オンラインシフトしたいあなたが働き方を決めるにあたって、考えておいてほしい3つの要素をこの記事でお伝えします。
- 目指すライフスタイルを明確にする
- 引き算から始める
- 目指すライフスタイルに必要な金額を算出する
Table of Contents
目指すライフスタイルを明確にする
- 何歳までにどんな暮らしを構築したいかを大まかでいいのでイメージしてみる
- 向こう3年間どうしたい?:3年後あなたは何歳ですか?家族は何歳でどんな状態になっていそうですか?
- 3年後にどんな暮らしをしていたい?:3年後の働き方、暮らし方、家族関係、人間関係、社会的な役割
何歳までにどんな暮らしを構築したいかを大まかでいいのでイメージしてみる
あなたが起業した背景にはライフスタイル、つまりどんな暮らし方、働き方をしたいかの目標があったはずです。組織に属していたらその暮らし方や働き方が実現しないと思ったからこそ起業したのですよね。
ですが、やはりひとりビジネスは大変です。収入がある程度安定するまでに時間がかかります。安定したと思っても組織でお給料をもらって働くのと比べるとかなり不安定です。多くの業種では「売上が毎月リセットされる」という恐怖に向き合い続けます。次の仕事が来ないこともあります。また、契約が取れたと収入を見込んでいても取引先が消える、「クライアントが飛ぶ」と言って、予定していた収入が消えることすらあります。
そうしたひとりビジネスの現実に直面すると、働くことに注力してしまいます。それはもちろん生計を立てる上で必要ですが、ある日はたと気づくことになります。
「何のために起業したんだっけ?」と。
起業するために起業したわけではないですよね。こんなふうに暮らしたい、こんなふうに働きたいというイメージがあったはずです。その原点に立ち戻れるように、目指すライフスタイルを明確にイメージするために言語化してみることをおすすめします。
向こう3年間どうしたい?
では、いつの時点のライフスタイルをイメージするかですが、向こう3年間でどうしたいかを考えるのが現実的だろうと私は思っています。特にオンラインビジネスは変化が速いため、10年後どうなっているかなんて想像してもまず当たらないし、5年後ですら想像したところで当たらないだろうと思うからです。今2024年ですが、5年前の2019年に生成AIがここまで一般的になって業務に大きな影響を与えているなんて想像できたかというと、私はまったく想像できませんでした。
だから想像できるとしてもせいぜい3年後だろうと思って、私は3年ごとに大きな見直しをしています。
また、プライベートの面でも3年というスパンが適切です。想像してみてください。今あなたが45歳なら3年後は48歳、もう50歳が見えている段階になります。今あなたが58歳なら3年後のあなたは61歳になります。ちょっとした変化が起こりそうか、起こっている長さですよね。
あなただけでなく、あなたのご家族は何歳でどんな状態になっていそうですか?お子さんの手が離れそうか、介護が必要になりそうか、などによって、あなたの働き方を変える必要があるかもしれません。
3年後にどんな暮らしをしていたい?
さて、では「向こう3年間どうしたい?」という質問をいくつかの項目に分けてみましょう。3年後の働き方、暮らし方、家族関係、人間関係、社会的な役割について考えてみてください。
- 3年後のあなたの年齢(歳)
- 3年後、家族状況はどうなっている?(ご家族の年齢、想定される必要なサポートなど)
- 3年後の働き方:時間、場所、労働内容など
- 3年後の家族関係:構成人数の変化など
- 3年後の暮らし方:どこで、どんなふうに
- 3年後の人間関係:仕事で / 家族で / 地域で / 趣味の集まりで / その他
- 3年後の社会的な役割:地域で要求される役割など
例:3年後は自分は48歳になる。夫は55歳、早期退職するかもしれない。私は生活費を稼げるようにしておきたい。子供は18歳と15歳、進路の問題が出てきそう。上の子が大学に進学するなら家を出て下宿生活になるかも。親は70代に突入する。義母は持病があるので通院や買い出しに週に一度くらいのサポートが必要になりそうだ。同居も検討し始めるほうがいいかもしれない。夫が早期退職して、子供の手が離れるならいっそのこと田舎の義母の方へ引っ越すのはどうだろうか。介護もしやすいし、何より憧れだった田舎暮らしを経験できる。都会の希薄な人間関係もラクだけど、地元の人と濃い人付き合いもしてみたい。自治会のボランティアをやってみてもいいかな。いざとなったら田舎暮らしを実現できるように引っ越しの準備や、場所が変わっても継続できる働き方を準備しておきたい。田舎に引っ越さない場合は、義母の遠距離介護ができるように、あまり時間にとらわれない働き方を検討しておく必要がある。
