3.昭和生まれにとってのインターネットを理解する

目次

無料ブログの登場

インターネット黎明期と無料ブログの衝撃

昭和生まれにとって、Windows98が大きな転機だったと思います。その前、Windows3とか4とかいうときも触っていましたけれども、インターネットの通信自体がそれほど安定していなかったというか、脆弱だったのです。だから通信するというほどでもなかった。Windows98以降に無料ブログとかが出てくるわけなのですけれども、はてなダイアリーやライブドアブログ、シーサーブログ、ココログなんかが始まったのが2003年というデータがあります。

当時のライブドアブログの無料プランの保存容量が30MBだったそうです。ブログサービスが当時、私はパソコンにうとかったので、いろいろな本を買って勉強しました。

技術的制約が大きかった初期のネット環境

デジカメというものも出てき始めていたのです。デジカメです。一眼レフでもミラーレスでもなくて、デジカメというものです。それで撮れたら嬉しいですよね。赤ちゃんが生まれたらデジカメを買って、赤ちゃんの写真を夜それをメールに添付して知り合いに送るということをしたくなる。だけど、デジカメで撮った1MBもする大きな画像ファイルをメールに添付してはならない、それは失礼にあたるとか、HTMLメールは容量食うから使ってはいけないと言われていたほど、通信インフラが脆弱でした。

さらに言うと、私が2000年頃に初めて買ったWindowsパソコン、Windows98ですね、ソニーのVAIOはハードディスクの容量が6MBでした。当時、私の勤めていた職場でパソコンを買ったのは私が一番遅かったのです。つまり私が一番最新機種を持っていました。そうすると「6MBも何に使うのですか」と言われたことをよく覚えています。6GBでも6TBでもなく、6MBです。それがパソコンの全体の記憶領域だったのです。考えられないですよね。

特別なスキルが必要だったかつての情報発信

ブログサービスが登場するまでは、個人が情報発信するにはホームページを持つ必要がありました。つまり、HTMLとかCSSがわかるとか、FTPの知識を持つ特別な人たちだけに許されるものでした。WordPressが一般的になるのは、もう少し後のことです。

特別なあなたのブログ執筆体験を振り返るワーク

ではワークです。あなたは自分のパーソナルなブログを書いたことはありますか。どのプラットフォームで、どれくらいの期間書いたでしょうか。

動画配信:テレビと映画以外の動画が出てきた!

昭和生まれにとってのインターネットを理解する動画配信

テレビと映画以外の動画が出てきた。さあ、さらに通信インフラが良くなって動画配信が登場しました。これはどんどん進歩していくわけなのですけれども、YouTubeが今ほど一般的になる前、多分ニコニコ動画だったと思うのですけれども、自分の部屋からライブ配信する10代の女の子を見たときは、文字通り腰を抜かすほど驚きました。

「お嬢さん何やってんの?そんなことやったら危険だよ」って。当時私はもう20代後半だったので、「何考えてるの?」と思ったのです。芸能人ならまだしも、何にも守られていない一般人女性が自宅の中を公開するなんて、ありえないことでした。そう思いませんか。

あなたの動画配信経験を振り返るワーク

さあ、ここでもワークです。YouTubeやインスタグラム、そしてTikTokなどが一般的になる前、あなたは自分の姿を動画で配信したことがありますか。あったとしたら、どのメディアで、どこで何をしているところを配信したでしょうか。書き出してみてください。私はありませんでした。

スマホの衝撃

時は変わって2011年、私は手のひらに乗る魔法のパソコン、iPhoneを手に入れました。SNSが一般的になって、YouTubeだ、Zoomだと動画が当たり前になっていきました。

でも、急に顔なんか出せません。まだ美顔アプリがなくて、私自身も撮り慣れていなかったから、スマホで自撮りしたら絶望的な写真しか撮れませんでした。かといって手元にろくな写真もなかったのです。SNSのアイコンどうしたらいいの? SNSを始めてみたいけれど、アイコンに使える写真がない。

SNSアイコンに使える写真がない問題

同世代のFacebookを見ると、特に女性は、結婚式の写真だろうな、という写真をプロフィール画像に使っている友達が何人かいました。「そうだよね、まともな写真ってそれくらいしかないよね。だって普段撮らないし、特別なときにしか撮らないんだから」。そもそも手元に写真がないのです。私もありませんでした。

でも、結婚式って何年前? さすがに使えないです。10何年経っているともう顔とか変わっているし、結婚式って特別な髪型とか衣装とか着ているので、まあおかしいですよね。使えないわけです。

たった一枚の写真に頼るしかなかった日々

私はそういえば、結婚退職するときに撮ってもらった白衣の写真がありました。結構マシな顔で写っていたのです。その焼き増ししてもらった写真を床に置いて、それをスマホで撮って、そういうフィルム写真をスマホで撮るっていうシュールなことをしてですね、加工をしてそれをプロフィール画像に使い続けていました。だってその写真しかなかったからです。比較的普通の状況で撮って、比較的マシな顔の写真は、そのたった一枚だけでした。Udemyのコースとか講師プロフィールの写真も、Facebookの写真も、何年もその写真を使い続けました。

あなたが初めてスマホを手に入れたのは何歳のときですか。おそらくこれが早いか遅いかで、その後のマインドブロックが変わってくると思います。

顔を出せないZoomミーティング

2020年、世界は未知のウイルスに巻き込まれました。リモートワーク、在宅ワーク、何でもZoom、Zoomに次ぐZoom。私は2019年からZoomを使っていて、「これがもっと一般的になるといいね」とUdemyの講師仲間と話していました。でも、使い方がわからないという人が大半だったのです。それが2020年をきっかけに一気に一般的なものになりました。

それでも私は顔を出せずにいたのです。気心の知れた少人数であろうと、個別のコンサルティングであろうと、顔を出して話すということができませんでした。さっきお話しした白衣の写真をアカウントの画像にして、その静止画のまま、カメラオフのままでしかZoomミーティングに出られませんでした。

顔出し配信への強い抵抗感と羞恥心

Facebookライブをやっている人も増えました。でもそういう人を見ると、その人を揶揄するとか、いい悪いではなくて「この人、正気なのかな」と思っていましたし、「顔なんか出したら私、恥ずかしくて死んでしまう」と思っていました。多分この感覚は、私と同じX世代の人にしか理解できないと思います。あなたはどうでしょうか。

あなたのZoom顔出し基準を考えるワーク

さて、ここでもワークです。あなたはZoomで顔を出せますか。例えば、知り合いと1対1なら出せるとか、社内ミーティングだったら出せるとか。あと、こんな人もいます。「Zoomの全員のビューにしたときに1画面に収まる人数だったら出せます。だけど何画面も使うような大人数の規模感のウェビナーだったら私は顔を出せない」という人もいるのですね。だから、どれくらいの規模感だったら顔を出せる、出せないというのがそれぞれおありだと思うので、書いてみてください。

私の家族はこんなふうに言っていました。「Zoom飲み会あるんだけどさー」。飲み会をするから仲の良いメンツばっかりのはずなのです。でも「Zoomで顔を出すのって嫌なんだよね」。そういう感覚があったらそれも書いてみてください。