Kindleの表紙デザインの基本
Kindleの表紙デザインは、Kindle ダイレクト・パブリッシングの表紙画像の要件を満たすように作成することが重要です。
電子書籍の表紙画像の必要条件を確認しましょう。
https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200645690
- ファイル形式
- 画像の縦横比
- 解像度
- 表紙画像のサイズ
など、定められている通りに制作します。
私の場合は2025年2月現在、以下のようにしています。
- Kindleの表紙サイズ: 高さ 2,560 ピクセル、幅 1,800 ピクセル
- 高解像度(300ppi)のJPEGファイル
- 白や淡色のデザインの場合、白背景のデバイスで見たときに表紙の領域がわかりやすいよう、薄いグレーの枠線をつける
KDPの推奨サイズは幅 1,600 ピクセルですが、幅を広めにした方がバランスと視認性がよいように感じるので、幅 1,800 ピクセルにしています。
Kindle本の表紙作成で重要なポイント
Kindle本の表紙作成で重要な点は、読者の目に留まり、購買意欲を高めるデザインであることです。読者は表紙を見て、本の内容を判断し、購入するかどうかを決めます。魅力的な表紙は、本の販売促進に大きく貢献します。
表紙作成の際に考慮すべき点を挙げてみます。
ターゲット読者を意識する
ターゲット読者が誰なのかを明確にし、その読者層に響くデザインを心がけましょう。例えば、ビジネス書をターゲットとするなら、シンプルで洗練されたデザインが効果的です。
本のテーマを表現する
表紙は、本のテーマを視覚的に表現するものでなければなりません。本の内容を想像できるような、象徴的な画像やイラストを使用すると良いでしょう。
タイトルと著者名を目立たせる
タイトルと著者名は、表紙で最も重要な要素です。読者の目に留まるように、フォントのサイズや色、配置を工夫しましょう。
キャッチコピーで惹きつける
キャッチコピーは、読者の興味を引き、本の内容を簡潔に伝えるものです。魅力的なキャッチコピーを表紙に配置することで、読者の購買意欲を高めることができます。
他のKindle本との差別化
Kindleストアには、膨大な数の電子書籍が販売されています。読み放題サービスKindle Unlimitedの対象書籍だけでも、和書で約12万冊、洋書で約120万冊あります。 大手出版社から出版される有名作家の本だけでなく、一般の作家の本もたくさんあります。 近年はKindle出版ブームによって、毎日たくさんの電子書籍が出版されています。 さらに、生成AIが登場したことにより、生成AIを使って大量に出版する人が急増し、Kindle出版の状況は大きく変化しています。他の本と差別化を図るためには、独自性のあるデザインが重要です。
表紙デザインは何度でも修正変更が可能
Kindleの表紙デザインは、何度でも修正や変更が可能です。電子書籍の表紙は、AmazonのKindle Direct Publishing(KDP)を通じて簡単に更新できるため、著者は必要に応じて表紙を再デザインすることができます。
表紙の変更手続き
表紙を変更するには、KDPの「本棚」から該当する書籍を選び、表紙のセクションで新しい画像をアップロードすることが必要です。変更後は、再出版の手続きを行うことで、更新が反映されます。
反映までの時間
表紙の変更が反映されるまでには、通常数時間から最大で72時間かかることがあります。このため、変更後すぐに新しい表紙が表示されない場合でも、焦る必要はありません。
デザインの自由度
Kindleでは、表紙デザインを自由に変更できるため、売上が伸び悩んだ場合などに新しいデザインを試すことができます。これにより、読者の目を引く表紙を作成し直すことが可能です。
このように、Kindleの表紙デザインは柔軟に変更できるため、市場の反応に応じて最適なデザインを追求することができます。
Kindle本の表紙の作り方
Kindle本の表紙の作り方には2種類あります。自分で作るか外注化するかです。
自分で作る
デザインができる人はAdobe Illustratorなどで、また、無料ツール(Canvaなど)でも作れます。Canvaで「kindle 表紙」と検索すると、たくさんのテンプレートが表示されるので、それを使って作るのもいいでしょう。
外注化する
クラウドソーシングサイトなどでKindle本の表紙制作に慣れたデザイナーさんに作ってもらうのもいいです。私はデザインが苦手なので、外注化しています。
イメージ通りに作ってもらうために、条件と希望を明確に伝えるようにしています。
- 書籍タイトル、著者名、書籍の中身など
- サイズ: 高さ 2,560 ピクセル、幅 1,800 ピクセル
- 素材の要件
- 参考デザイン:Kindleや紙媒体の書籍で真似したい表紙があればURLを添えてイメージとして伝える
- ターゲット
- 使いたい色 など
※特に、サムネイル表示されたときに見やすいことを希望として伝えています
Kindle原稿のファイル形式
Kindleでの電子書籍出版において、原稿のファイル形式は非常に重要です。以下に、Kindle Direct Publishing(KDP)でサポートされている主要なファイル形式をまとめます。
Microsoft Word (DOC/DOCX)
ほとんどのDOC / DOCXファイルは問題なく電子書籍に変換できますが、複雑な書式設定を含むファイルは適切に変換されないことがあります。Wordで作成した原稿は、直接アップロードできるため、初心者にも扱いやすい形式です。
EPUB
EPUB形式は、国際的に広く使用されている電子書籍フォーマットで、Amazonでもサポートされています。EPUBファイルは、Kindle Previewerを使用してKPFファイルに変換することが可能です。
