Kindle出版4.Kindle本の構成の基本

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目次

書籍タイトルを決める

書籍タイトルの一番大事なことは、原稿の内容と乖離しないこと。あまりにもかけ離れた内容ではいけません。読者は表紙とタイトル、紹介文を見て書籍を購入するので、その期待を裏切らないということが大事です。

加えて、書籍タイトルも検索結果に表示されるのでSEOを意識すると良いです。重要なキーワードは左に持ってくる、読者が検索しそうな用語を入れる、といった基礎的なことで十分です。

また、SEOを意識しつつも、読者に刺さるキャッチーなコピーであれば理想的です。

具体例

例えば、「Kindle出版で月10万円稼ぐ方法」という本を出すとします。

  • 悪い例
    • 「自由な人生を手に入れる」
      • 抽象的すぎます。内容と合っているかもしれませんが、Kindle出版の本であることがわかりません。
    • 「非常識な成功法則」
      • 何の本か全く分かりません。
    • 「印税で儲ける方法:ステップバイステップガイド」  悪くはないのですが、SEOが弱いです。
  • 良い例
    • 「Kindle出版で月10万円稼ぐ!初心者でもできる、具体的な5つのステップ」
      • 「Kindle出版」「稼ぐ」というキーワードを入れつつ、具体的で、読者の興味を引く内容です。
      • 「初心者でもできる」という言葉で、ターゲットを明確にしています。
    • 「副業で月10万円!凡人でもKindle出版で稼げるロードマップ」
      • 「副業」「稼ぐ」というキーワードを入れつつ、「凡人でも」という意外性のある言葉で興味を引きます。
    • 「知識ゼロからのKindle出版:月10万円稼ぐための完全ガイド」
      • 「知識ゼロ」「Kindle出版」「稼ぐ」というキーワードを含み、「完全ガイド」で網羅性をアピール
  • さらに改善するなら
    • 上記の良い例に加えて、さらに具体的な数字や、読者の悩み、緊急性を加えることも考えられます。
      • 例:「【2024年最新】Kindle出版で月10万円稼ぐ!初心者でもできる、具体的な5つのステップ(失敗談と成功事例つき)」

このように、具体的なキーワードを入れつつ、読者が「読みたい!」と思うようなタイトルを考えましょう。

なお、表紙を作るまでは仮のタイトルにしておいて、原稿を書き上げてから最終調整をすると考えるのも良いです。

Kindle本の構成

Kindle本の構成についてお話しします。著者ごとにバリエーションがいろいろありますので、一般的なものをご紹介します。

おすすめなのは、あなた自身がKindle Unlimitedに1ヶ月でも契約してたくさんのKindle本を読んでみることです。様々な著者のバリエーションを見て、そしてご自身がいいなと思うものを真似するのが一番のおすすめです。

ここでは一般的なものをご紹介します。

一般的なKindle本の構成

  1. 表紙:Kindle本の「顔」となる部分。画像ファイルです。書籍タイトルや著者名を載せます。
  2. はじめに (序文):本の内容を紹介したり、読者へのメッセージを伝える部分。
  3. 目次:ハイパーリンク付きで、読者が各章に簡単にアクセスできるようにします。
  4. 本文:本の主要な内容。
  5. 終わりに (あとがき):執筆の背景、謝辞、今後の展望などを記述。電子書籍を作るに至った想いやストーリーの補足、自分の情報などを書くこともあります。
  6. 著者プロフィール:著者の経歴や実績、連絡先など。

書籍の構成要素(補足)

一般的な書籍には、Kindle本に限らず、以下のような構成要素もあります。

  • 前付(まえづけ)
    • 書籍の本文の前に位置し、通常は目次の後に配置されます。(Kindle本の場合は、表紙の直後、タイトルページとして入れることもあります。)
    • 書籍のタイトル、著者名、出版社名などの基本情報が含まれます。特に、洋書ではこの部分に書誌データが記載されることが多いです。
  • 奥付(おくづけ)
    • 書籍の最後に位置し、出版に関する詳細情報が記載されています。
    • 具体的には、発行日、発行者、印刷所、ISBN番号などが含まれ、著作権情報もここに記載されることが一般的です。
    • 奥付は、書籍の正式な記録としての役割を果たします。Kindle本の場合、タイトルや出版した日付、著者名、著作権表示などを入れることが多いです。