引き算から始める
向こう3年間のイメージができたところで、現実に戻ってきましょう。今のあなたの現実が理想からほど遠くても、今の現実からスタートするしかないからです。
理想のライフスタイルを実現するには、それを実現するお金が必要です。そのお金を作るには働く必要があります。今のあなたの状況で、どれだけ働く時間があるのかを検証してみましょう。
ここでのポイントは、本当に働ける時間がどれくらいあるか?です。
ひとりビジネスをしていると「時間がない」と感じませんか? 私は年中「もっと時間があればいいのに」とぼやいています。そして時間管理やタスク管理がうまくなれば、もっと効率的に仕事や休憩ができるのではないかと思ってしまいます。
私が試行錯誤してわかったのは、時間管理やタスク管理がうまくなっても、それほど大きなインパクトはないということでした。「時間がない」と感じていたそもそもの問題は、自分が使えると思っている時間を過大評価していたことだったからです。使える時間が多い前提でいる限り、ずっと「足りない」と感じるし、積み残しのタスクが増え続けます。積み残しのタスクリストを見るたびに罪悪感や劣等感におそわれる日々が続きます。
だからこそ、まず引き算から始めることが必要です。引き算してみると、実際の自分の手持ちの時間がわかります。手持ちの時間がわかってから、その時間の中で最大限のパフォーマンスを出す働き方、つまり時間管理やタスク管理を考えるのが現実的なのです。
使える時間を明確にする
働く時間を決める前に、どうしようもできない時間を引き算しておきましょう。引き算の後に残った時間からどれだけ働くかを決めます。
- 絶対に確保したい睡眠時間は何時間?、または何時から何時まで?
- 動かせないタスクとその時間帯を洗い出す
- 季節(あなたの仕事の繁忙期と閑散期)や月(お子さんの夏休みなど)によって変動があるならその区別を明確にしておく
※参考:「見える化」したら成果が出る!フリーランサーのための時間管理術
どんな人にも睡眠時間は必要です。
加えて、どんな人にも動かせない、つまり自分がコントロールできないタスクやその時間帯が存在します。例えば子供のお弁当をどうしても作らなければならないとか、家事に毎日何時間必要かなど。季節によって変動するかもしれませんね。
今わかっている範囲で明確にしてみましょう。これらのどうすることもできない時間を引き算したのが、あなたの持ち時間です。その中からどれくらいの時間働くかを決めてみましょう。
もしも今のあなたの状況が流動的であるなら、最低ラインで考えることをおすすめします。最大ラインで考えると「5時間とれる日もある」が基準になり、5時間とれない日はタスクが積み残されていくからです。どんなに最悪な日でも3時間はとれるのなら、3時間を基準にすると持続可能な働き方がみえてきます。
そしてこの3時間で最大限の利益を得るための、現実的な商品設計や値付けを検討することができます。例えばあなたがライフコーチで1時間のセッションを販売している場合、5人のお客様を迎えるのか、3人のお客様を迎えるのかと大きく異なります。これがあなたの目標金額と値付けにも反映されます。
人生としての季節=ライフステージも考慮する
ここまでは今のあなたの現実から、働く時間を算出しました。今の最低ラインで使える時間の少なさに絶望しているかもしれません。
でも人生は進んでいきます。人生にもライフステージという季節があります。
ライフステージとは、人生を一定の基準によっていくつかの期間に区切った場合の一つひとつのフェーズのことを指します。たとえば年齢によって、幼年、児童、少年、青年、壮年、老年というふうに分けられます。
ライフステージが変われば生活様式がガラッと変わります。あなたのライフステージはもちろん、家族の就職や結婚・出産、転職、退職などのライフイベントの影響を受けることもあるでしょう。
ここでは向こう3年間をイメージしています。その3年間に大きな変化がありそうなら、それも考慮しておくとさらに現実的なプランを立てることができます。
先の事例で言えば、田舎へ引っ越すことになるなら、引っ越しにあたる年は12カ月まるまる稼働できず、通常通りに稼働できるのは8カ月だろう、というふうに。するとその前提で働き方や収益の計画を立てられます。短期間の特別なキャンペーンを行うことで稼働できない4カ月分の収入を補う、あるいはサービス単価を上げるなどして対策を立てるのです。
「億」が必要ですか?
