Kindle出版7.Kindle本のKDPへのアップロードと公開設定のやり方

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目次

KDP「Kindle本の詳細」タブ

いよいよ、作成したKindleファイルをKDP(Kindle Direct Publishing)にアップロードする段階です。

本の顔となるタイトルや著者名、読者の興味を引く概要説明の入力、そして、本の発見率を高めるキーワードやカテゴリの選択について、詳しく解説していきます。

ステップ1 KDPにアクセスして書籍情報を入力

  1. KDPのサイトにアクセスし、ご自身のアカウントでログインします。
  2. 「本棚」ページを開き、「新しいKindle本を作成」ボタンをクリックします。
  3. 「Kindle本の詳細」ページが開いたら、次に述べる情報を入力していきます。

ステップ2 言語、本の顔となるタイトル、著者名を入力

  • 言語:日本語で書いた書籍であれば「日本語」を選択します。
  • 本のタイトル:本の内容を的確に表す、最も重要な要素です。読者の目を引き、興味を持ってもらえるようなタイトルをつけましょう。
  • サブタイトル(任意):タイトルを補足し、より具体的な情報を伝える役割があります。ターゲット読者層に響くキーワードを入れるのも効果的です。
  • レーベル(任意):あってもなくても問題ありません。レーベルとは商業出版でいう「講談社」や「KADOKAWA」などのブランド名のことです。
  • シリーズ(任意):続編で他の本を出版する予定がある場合は記入しましょう。販売開始後でも変更はできるので、現段階で未定であれば入力不要です。
  • 版:加筆や修正を行った場合に入力します。書いた本を初めて出版する場合は不要です。
  • 著者・著者等:著者名を入力します。ペンネームを使用する場合もここで入力します。

ステップ3 読者の心を掴む内容紹介文を作成

内容紹介文は、本の内容を簡潔にまとめ、読者に「この本を読んでみたい!」と思わせるための 重要なコピーです。4,000字まで書くことができますが、いつでも編集可能なので売れ行きを見ながら加筆修正すればいいです。内容紹介文に含むとよい項目は以下の通りです。

  • 本の概要: 2〜3行で簡潔にまとめます。
  • ターゲット読者:どんな人に読んでほしいかを明確にします。
  • 読者へのメリット: この本を読むことで、読者はどんな知識やスキルが得られるのか、どんな問題が解決できるのかを具体的に示します。
  • キーワード:本の内容に関連するキーワードを盛り込み、検索で見つけやすくします。

ステップ4 その他の必須設定

  • 出版に関して必要な権利:著作権者かどうか
  • 主な対象読者:本の表紙または本文に露骨な性的表現を含む画像が含まれていますか?または本のタイトルに露骨な性的表現を含む言葉が含まれていますか?
  • 対象年齢(任意)
  • 主なマーケットプレイス:販売対象国が日本の場合は【Amazon.co.jp】を選択します

ステップ5 本の魅力を引き出すためのキーワードとカテゴリを選択

キーワードとカテゴリは、読者がKindleストアで本を検索する際に、あなたの本を見つけやすくするための重要な設定です。

  • キーワード
    • 本のテーマ、内容、登場人物、場所など、関連性の高いキーワードを7つまで設定できます。
    • SEO対策を意識:読者が検索しそうなキーワードを選びましょう。
    • Googleキーワードプランナーなどのツールを使って、検索ボリュームを調べるのも有効です。
    • 競合ジャンルの売れ筋本のキーワードを参考にするのもおすすめです。
  • カテゴリ
    • 本の内容に最も適したカテゴリを3つまで選択できます。
    • 適切なカテゴリを選択することで、読者が興味のあるジャンルからあなたの本を見つけやすくなります。

ステップ6 「保存して続行」をクリック

すべての情報を入力したら、「保存して続行」ボタンをクリックして、次のステップに進みましょう。

KDP「Kindle本のコンテンツ」タブ

ステップ1 「Kindle本のコンテンツ」タブを開く

KDPの書籍詳細ページで、「タイトル、著者名、概要説明を入力しよう」のレクチャーで解説した情報を入力し終えたら、「保存して続行」をクリックします。すると、「Kindle本のコンテンツ」タブが開きます。

ステップ2 DRM(デジタル著作権管理)の設定

まず最初に、「DRM(デジタル著作権管理)」の設定を行います。

  • DRMとはあなたの本の著作権を保護するための機能です。
    • DRMを有効にすると、購入した読者以外の人が、あなたの本をコピーしたり共有したりすることを制限できます。
    • DRMを無効にすると、読者はより自由に本を楽しめますが、著作権侵害のリスクが高まる可能性があります。
  • どちらを選ぶべき?
    • 基本的にはDRMを有効にしておくことをお勧めします。
    • ただし、無料配布する場合や、特に著作権保護を強く意識する必要がない場合は、DRMを無効にすることもできます。