※私自身はKindleに前付・奥付を入れたことがありません

WordやGoogleドキュメントで原稿を作る

WordでKindleの文章を作ってKDPにアップロードするのがおすすめ

それでは早速、原稿を作っていきます。この記事では、WordでKindleの文章を作って、KDPにアップロードするのをおすすめしています。最初からWordで作っても良いですし、Googleドキュメントで下書きの原稿を作ってから、Word文章に変換する、あるいはEPUBに変換するというのでも構いません。

私がやっているのは、Googleドキュメントで下書きをして、それをWord文章に変換するというやり方です。

見出し機能を使って目次を作る

どちらにおいても大事なのは、章立てで見出し機能を使うことです。見出し機能を使うことで、目次が生成できるためです。ハイパーリンク付きの目次を生成することができますので、Wordにおいても、Googleドキュメントにおいても、見出しの機能を使って章立てをしてください。

そして、目次には注意点があります。内容を編集したり何か変更を加えた後に、目次を更新する作業を忘れずに行ってください。

Googleドキュメントを使う場合の注意点

では、Googleドキュメントを使う場合の注意点として、縦書きのKindle本を作成することが難しいです。Googleドキュメントは基本的に横書きの文書作成に特化していて、縦書きの機能は提供されていません。このため、日本語の縦書き原稿を作成する際には不向きです。

また、目次の作成が難しいところもあります。Googleドキュメントで作成した目次は、Kindle本としてアップロードする際にうまく機能しないことがあります。特に目次のリンクが正しく動作しない場合が多いです。

そのため、代替手段として、Googleドキュメントではあくまでも下書きをして、そして下書きが完了したら、Microsoft Wordに変換することをおすすめします。文章をWord形式(.docx)の形式でエクスポートして、その後、Wordで縦書きに設定することができます。私もこの手順でやっています。

具体的には、Googleドキュメントのメニューから「ファイル」、「ダウンロード」、「Microsoft Word」を選択することで、Wordに変換できます。

また、完成した原稿をKindle CreateというAmazonのツールを使用して、Kindleフォーマットに変換することも可能ですが、日本語の縦書きには対応していません。なので、やはりWordでの作成が一番スムーズかなと思います。

ということで、Googleドキュメントでは縦書きのKindle本を直接作成することはできませんが、Microsoft Wordを使用することで、簡単に縦書きの文章を作成すれば、Kindle本として、そのWordのファイル形式のままアップロードすることができます。つまりWordファイルをそのままKindle本として出版することができるんですね。ですから、Googleドキュメントでの執筆を考えている場合には、最終的にWordに移行することをお勧めします。

Wordを使うのが嫌だという方は、Googleドキュメントで下書きを作って、何らかの手段でEPUB形式に変換してください。そうすれば、Wordを使わずにKDPにアップロード可能なKindleの原稿を作ることができます。

Kindle本の書式は縦書き?横書き?

Kindle本の書式、縦書きか横書きか

Kindle本の書式、縦書きか横書きか、という点についてお話しします。縦書きでも横書きでもどちらでも構いません。どちらにするかは、コンテンツの内容や、読者の読みやすさを考慮して決めると良いです。

縦書きは、日本語の小説やビジネス書など、テキスト中心の作品に適しています。日本の印刷文化に馴染みがあって読みやすいと感じる読者が多いです。

横書きは、写真、図表、数字、英語やURLを多用する実用書や技術書に向いています。インターネットやデジタル文書に慣れた読者には親しみやすい形式です。

最終的には好みで選んで問題ありませんが、内容に応じて選ぶのがベストです。

縦書きの注意点

私自身は縦書きも横書きもどちらも出してみました。好みで言えば、Kindleは縦書きで読む方が、やっぱり本を読んでいる感じがして好きだなと思います。ただ、縦書きでは半角の数字やアルファベットは横倒しになってしまうのが難点です。URLも横倒しになります。

例えばあえて書いてみますが、半角で入力した「SNS」とか「Amazon」といった短い文字列が横倒しになると、潰れて見えてしまうので、視認性が悪いんですね。なので、短い文字列であれば、アルファベットを全角にすると縦に並ぶことができます。数字も同じです。

ただ、一定の文字数を超えると、横倒しの方がパッと見て分かりやすいということがあります。例えば「Facebook」や「Google AI Studio」のように長めの固有名詞になってくると、横倒しになっていても一つのかたまりとして認識することができるので、全角で縦に並べるよりも見やすいかなと思います。

