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Udemyでリストがとれる?!(業界の神話)

今回のお題は、業界の神話についてです。「 Udemy でリストが取れる」という話題を取り上げたいと思います。最近、Udemy の講師が増えており、Udemy 講師になることをおすすめする情報発信が増えてきました。さまざまな人がさまざまなことを言っていますが、私も含めて、その人が良いか悪いか、正しいか間違っているかということではなく、少し誤解を招く可能性がある発信を目にすることがあります。

※免責事項:Udemyはじめ各種プラットフォームやマーケットプレイスの規約は頻繁に変更されます。本コンテンツ作成時の情報を掲載していますが、必ず公式のヘルプでご自身で最新の情報を確認なさってください。

「Udemyでリスト取りできる」が本当である側面

「 Udemy でリストが取れる、リストが取り放題だ」という情報は半分本当で半分嘘です。少し言いづらいところもありますが、まず本当の側面から説明します。「リストを取る」「リスト取り」という表現は、あまりスマートな言い回しではないなとは思いますが、ネットビジネスの経験者にとっては「リスト取り」という方がピンときやすい表現です。英語圏だと「リストビルディング」や「リードを獲得する」と言いますよね。リードを獲得し、メールアドレスを登録してもらうことで「リストがビルドされた」と表現をしますが、それが Udemy なら楽々できるんだよという話題を時々目にします。

「Udemyでリストが取れる」というのがなぜ本当かというと、たとえば私が「ポッドキャストの始め方」というコースを出したとします。そのコースを受講してくれた方が興味を持って「中野琴子」という講師名で私を検索してくれることがあります。その受講生の方は私のブログや YouTube( YouTube は死んでますが……)、SNS アカウントを見つけて、私のメールマガジンにオプトインしてくれることでリストが取れることがあります。このような指名検索で、向こうから会いに来てくれるということは確実にあるんですね。

あるいはブログなどのお問い合わせフォームから「こういうコースが欲しいです」「他で出していませんか?」「これから作る予定はありますか」といったリクエストをいただくこともあり、受講生さんがアクティブに探しに来てくれることもあります。私の Udemy 以外の有料商品を購入してくれたお客様の半分以上は、Udemy で私のコースを受講してくれた方々なんですね。

したがってそういう意味では、本当だと言えます。ただし、リストの取得については少し誤解を招くことがあります。

Udemyから直接はリスト取りできない

Udemyの受講生の個人情報は保護されている

Udemy では、講師が直接受講生のリストを抜くことはできません。たとえば、受講生の名前、アカウント名、メールアドレスなどの個人情報を講師が引き抜くことはできないのです。

かつてネットビジネスのご本尊であるインフォトップでは、販売者が購入者の情報を直接もらえる仕組みがあったようなんですね。しかし Udemy の場合は、受講生の個人情報は確実に保護されていて、講師はメールアドレスなどを知ることはできません。Udemy に登録されているアカウント名しか講師にはわからないため、直接リストを抜けるわけではないのです。また、受講生はいつでも自分のアカウント名を変更することが可能です。これが嘘の側面なんですね。嘘というか誤解を非常に招きやすい側面なんです。

Udemy講師は受講生を登録フォームに誘導できない

もう1つ嘘の側面があります。Udemy では、講師向けのマーケティングツールがいくつか用意してされており、その中の一つはコースの最後にある「ボーナスレクチャー」という特別なセクションです。「ボーナスレクチャー」というレクチャー名は、厳密に決められており、例えば「スペシャルレクチャー」など別の名前に変更することはできません。また、このセクションはコースの一番最後にのみ配置すると決まっています。それ以外は規約違反になります。さらに内容についても厳密に規約が定められています。

たとえば、自分のブログやホームページ、特定のセールスレターの URL を掲載することは許可されているほか、アフィリエイトリンクも認められています。(※規約は変更される可能性があるため、実際に行動を起こす前には公式のヘルプで最新の情報を確認することが重要です。)ボーナスレクチャーに載せてはいけないページやサイトは、個人情報を収集するフォームが含まれているものやランディングページ( LP )です。これらの種類のページは、載せることができません。

だから、ブログの URL を載せることは問題ありませんが、もしそのブログのトップページにメルマガの登録フォームを埋め込んである場合、それはおそらく NG なんですね。見つかったら問題となります。これに関しては、私は何パターンかの LP やセールスレターを用意し、どれが OK でどれが NG かをポリシーチームに問い合わせたことがあります。実際にこのタイプは OK このタイプは NG という明確な区分がありました。

ClickFunnelsの2ステップオーダーファネルはNG

要するに、セールスレターの種類はいくつかありますが、(ちょっとここからマニアックな話になりますが)ClickFunnels を当時使っていた際、ClickFunnels のセールスレターでも、販売価格が表示されていて、メールアドレス、名前、決済情報(クレジットカード番号、有効期限、名義人の氏名)、さらにカード裏面の3桁または4桁の番号を入力するフルのフォームがある場合は、これは結構OKとされていました。

ClickFunnels には、同じページ内で2段階の決済フォームがある 2step order funnel があります。まず1ステップ目のタブでは名前とメールアドレスを入力し「次へ」ボタンを押すと、2枚目のタブが開き、そのフォームの部分だけ2枚目のタブが開いて、同じページ内で決済情報(クレジットカード番号など)を入れて「購入」ボタンを押す仕組みです。ぱっと見は最初のタブでは名前とメールアドレスを入れて「次へ」ボタンを押すだけで、決済情報を入れる画面が表示されません。そのため、このタイプは NG だったのです。ちょっと面白いでしょう?