Kindle Package Format (KPF)
KPFファイルは、すべてのKindle端末に適した書式設定を簡単に行うことができ、書式設定の問題を回避するのに役立ちます。Kindle Createを使用して作成できます。しかし現在、日本語ではサポートされていないため、日本語の本は作成できません。
MOBI
MOBI形式は以前は一般的でしたが、2025年3月からは固定レイアウトの電子書籍に対しては受け付けられなくなります。2021 年 8 月 1 日にリフロー型の本の MOBI ファイルのサポートが終了しているため、この変更により MOBI 形式からの移行が完了します。リフロー型の電子書籍には、DOC/DOCX、KPF、またはEPUBを使用することが推奨されています。
その他の形式:HTML (ZIP, HTM, または HTML)、リッチテキストフォーマット (RTF)、プレーンテキスト (TXT)、Adobe PDF (PDF) もサポートされていますが、PDFは特定の言語に限られています。
まとめ
Kindleでの原稿作成においては、Microsoft Word (DOC/DOCX)、またはEPUBが特に推奨される形式です。これらの形式を使用することで、スムーズな出版プロセスと高品質な最終製品を確保できます。MOBI形式は今後の出版には適さないため、他の形式への移行を考慮する必要があります。
KDPにアップロードできるファイル形式にする(おすすめはWordかEPUB)
Wordファイル
作成手順
- 下書きが完成したら、Wordにコピペする
- 文章の修正や誤字脱字チェックを行い、見出しのスタイルを設定する
- 縦書きの場合は注意点を確認する
- 表紙画像を挿入する
- 目次は、自動生成機能を使ってハイパーリンク付きで作成する
- 完成した原稿をKDPへのアップロード用として保存する
- バグ防止のためファイル名を英文字にしておく
縦書きの一般的なルール
- 段落の冒頭は一字あける:各段落の最初の行は、必ず一字分の空白を設けます。これにより、段落の区切りが明確になります。
- 数字は漢数字を使用する:縦書きの場合、数字は漢数字を使うのが一般的です。例えば、「1978年5月21日」は「一九七八年五月二十一日」と表記します。
- 記号や英字は全角で表記する:カッコや句読点などの記号は全角で書き、英字も基本的には全角で表記します。ただし、英単語や英文は横書きで表記することがあります。
- 禁則処理:行頭に句読点や閉じカッコが来ないようにする禁則処理が重要です。行頭にこれらが来ると、読みづらくなります。
- 感嘆符や疑問符の後に全角スペースを入れる:感嘆符「!」や疑問符「?」の後には、次の文字の前に全角スペースを入れます。ただし、閉じカッコが続く場合はスペースを省略します。
- 三点リーダーとダッシュは2個セットで使用する:三点リーダー「……」やダッシュ「――」は、基本的に2個セットで使用します。行をまたがないように配置することが望ましいです。
また、以下にも留意するとよいでしょう。
- フォントの選択:縦書き原稿には、等幅フォントを使用することが推奨されます。これにより、文字が整然と並び、見栄えが良くなります。
- 行間や余白の設定:行間や余白は適切に設定し、読みやすさを確保します。特に段落間の余白は必要最小限に抑えることが望ましいです。
その他、縦書きで私が注意していること
- 半角数字や半角アルファベットは横に倒れる
- 決まりはない・視認性で判断
- 数字:全角または漢数字にする
- アルファベット:「SNS」などは全角で縦並び、「Facebook」など長い単語は横倒しでもそれほど見づらくない
Wordで表紙画像を挿入する
挿入」タブ→「図」→「このデバイス」で画像を選択後、「図の形式」タブ→「配置」→「文字列の折り返し」で「前面」を選択。画像をページ全体に拡大し、位置を調整して完了。
Wordで自動生成機能を使ってハイパーリンク付きで目次を作成する
1.見出しの設定:各章のタイトルに「見出し1」「見出し2」等のスタイルを適用。
2.目次の挿入:「参考資料」タブ→「目次」→スタイル選択。
3.目次の更新:目次を右クリック→「フィールド更新」で変更を反映。
EPUB
EPUBは「Electronic PUBlication」の略で、電子書籍のファイルフォーマットの1つです。
拡張子は「.epub」で、Webサイト制作に使用されているHTML形式で情報内容が記載されています。
コーダーさんにお願いするか、専用ツールでEPUB化する方法があります。
- クラウドソーシングサイトで「Kindle EPUB」などで検索してコーダーさんにお願いする
- 専用ツールでEPUBに変換する
Kindle Create ※日本語のリフロー型の本はサポートされていません
Kindle Createの現状
Kindle Createは、Amazonが提供する電子書籍作成ツールですが、現在のところ日本語には完全には対応していません。具体的には、Kindle Createのユーザーインターフェースは日本語に対応していますが、日本語の書籍を作成する際にはいくつかの制限があります。
日本語書籍の作成に関する制限
マンガ専用フォーマット: 日本語での書籍作成時、Kindle Createはマンガ専用のフォーマットしか利用できないため、一般的な小説やノンフィクションの書籍を作成することはできません。
リフロー型書籍の非対応: 日本語のリフロー型書籍(テキストがデバイスに応じて再配置される形式)は、Kindle Createではサポートされていません。これにより、通常のテキスト中心の書籍を作成する際には、他のツールや方法を検討する必要があります。
まとめ
他にもPDFで出版するやり方などもありますが、現時点ではMicrosoft Word形式のファイルまたはEPUBファイルにするのがおすすめです。