ステップ3 Kindleコンテンツのアップロード

いよいよ、あなたのKindle本の原稿をアップロードします。

  1. 「Kindle コンテンツ」セクション で、「原稿をアップロード」ボタンをクリックします。
  2. 対応ファイル形式
  3. 原稿をアップロードする:ファイルを選択し、「開く」をクリックすると、原稿のアップロードが開始されます。
  4. アップロード完了:アップロードが完了すると、「処理中」と表示されます。しばらく待つと、「アップロード成功」と表示されます。
  5. ページを読む方向:原稿ファイルと同じ方向を選択します。

ステップ4 表紙画像のアップロード

次に、Kindle本の顔となる表紙画像をアップロードします。原稿の冒頭に挿入したのとは別に、表紙画像だけをアップロードする必要があります。

  1. 「Kindle本の表紙」セクションでアップロード
    「既存の画像から表紙を作成する」: 自分で作成した表紙画像ファイルをアップロードします。ファイルを選択し、「開く」をクリックすると、画像のアップロードが開始されます。
  2. アップロード完了:アップロードが完了すると、プレビューが表示されます。

ステップ5 AI 生成コンテンツ

「本のテキストや画像の作成、または翻訳で AIツールを使用しましたか?」という問いに答えます。

Kindleの「AI生成コンテンツ」の定義において、「AI生成コンテンツ」とは、AIベースのツールによって作成されたテキスト、画像、または翻訳を指します。具体的には、AIツールを使用して実際のコンテンツを生成した場合、そのコンテンツは「AI生成」と見なされます。たとえその後に大幅な編集が行われたとしても、元の生成がAIによるものであれば、依然として「AI生成」とされます。この新しいルールは、AIを利用したコンテンツが急増する中で、著作権や品質の問題を防ぐために導入されました。

参照:コンテンツ ガイドライン > 人工知能 (AI) コンテンツ (テキスト、画像、または翻訳)

※AI生成とAIアシストの違い

Amazonは「AI生成」と「AIアシスト」の2つのカテゴリーを明確に区別しています。

  • AI生成:AIツールを使用して直接生成されたコンテンツ。たとえば、AIが作成した文章や画像をそのまま使用する場合。
  • AIアシスト:人間が主体となって作成したコンテンツに対して、AIツールを用いて編集や改善を行った場合。この場合、AIの使用は申告する必要がありません。

あなたの著書が「AI生成」に該当する場合は「はい」を選択します。

ステップ6 Kindle Previewerでプレビュー

原稿と表紙のアップロードが完了したら、必ず「Kindle Previewer」でプレビューを行いましょう。ダウンロード版の「Kindle Previewer」で確認していても、念のためオンライン プレビューアーでも確認することをおすすめします。

  • 「Kindle Previewerを起動」 ボタンをクリックすると、Kindle Previewerが起動し、あなたの本がKindle端末でどのように表示されるかを確認できます。
  • 様々な端末で確認
    • Kindle Paperwhite、Kindle Fire HDなど、様々なKindle端末での表示を確認しましょう。
  • 問題点の修正
    • 誤字脱字、レイアウトの崩れ、画像の表示不良など、問題点が見つかった場合は、ファイルを修正して再度アップロードしてください。

ステップ7 Kindle 電子書籍 ISBN

ISBN(国際標準図書番号)は、本を識別するための番号です。

  • ISBNを取得するかどうか
    • Kindle本には、必須ではありません。
    • ISBNを取得すると、書店や図書館などで取り扱われる可能性が高まります。
  • KDPで無料ISBNを取得:KDPでは、無料でISBNを取得できます。(KDPで取得したISBNは、Kindleストアでのみ有効です。)
  • KDP の ISBN と独自の ISBN の使用の比較、ISBN の変更などについては、公式ヘルプの「ISBN (国際標準図書番号)」のページをご覧ください

ステップ8 「保存して続行」をクリック

すべての設定が完了したら、「保存して続行」ボタンをクリックして、次のステップに進みましょう。

KDP「Kindle本の価格設定」タブ

KDP セレクトへの登録

KDPセレクトとは?

KDPセレクトは、KindleストアでのみKindle本を独占的に販売する代わりに、様々な特典を受けられるプログラムです。

  • 独占販売: KDPセレクトに登録すると、登録期間中(90日間)は、あなたのKindle本をKindleストア以外で販売することはできません。
  • 登録要件: Kindleストアで販売されているKindle本であること。