写真や説明画像をたくさん入れたい書籍の場合は、原稿自体を横書きにする方が馴染みが良いです。そのため私は、図表を入れるかどうかによって、縦書きの原稿にするか横書きの原稿にするかを選択しています。

Kindle本原稿の推奨フォントとフォントサイズ

Kindle本原稿の推奨フォント

Kindle本原稿の推奨フォントとフォントサイズについてお話しします。Kindle本の推奨フォントです。推奨フォントは、読みやすい一般的なフォントです。例えば、ヒラギノ角ゴシックとか、Arialが適しています。私は下書きのGoogleドキュメントではArial、KDPにアップロードするWord文書ではメイリオを使っています。

ただ、Kindle本の読者は、実際には自分の端末で、ゴシックか明朝の2つのフォントから選択して読むことになります。

最適化するには、特殊なフォントを使わないということと、見出しと本文の区別が分かりやすくなるようにすることが大事です。

私のWord文書のフォントサイズ

見出しと本文の区別が分かりやすいようにと、以下の設定で制作しています。

  • 章見出し(見出し1):20ポイント
  • 小見出し(見出し2):16ポイント
  • 見出し3:14ポイント
  • 本文:11ポイント
    ※タイトルが長い場合は、ページバランスを考えて調整することが重要です。

リフロー型と固定レイアウト型のフォントの違い

リフロー型では柔軟な調整が可能

Kindle端末やアプリでは読者が文字サイズを自由に変更できるため、原稿作成時には基本的なサイズ設定を守りつつ、リフロー型(テキストが画面サイズに応じて調整される形式)で作成するのがおすすめです。

固定レイアウトの場合

マンガや写真集などに適している固定レイアウトではフォントサイズの変更ができないため、視認性を重視して慎重に設定してください。

読者の利便性を考え、読みやすいフォントサイズとレイアウトを意識することが大切です。

Kindleへの画像や挿絵の挿入方法

画像の挿入方法

Kindle本の原稿に画像を挿入する方法は、使用するツールによって異なります。

  • Microsoft Wordの場合
  1. 画像を挿入したい位置にカーソルを合わせます。
  2. 「挿入」タブ →「画像」→「このデバイス」(または「オンライン画像」)を選択します。
  3. 挿入したい画像ファイルを選択し、「挿入」をクリックします。
  4. 必要に応じて、画像のサイズや配置を調整します。
  • Googleドキュメントの場合
  1. 画像を挿入したい位置にカーソルを合わせます。
  2. 「挿入」→「画像」→「パソコンからアップロード」(または、Googleドライブなど他のオプション)を選択します。
  3. 挿入したい画像ファイルを選択し、「開く」をクリックします。
  4. 必要に応じて、画像のサイズや配置を調整します。

Word、Googleドキュメントのいずれの場合も、画像を直接原稿にドラッグ&ドロップすることでも挿入できます。

著作権に注意

Kindle本に掲載する画像は、著作権に注意して選ぶ必要があります。

  • 自分で作成した画像:自由に利用できます。
  • 著作権フリーの画像:利用規約を確認した上で利用しましょう。「商用利用可」「クレジット表記不要」などの条件を確認することが重要です。
  • 他人が作成した画像:原則として、著作権者の許諾が必要です。無断で使用すると、著作権侵害にあたる可能性があります。
  • 生成AIを利用する場合:生成AIの利用規約を確認しましょう。商用利用の可否は、サービスによって異なります。
  • クリエイティブ・コモンズ・ライセンス:
    • 「CC0」(パブリックドメイン):自由に利用できます
    • その他のライセンス:条件(表示、継承、非営利など)を確認して利用しましょう

画像の解像度

Kindle本に掲載する画像の解像度は、画質に大きく影響します。

  • 推奨解像度
    • 表紙画像:2,560 x 1,600 ピクセル以上 (最小 1,000 x 625 ピクセル、最大10,000 x 10,000 ピクセル)
    • 本文中の画像:最低でも300dpi (dots per inch) が推奨されます。
  • 注意点
    • 解像度が低すぎると、画像がぼやけて表示されます。
    • 解像度が高すぎると、ファイルサイズが大きくなり、Kindle端末での表示に時間がかかる場合があります。
    • Kindle端末の画面サイズや表示設定によって、最適な解像度は異なります。
    • 画像形式はJPEG (.jpg)が推奨されています。

以上の点に注意して、Kindle本に適切な画像を挿入しましょう。