させてから2ヶ月間、全く売れませんでした。初めて商品が売れたのは、自動化システム完成から2ヶ月後の9月。たった1人のお客様でした。初めてのお客様です。
しかし、その後は再び静寂が訪れました。「私のファネル、どこか壊れてるんじゃないか?」と思うほど、全く売れなかったんですね。サポートコミュニティには、たった1人のお客様しかいない状態。正直、かなり居心地が悪かったです。
9月に初めてのお客様を迎えた後、10月が私の誕生月だったのを利用して、600人ほどのリストに向けてキャンペーンを行うことにしました。いわば誕生月を口実にしたディスカウントキャンペーンです。このキャンペーンで、初めてまとまった数の方々に商品を購入していただけました。
Udemyで築いた不労所得が支えた自動化システム構築期間
さて、お気づきでしょうか。2020年の7月から2021年の9月までの間、私は、実際には売るための活動を全く行っていなかったのです。その間は自動化の仕組み作りに専念していたので、販売活動には手をつけていませんでした。この間、固定費はどんどんかかりましたが、Udemyからの収入がその固定費をしっかりカバーしてくれたのです。これがまさに不労所得です。ただし、それは以前に一生懸命働いてコースを大量に生産していたからこその結果です。
当時、私は古参のUdemy講師たちが集まるプライベートグループに参加していました。そのグループ内で「週刊中野」と冗談で言われるほどのペースでコースを出し、多い月には4コース、最低でも月に2コースはリリースしていました。このように精力的にコースを量産したことで、Udemyにはストックができ、それが不労所得として固定費を支えてくれたのです。
集客なきファネルは誰もいない自販機と同じ。売上が伸びない致命的な理由
自動化システムを構築したからといって、必ずしも売上が上がるわけではありません。なぜなら、トラフィック、つまりお客様のアクセスがなければ商品は売れないからです。自動化について、多くの人がその構築を重視していますが、重要なのは、その仕組みにどれだけ多くの人を引き込めるかという点です。
ファネルを作れば全てが解決すると考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと想像してみてください。田んぼのど真ん中に自動販売機を置いて、果たして商品は売れるでしょうか?人が通らない場所では売れませんよね。それと同様に、人が訪れるような環境を作らなければならないのです。「集客」、つまりお客様をファネルに流し込むことが何よりも重要なのです。
実際に自動化の仕組みを教えている中で、「ファネルを作成したけど、そこから売上が上がらないんです」と相談される方が少なくありません。皆さんがよく知っている方からも、「中野さん、実はファネルからはまったく売れないんですよね」とこっそり打ち明けられた時には、私自身も驚きました。「いや、売れるはずなのに」と感じるのですが、それだけマーケティングやセールスに長けている方ですら、ファネルを作るだけでは成果が出ない現実の厳しさを痛感しています。
オンラインビジネスのトレンド変化の速さ:生成AIの例に見る未来予測の難しさ
私も調子が良い時には、自動化の仕組みから次々と、まさに時間単位で売上通知が届くことがあります。しかし、それが毎月安定して続き、何年も持続するかというと、そう簡単にはいきません。トレンドや業界の流れがありますし、良い時もあればそうでない時期もあります。売上が落ちる月がないわけではなく、それが現実です。
オンラインビジネスのトレンドは非常に速いペースで変化しています。ほんの3年前、生成 AI がここまで話題になると誰が想像したでしょうか?おそらくほとんどの人が想像できなかったはずです。
よく覚えているのですが、現在も Udemy で注目を集めているビッグネームの講師がいます。その方は生成AIに関する研究を早くから行い、Udemyで講義やコースを展開していました。当時から「AI がこれからの世界を変える」と話しており、私はその未来像に少し恐怖を覚えたものでした。彼の YouTube を聞いていると、「AI に対して不安を抱く人もいるけれど、AI は思考や意思を持たないので、映画のように人間に取って代わることはないから心配ない」とおっしゃっているのを聞いて、その言葉に安心したことを覚えています。それくらいの認識だったのです。まさか AI が日常の一部になるとは想像していませんでした。
オンラインの世界では、このような大きな変化やトレンドの移り変わりが起こります。そのため、新しいトレンドをキャッチしながら、情報発信や商品を更新していくことが必要なのです。
継続的な改善と進化の必要性:ツール変更と学び続ける姿勢
一度仕組みを作ったからといって、それで終わりではありません。ただ、仕組みが整っていれば、乗せる商品を変えるだけで済むこともあり、労力は手動で販売するよりも大幅に削減できます。余裕がある時に自動化の仕組みの作り方を理解しておいて本当に良かったと感じています。
最近、私は ClickFunnels を手放しました。今でも ClickFunnels はやはり便利だと感じることもありますが、固定費がかかることと、バックエンドで動いている決済システムが Stripe だという点がネックでした。そこで、ClickFunnels を使わずに、別の方法で決済を行うことにしました。とはいえ、ClickFunnels を使っていたおかげで、さまざまなファネルの作り方や仕組みづくりの流れを学ぶことができました。ですので、仮にツールが変わったとしても、問題なく対応できています。
オンラインビジネスは終わりなき旅:挑戦し続ける面白さと未来への展望
このように仕組みを理解し、自分で実践していくこと、そして売れるセールスメールや商品を作れるようになると、オンラインビジネスは非常に楽で楽しいものになります。
というわけで、今回はアフィリエイトから始まった私のストーリーをお届けしました。このストーリーはこれからも続いていきます。ビジネスにはあがりがなく、まさに長い旅、ジャーニーのようだと言われます。本当にその通りだと思います。
このジャーニーは決して楽なものではなく、時には徹夜を強いられることもありますし、売れる時もあれば売れない時もあります。それでも、とてもおもしろい旅です。もしこの旅に参加したいと思う方がいれば、ぜひお声をかけてください。それでは、またお会いしましょう。