KDPセレクトのメリット

KDPセレクトに登録すると、主に以下の3つのメリットがあります。

  1. Kindle Unlimitedの対象となる
  • Kindle Unlimitedとは、 Amazonプライム会員向けの読み放題サービス。
  • KDPセレクトに登録すると、あなたの本がKindle Unlimitedの対象となり、多くの読者に読んでもらえる機会が増えます。
  • 既読ページ数に応じて報酬が発生する: Kindle Unlimitedで読まれたページ数に応じて、ロイヤリティを受け取ることができます。
  1. ロイヤリティ70%
  • KDPセレクトに登録すると、ロイヤリティ70%のオプションを選択できます。(一部対象外の地域があります。)
  • 通常、KDPではロイヤリティ35%のオプションも選択できますが、KDPセレクト登録本は70%のロイヤリティを受け取れるため、より多くの収益を得るチャンスがあります。
  1. 様々な販促ツールを利用可能
  • Kindle Countdown Deals:期間限定の割引キャンペーンを実施できます。
    (※Amazon.com および Amazon.co.uk 向けのキャンペーン)
  • 無料キャンペーン:期間限定でKindle本を無料提供できます。
  • これらの販促ツールを活用することで、本の認知度を高め、販売促進につなげることができます。

KDPセレクトのデメリット

KDPセレクトには、以下のようなデメリットも存在します。

  1. 独占販売となる
  • KDPセレクトに登録すると、登録期間中はKindleストア以外で本を販売できません。
  • 他の電子書籍ストア(楽天Kobo、Apple Booksなど)や、自身のウェブサイトで販売したい場合は、KDPセレクトへの登録は向きません。
  1. KDPセレクトに登録できるのはKindle本のみ
  • 紙媒体の書籍はKDPセレクトの対象外となります。

KDPセレクト登録の判断基準

KDPセレクトへの登録は、あなたの本の販売戦略や目標によって判断が異なります。

  • 登録をおすすめする場合
    • Kindleストアでの販売に集中したい。
    • Kindle Unlimitedでの読了ページ数を増やしたい。
    • 販促ツールを活用して、積極的に本の宣伝を行いたい。
  • 登録をおすすめしない場合
    • 複数の電子書籍ストアで販売したい。
    • 自身のウェブサイトで直接販売したい。
    • 紙媒体の書籍も販売したい。

KDPセレクトのメリット・デメリットを理解した上で選択してください。

出版地域

「すべての地域」と「特定の出版地域」のいずれかを選択します。基本的には「すべての地域」をおすすめします。

※参照:KDP「電子書籍の配布権」

主なマーケットプレイス

主なマーケットプレイスを選択します。日本の場合は「Amazon.co.jp」を選択します。

価格設定、ロイヤリティ、配信

ロイヤリティで70%の印税をもらえるのは、価格が 「250円〜1,250円」 の場合に限られています。そのため、それ以外の金額を入力すると、ロイヤリティの数字は 「35%」 に自動で変更されるので注意しましょう。日本円の部分だけを記入すれば、他国の価格が自動入力されます。

※参照:KDP「希望小売価格の要件」

利用規約

「『出版』をクリックすることで、Kindle ダイレクト・パブリッシング利用規約に同意し、これに従っており、アップロードするコンテンツを上記の各地域で販売、配布、および販売するために必要なあらゆる権利を保有していることを認めるものとします。」

KDPでの公開にかかる時間と審査について

KDPでの公開にかかる時間

「本が Amazon で購入可能になるまでに、最大で 72 時間かかることがあります。」と記載されています。これまでの流れに沿って原稿や表紙を作成・入稿していれば数時間程度で公開されるはずです。

KDPの審査に落ちる理由は?

Kindle出版の審査に落ちる理由は多岐にわたりますが、主な原因として以下の点が挙げられます。

著作権の侵害

  • コピーコンテンツ:自分のブログや他の書籍の内容をそのまま使用すると、著作権侵害と見なされ、審査に落ちる可能性があります。特に、同じ内容をそのまま書籍にすることは避けるべきです。内容を自分の言葉でリライトすることで、問題を回避できます。
  • 無料公開のコンテンツ:書籍の内容がWeb上で無料で公開されている場合、審査に引っかかることがあります。この場合、記事を有料にするか非公開にすることで、審査を通過する可能性が高まります。

不適切な内容

わいせつ、暴力、差別的な内容が含まれている場合、審査に通過しません。特に、商品説明やタイトルに不備があると、審査落ちの原因となります。

タイトルや表紙の問題

表紙やタイトルが不適切である場合も、審査に落ちることがあります。特に、誇張された表現や他の著名な作品と混同されるようなタイトルは問題視されます。

カテゴリの選定ミス

自分の本の内容に相応しくないカテゴリを選んでしまうと、審査に落ちることがあります。適切なカテゴリを選ぶことが重要です。

これらの点を考慮し、出版前に自分の書籍がAmazonのコンテンツガイドラインを遵守しているか確認することが重要です。万が一審査に落ちた場合でも、指摘された問題を修正し、再申請することで出版が可能です。

その他にもわからないことがあれば、ヘルプやコミュニティを活用しましょう。

KDP ヘルプセンター

https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help?ref_=TN_help

Kindle ダイレクト・パブリッシング (KDP) コミュニティ

https://www.kdpcommunity.com/s/?language=ja