- 毎月の生活に必要な金額を明確にする
- まずは want ではなく need
- needに固定費を加える
- 稼ぐ必要のある最低金額=商品単価 × 購入者数
毎月の生活に必要な金額を明確にする
インターネットでは「最短◯カ月で月収1000万円達成!」とか「年商◯億円」と華々しい文字があふれています。
魅力的ですよね! お金はたくさんある方がいい。
組織に勤めていたら実現できない金額ですが、オンラインビジネスなら可能なのかも?!と思わされます。不可能ではありませんが、有料広告に多額の投資ができるなどの条件をクリアしないと実現できません。
なのに、SNSで大きな成功を見ると、オンラインビジネスを始めて10年以上になる私ですら、未だに「無条件で」実現可能なのかもしれないと思ってしまいます。実際には組織に勤めているよりも自営業は不安定なので、毎月安定した収入を得られるようにすることが難しいのが現実です。
もちろんあなたが目指す事業に億単位の大きな資金が必要で、そのためにオンラインビジネスをするのであれば、そこに向かって計画を立て、実践する必要があります。
一方で、自分の生計を立てるためにオンラインビジネスをするのなら、「ちょっと待て、本当に自分にとって億単位のお金が必要なのか?」と問い直すことをおすすめします。また、億単位のお金を得るための多額の投資ができるかどうかについても自問自答してください。
もしあなたが私と同じように多額の投資が難しい一般的な人なら、そういった雑音には耳をふさいでおきましょう。そして、毎月の生活に必要な金額がいくらなのかを明確にするところから始めます。
まずは want ではなく need
毎月の生活に必要な金額を考えるときに迷うことがあります。それは、want なのか need なのかです。つまり、「これくらいあったらいいな」という余裕のある金額とするのか、絶対にどうしてもこれだけの金額がないと生活が立ち行かないという最低限の金額とするのか迷うのです。
ここでは、need の金額、生活に最低限必要な金額をまず稼ぐ目標とすることをおすすめします。
最低限必要な金額を出すには、「生活費 項目」で検索すると項目の見落としがなくなります。それらの項目があなたの家計簿でいくらなのかを見てみましょう。住宅費、水道光熱費、通信料、食費、日用品費、医療費など、毎月何にいくら必要なのかを計算しておきます。
この金額があなたが生きていくために稼ぐ必要のある金額です。
needにビジネスの固定費を加える
need の生活費が見えてきたところに、ビジネスの経費を加えます。経費の中でも固定費を必ず加えましょう。あなたのビジネスを継続するのに欠かすことのできない経費、この支払いをしなかったらビジネスが止まってしまうという費用を見極めて計算します。
あなたが生きていくための need の生活費と、あなたがビジネスを継続するための固定費を合計して、明確な金額を出してください。これがひとりビジネスで生計を立てながら稼ぐ必要のある最低金額です。
稼ぐ必要のある最低金額=商品単価 × 購入者数
稼ぐ必要のある最低金額がわかったら、あとは簡単です。この金額が利益として手元に残るようにすればいいのです。
オンラインビジネスの世界で間違えやすいのは「月商」と「月収」です。月商は売上高でしかありません。そこから経費を支払って、手元に残るのが「利益」であり、「月収」です。ですから、業種によっては「月商1,200万円、月収は20万円」ということもあるのです。華々しい「月商」に惑わされないようにしないと、幻想を追いかけてしまいます。
これからあなたの商品やサービス、その金額を決めるために、この公式を覚えておいてください。
稼ぐ必要のある最低金額=商品単価 × 購入者数
稼ぐ必要のある最低金額が手元に残るように商品設計をしていきます。これがひとりビジネスの損益分岐点になります。
まとめ
この記事では、何歳までにどんな暮らしを構築したいかを大まかでいいのでイメージしてみる、向こう3年間の行動計画を立ててみることの重要性をお伝えしました。
行動計画を実行するには時間が必要です。しかし、働く時間を決める前に、どうしようもできない時間を引き算して、引き算の後に残った時間からどれだけ働くかを決めること、そして本当にあなたにとって必要な年商はいくらなのか、「億」の年商が必要なのかどうかの検証をしてみましょう。