セールスレターのタイプによって、OK か NG かが微妙に分かれることがあります。私はメルマガの登録ページや LP を作成して、一緒にポリシーチームへ出してみたところあっさり NG でした。なぜかというと、Udemy は、受講生の方に安心して学んで欲しいからです。Udemy に登録して受講を始めたら、個人情報が取られる!というような場所ではなく、安心して学んでもらう場所であることを大切にしています。特にメールアドレスなどの個人情報を取得する行為は一切やめてくださいということが基本方針なのです。

ただセールスレターに関しては、価格や販売期間、販売者の情報などをオープンにしているものが意外と許容されています。利用規約やプライバシーポリシー、特商法表記などをフッターに載せることももちろん大切ですが、購入を検討する際にはこのページから買ってくださいと、全てをオープンにしているセールスレターは意外と OK だったりしました。

もしボーナスレクチャーにセールスレターやLPを載せたい場合は、コース公開前に作成し、ポリシーチームに URL を共有して承認を得ることをおすすめします。

【要注意】Udemyから送るメールの使い方

もう1つあります。Udemy からは講師が受講生に送ることができる2種類のメールがあります。1つは宣伝目的の「プロモーショナルアナウンスメント」で、講師が自分のコースの割引クーポンを発行して「最安値で受講いただけます。いかがですか」と案内するためのメールです。これは月に2通送ることができます。2つ目は教育目的のお知らせ「 エデュケーショナルアナウンスメント」で、月に4通送ることができます。

これらはどれも Udemy のシステム経由で送っているため、講師である私たちは受講生の方のメールアドレスを全く存じ上げません。Udemy が把握している受講生の登録メールアドレスに Udemy のシステムを介して送っているわけなんですね。したがって、私たちは直接受講生にリーチしたりすることはできません。そこを突破するためにさまざまな方法をとる人がいます。ここも嘘の側面の1つですね。その Udemy 経由のメールを誤った使い方をしている人がいます。

たとえば「今度どんなコースを作ったら良いですか、何に困っているのか次のコース作成の参考にしたいので教えてください」というアンケートのURLが載せられたメールが届きます。アクセスしてみると名前とメールアドレスを入力するところからアンケートが始まるようなものが時々紛れています。このような方法は実は Udemy の規約としては NG だと私は認識しています。

以前、私は国内のメルマガ配信スタンドのアスメルを長く使っていました。アスメルは簡単にアンケートフォームを作成できるのでとても便利だったんですね。ところが、メルマガの配信スタンドですから、デフォルトで名前とメールアドレスの収集が前提となっているため、名前を省略してもメールアドレスの入力は必須です。そのため Udemy の規約に違反してしまいます。

私は2018年に最初のコースを出して、おそらく2020年までアスメルを使っていました。しかし、アスメルのフォームだと規約違反になってしまうため、お名前やメールアドレスをいただかずにアンケートを実施できるフォームを探したところ、メルマガ配信スタンド系は全滅。Google フォーム以外に選択肢がほとんどありませんでした。それまでは Google フォームがあまり好きではありませんでしたが、Google フォームでは名前やメールアドレスの項目を省略して、純粋な無記名のアンケートを作ることができます。

私は600コース以上受講しているので、さまざまな講師から教育目的のお知らせを受け取ります。そのうち一部の講師から届くアンケートのURLにアクセスすると名前やメールアドレスを入力をさせられ、アンケートに回答し、submit まで押す必要があります。その後、その講師からUdemyを介さずに勝手にメルマガが届くようになります。これは間違った使い方のはずです。

「Udemyの他の講師がやっているから大丈夫」ではない

Udemy は、Google AdSense と非常に似ていると感じます。規約違反をするとストライクを受けます。ストライクには何段階かあり、軽い警告から1ヶ月間の販売停止、永久的なアカウント追放までさまざまです。他の講師がやってるから大丈夫だと思っても、通報されたりポリシーチームに見つかったりするとアカウントが BAN され、今後 Udemy で活動できなくなるリスクがあります。

もちろん、他の講師と同様に私も間違ったことをしている可能性があります。そのため、ご自身がUdemyの講師として新しいことを試す際には、必ず Udemy の公式ヘルプや規約、マーケティングのベストプラクティスに関するアドバイスなど、Trust & Safety のポリシーやガイドラインを参照してください。公開されている情報なので、Google で検索するとたどり着きやすいです。

たとえば、「教育目的のお知らせ、使い方、Udemy 」と検索すると Udemy 内で検索するよりもGoogle の方が見つかりやすいです。そこで適切な利用方法を確認し、判断に迷ったらポリシーチームに問い合わせることをおすすめします。特にオンラインコースビジネスをしていて、自分の商品を売りたいという講師は多いでしょう。直接自分のメールマガジンに登録してもらえたらこんなに素敵なことはないです。しかし、Udemy はその嘘の側面、間違った使い方でメールマガジン登録を許可していないため、真似をしないことが大切です。

もちろん本当の側面である、指名検索でたどり着いてくれて、ご自身の意思で問い合わせやオプトインしていただく分には全然構わないのですが、やはり数は少ないです。アンケートを実施すると、多くの受講生が協力してくれることがあります。その際メールアドレスや名前を収集することは、Udemy のポリシーに反する間違った使い方なので、これは嘘の側面です。ごっちゃにならないようにしてください。たくさんのリストを獲得できますが、それにはリスクが伴います。だから、目先のリストビルディングに危険な賭けをせず、受講生さんが自らオプトインしてくれる良いコンテンツを作成することをおすすめします。

まとめ

Udemy でリストが取れるという神話はありますが、複数のコースをリリースすれば出会いのチャンスは絶対にあります。コース数は多ければ多いほどさまざまなバリエーションでお客様との出会いが広がります。探しに来てくれる人の母数も増えていきます。だから良いコースをたくさんリリースしましょう、ということが結論になります。一緒に講師活動を頑張っていきましょう。

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