私がひとりビジネスを始めてみて、働き方には3つの大きな要素があると考えるようになりました。それはお金・時間・場所です。端的に言えば、どこでどれくらいの時間働いていくら稼ぎたいか?ということです。
この3要素は密接に関連しているので、思考のフレームワークを活用して分解しながら具体化していきましょう。
- 働く時間:When・How long
- 働く場所:Where
- 誰が:Who
- 誰に:Whom
- 必要な金額:How much
- サービスの種類:What
- 単価:How much
- 集客方法:How
- 販売方法:How
Table of Contents
働く時間:When・How long
働く時間は2つの視点で考えます。いつ働くか、そしてどれだけ働くか、です。
いつ働くかを考えるときにまず考慮すべきなのは、あなたが働ける時間が固定されるかされないかです。あなた個人やご家族などの都合で、働ける時間が特定の曜日や時間帯に限定されているかどうかによってサービスを提供する時間帯が変動します。子育て中のママならお子さんが保育園に行っている間だけ働けるし、介護中の人なら要介護者がデイサービスに行っている間だけ働けるというふうに。
もう1つはピークパフォーマンス時間です。あなたが働ける時間帯の中で最も生産的な時間帯はいつでしょうか。その時間を最も重要なタスクに割り当てることが重要です。最も生産的な時間帯にクライアントとのセッションを行い、あまり集中力のない時間帯にそれ以外のタスクを割り当てるというふうに考えると、サービスをどんな時間帯に提供するのがベストなのかが見えてきます。
働く時間を考えるもう一つの視点として、どれだけ働くかという「量」の視点があります。ひとりビジネスの場合、たくさん働かなくてはならないと思いがちです。やるべきことはたくさんあるし、自分一人しかいない!という危機感もあります。
私の場合、ビジネスの立ち上げ時はそれこそ「メシ・風呂・寝る・家事以外はすべて仕事!しかも毎月3日間は徹夜」というくらい働いていました。それくらい量が必要な時期もあります。ですが、ある程度自分のビジネスモデルが確立してからは、長時間労働が必ずしも生産性の向上につながらないことに気付きました。特にお昼ごはんの後は、眠い目をこすりながらぼんやりした頭でパソコンを眺めているだけになりがちです。何も生産的ではないぞ?と気付いてから、軽い昼寝をするようにしました。そんなふうに質の高い休息時間を取り入れる方が、全体の生産性が上がることがあります。あなたの場合も、ただたくさん働けばいいというものではないかもしれません。
働く場所:Where
働き方の2つ目の要素が場所です。
ひとり起業のオンラインビジネスの場合、一人で完結するオンラインビジネスやチームに属して行うリモートワーク、どんな業種であれ、自宅かそれ以外か、あるいはその混合で働くことになります。
- 自宅で働く
- 事務所、コワーキングスペース、カフェなどに出かけて自宅以外で働く
- 自宅で働くのと自宅以外で働くの混合
自宅以外で働く場合は移動時間と移動コストが発生するため、働く時間と経費に影響します。例えばコワーキングスペースで働く場合、そこまでの移動時間と移動にかかる費用やその使用料を支払う必要がありますよね。
誰が:Who
誰が働いて商品やサービスを提供するのかという要素を考えましょう。
自分一人で働く場合は経費がかかりませんが、タスクの一部をアウトソーシングしたり、ビジネスをチームで動かしていく場合は委託費用がかかります。
- 自分だけ
- アウトソーシング
- チーム
誰に:Whom
どういった人にあなたの商品やサービスを提供するかというのも大事な要素です。
顧客となるターゲット層やペルソナ像によって、最適な商品設計と値付けが変わります。あるスキルを習得するためのオンラインコースやオンラインセッションを提供する場合、初学者向けなら網羅的なカリキュラムに、上級者向けなら特定のトピックに絞った個別セッションにするなどが考えられます。ターゲット層の可処分所得やその商品によって得られるベネフィットに対する熱意も値付けに反映されます。
必要な金額:How much
必要な金額という要素は、いくら稼ぐかということです。
復習になりますが、毎月必要な金額をこの公式でお示ししました。
あなたが生きていくための need の生活費 + あなたがビジネスを継続するための固定費=稼ぐ必要のある最低金額 稼ぐ必要のある最低金額(損益分岐点)=商品単価 × 購入者数 |
この金額が毎月の最低限の利益目標になります。
最低限の利益目標額ですから、時間労働からの収入が途絶えても必要な金額が得られるようにするのが理想的です。つまり、例えばオンラインコースやデジタルコンテンツからの収入による受動的な収入でこの金額を稼ぐなどして、あなたが働けなくても得られる収入の目標金額とするということです。
また、「商品単価 × 購入者数」の購入者数を増やすことができれば、その分が利益として残るので、広告費に充てて認知拡大を図るなどすることができるようになります。
サービスの種類:What
Whatは、「何を」です。商品やサービスの内容を意味します。教育コンテンツや相談、コンサルティング、セミナーなど、どんな形であなたの価値を提供しますか?
サービスの種類は、働く時間と単価に影響します。例えばTOEIC900点を目指すサービスを提供するとします。オンデマンド型のオンラインコースで提供する場合はコンテンツを作成する時間だけ働くだけですが、個別セッションで提供する場合には受講生が増えるごとにあなたが割く時間が多くなります。一方、単価は逆で、オンラインコースで提供する場合は個別セッションに比べて安価になることが一般的です。
あなたのターゲット層にはどんな形でサービスを提供するのが最適なのかということと、あなたが望む働く時間と単価に関係します。
商品やサービスの単価:How much
あなたの働き方を決める要素の7つ目は単価です。
あなたのサービスをいくらで売りたいですか?
単価の決め方はこの後にも詳しく触れますが、ひとり起業でオンラインビジネスで生計を立てる場合は収入目標との照合が必須になります。あなたの収入目標を達成するために必要な単価を計算し、それに基づいて値付けを調整します。
集客方法:How
あなたの働き方を決める要素の8つ目は集客方法です。
どんなに優れた商品やサービスを作っても、それが知られなければ購入されることはありません。
ここで検討するのは、どのような方法を使って顧客に商品を知ってもらうかということです。SNS、SEO、広告、紹介など、様々な集客手段がありますが、大きく分けると、集客を無料で行うか、有料で行うかの2つです。これは「時間をかけるかお金をかけるか」とも言われますね。
集客を無料で行うか、有料で行うかによってビジネスにかかる時間やコストが変わります。必要時間とコストが変われば、そのコストを転嫁する必要があるため、特に単価に影響します。
販売方法:How
あなたの働き方を決める要素の9つ目は販売方法です。
どのような方法を使って顧客に商品を購入してもらうかを検討します。
選択するオンライン販売プラットフォームによってコストが変わります。マーケットプレイスでなく自社ウェブサイトで販売する場合は、認知・集客・育成(教育)などを行うためのマーケティングツールが必要になるため、そのコストを勘案して単価を調整する必要があります。
まとめ
思考のフレームワークを活用して分解できたでしょうか。これをあなたのビジネスに落とし込んで具体化し、働き方を決めていきましょう。